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アンデッドでバッドエンド? 4

 8階層で戦闘、ウィルオーウィスプが出現。ついて行くと屋敷がありシルキー三姉妹と戦闘になる。

「ヴィンスさん!裸体のシルキーが首に下げている首飾りは回復効果のあるアクセサリーです!!」

 シルキーの裸体を真正面から見るのは少し気が引けるが、ヴィンスさんならどうにかしてくれるはず。


 燃えるシルクのドレスで辺りは煙に包まれた。しかし、煙があるとシルキーからも見えなくなるので俺達は戦いやすくなった。


 裸体のシルキーが襲ってくる!


「ザシュッ!!」

「キシンッ!!」

 首飾りのあるシルキーだ、ゲイルは首を狙い剣を出す。それをシルキーがナイフで受けた。瞬間ゲイルの背後に隠れていたヴィンスがゲイルのいた地点を過ぎ去り斬撃していた。ダッシュでも入れたのだろう。一撃でなく時間差ありの二撃は、シルキーの首を断ち切った。


 まだシルキーは動く、


「眠れ、燃えさかる火と共に!」

「クリメート!!」


 直後ハーゼリアの唱えたクリメートはシルキーの体を焼いた。その白い体は溶けるように消失していく。




「ウグァアラァアア!」

 デメグラムと戦うイヤリングのシルキーは首飾りのシルキーが殺されたのを知って、空で喚き散らした。


「パシィ!_/」

「トパパパパァアア!!」

 緑の雷撃がそこからドーム状に大きく広がり地上に降り注ぐ。


「うぐうぁっ!」

「ああぁ!」


「おぉっ!」


 雷撃に耐える皆、かなり広範囲の魔術。


「シュルンシュルン!」

「ザクンッ!」


 ダメージを喰らいながらも痛みに耐えたデメグラムは空にいるシルキーを斧を投げつける。

 王剣を持つ手を切り落としたが、まだシルキーは抵抗を見せた。もう一度雷撃をしようと喚いて攻撃体勢をとった。そこでデメグラムはもう一つの斧も投げつける!


 戦士のスキル技・トマホークである。


 !!


 しかし、シルキーはトマホークをかわした。そしてシルキーは腕がなくなったことに気づき、怒りに身をまかせてデメグラムに襲いかかった。


 走ったデメグラムは、落ちた王剣を空中でキャッチ、指輪を外して踏んで潰す。

 正面から襲いかかるシルキーに対し王剣を体の前に出す。

 真正面から突っ込んできたシルキーは王剣に突き刺さっていた。

 斧を二つとも落としたはずのデメグラムが王剣を持っていることを予測できず、また煙が立ち込めていたことに加え、自分の腕と一緒に飛ばされた王剣が相手の武器になるとは思わず意表をつかれてしまった。

 王剣が刺さった目が白くなり、肌色の肌は白からくすんでいき朽ちて消えていった。



 二人の姉が倒されてしまった事に一番背の低いシルキーが気づいた!


 ナイフを突き立てて玉砕覚悟で襲ってくるイヤリングのシルキー、

「ギャアアアアアアアアア~!!」



 耳鳴りがする。カタリナは涙を流しその攻撃を受け止める覚悟だ。

「私は姉を探しているんですっ。彼女のお姉さんは既に倒されました。っ、これ以上はやめて下さい。お願いします、彼女たちはここで静かに暮らしていただけなんですっ」


「馬鹿やられるぞ!!」

 デメグラムが怒る。


 アッキーがガード体勢をとり、カタリナの前に入った。そしてまっすぐ突き立てたナイフを盾で受け止める!


「ザシュッ!!」

「ピキン!!」

 その背後から斬りつける、ゲイルとデメグラムの二人。結果シルキーの腰を斬りつけ、耳を切って落とした。


「ヴィンスお前手を抜いたな!」


「勝負はついている、盾で受け止められたシルキーに俺まで加勢する事はない!」


 イヤリングを割ったシルキーはその腰を庇い、這って足掻き苦しんでいる。二人のシルキーがいた方に手を伸ばす。


 ナイフを投げた!


「うっ!」

 油断したゲイルの胸元を一突き、ナイフが刺さった。


「これはきつい・・な」


「大丈夫ゲイル!?」

 リコルチェはマドレヒーリングを唱えた。

「魔力を残しておいてよかったわ、もう戦闘は終わったと思っているからよ!」


「全然終わってねえ、だから言ったんだヴィンス!」


「わるいわるい、でも我慢だ」


「何、言ってんだw」




「カシャカシャカシャリ!!」


 どこかから音がした、首飾りのシルキーの頭が宙に浮いている。


「よくも妹たちを殺したな!!」

 青ざめる笑い顔をして、

「でも償ってもらうから!!」


「フッ」


「ボッ、ファアアア―ン!!!」


 突然視界が白いものに包まれた。爆熱がして爆音が響く。俺たちは身を屈めた。が遅い、それが通り過ぎたら耳がジンジンとして体は熱かった。


「いたたたた!!」


「あっつーう!」


「熱いぞぉお!!」


「あちっ!」


「痛い~!」


「いてて!」


「なんだこれは!?」


 腕に白い固形の蝋がくっついていた。そして腕に軽い火傷を負っていた。爆発して、熱い蝋がそのまま飛び散ったのだろう。これが釘とか鉛だったらと思うと考えたくない。俺たちは距離があったからよかったがヴィンスさん達は相当火傷を負ったようだ。


 サンタの髭みたいで笑ってしまった。

「ふふっ」


「笑う事ないだろう」


「すみません、髭がついてて」


「まあ・・な」

 がくっと膝を落としたヴィンスさん。


「しっかりして下さい!!」


「心配するな、これでもマッドギルドのNo2だ。まだリーダーでないが」


「何言ってんの、俺がNo2だろ!!」


「何だ?俺の勇士を見ていなかったのか」


「また、いらないものを受け止めたんだろ!」


「かわすと、お前達が攻撃を喰らうから受けたんだぞ」


「マヌケだから受けたんだな」


 二人の喧嘩が始まった、これなら火傷は大したことはないな。


「ヴィンス、今日は火傷を治すの我慢して。明日朝には治すから」

 火傷を回復させるにはMPが足りないようだ。


「リコルチェ、MPがないのか?」


「うん」


「よぉおし各自、白いの落として屋敷に入るか?」


「ここモンスター襲ってこないの?」


「ここは、次の階層に繋がっていて今のがフロアボスだと思います」

 俺がそういうと、


「あらそう、それで」


「だから、恐らくモンスターは襲ってきません」


「それはツイてるじゃない!」

 知らなかったらしい、喜んでいる。どうやって今まで睡眠や休憩をとっていたのか。 


 こうして室内で一晩泊まることになった。カタリナの目には白い蝋がついていた、涙の跡だろうが、他に体にはついてなかった。

 もしかするとその気持ちがイヤリングのシルキーに伝わったのかもしれない。




 屋敷の中はパーティーを開くのか大きな広場があり、奥にドアが二つ(中は部屋)があった。左右には上に続く階段があり二階はドアが三つ(三部屋)ある。恐る恐る入るが、シルキーたちだけが住んでいたようだ、他に誰もいない。


「ここは誰もいないようよ」


「いたら大変だ」


 俺たちは一階広場のソファーに座って暖を取った。ソファーは三つもある、一人で一つ使っていたのか、かなり広々としていた。


「ここってシルキーたちが生活していたですよね、こんなのって酷すぎないですか?」


「カタリナさん、私たちは誰かのために戦い誰かのために死ぬんです。それが命尽きても使命を全うしても変わりません」

 リコルチェが言う、どちらにしろ命に関わる。


「まあまあ、そんなのやめましょうよー」

 ハーゼリアさんが空気を一新する。 


「あなたたち食べる物持ってきた?」


「はい、あります。ここに」



 一階で暖を囲み、夕食をとることになった。


「それでは、いただきまーす!」


 俺たちは、お決まりのサンドパンとフライロットを食べ水を飲んだ。


「これ、いけるわね」

 モニカさんはハーゼリアさんからマッドスペシャルを分けてもらっていた。マッドとはヴィンスさんの所属するギルドの事である。


「これはね、私たちが下積み時代に考案した食料なの。五日は持つから安心して食べて」


「すごい。上位ギルドとなると、そんなに保存がきくものまで作れるのか」


「そのかわり、いつもアイテムから取り出して気をつかわないといけないがな」

 デメグラムが面倒臭そうに言う。


「食料貯蔵係りでもいいからギルドに入れてくれって交換条件で交わした約束でしょ」


「そんなのあったな」


 そんな事があったのか。


 暖を取っての食事、ただヴィンスさんは少し離れたところにいた。火傷の時、熱は返って傷口を悪化させ痛むようだ。皆元気は良かったが、カタリナは下を向いて黙っていた。


「それはそうとライムだったかエリスさんはどこにいったんだ?」

 ゲイルが聞いた。


「女が苦手なゲイルがエリスさん探してるぞ!」


「あはっ!デメグラムそれも修業かしらねぇ」


「エリスは旅に出ました」


「そうか・・・それは残念だ。ギルドは人ばかり変わると皆移動するぞ」


「はい、気を付けます」

 複雑な気持ちだ。


「それよりお前たちはどうやって来たんだ?」 


「そうですね、何度も同じ道を行ったり来たりして修業していました」


「それだけでもすごいじゃない」


「まぁ、でも死ぬかと思いましたよ」


「私たちは、死んでいてもおかしくない状態で戦っていたの」


「死んでいたりしてな」


「ご冗談を」


 縁起でもない。それから少しの間、話をしてお開きにした。その間もヴィンスは葉っぱで火傷を冷やした。




「ゲイルとヴィンスはそこのソファーで休んでね」

 そういって大広場のソファーで警護となった。この二人は見張りをする。


「俺、ヴィンスさんと変わりましょうか?」

 俺はお礼はできないのでせめてと思い言った。


「いいのよ、ヴィンスは体全体が火傷で、ああやって体をあてないように寝ないといけないから。それにダメージは回復してあとは火傷だけ」

 答えたハーゼリアさんは、マッドのサブリーダーと言えるかもしれない。


 俺たちは二階につくと部屋のベッドで寝っころがった。三部屋に一つずつベッドがある。中央をあけて左部屋は男三人と右の部屋は女四人が寝る場所となった。




 ―男部屋―

 デメグラムさんはとっつきにくく、厳しい性格。だが話し方さえ間違わなければ問題はなかった。アッキーにベッドを譲り、俺とデメグラムさんは一階から運んだソファーで寝ることになった。それぞれスプレッドクローズを掛布団のようにする。

 異世界人だと知られないように質問も考えて答える。仮に寝言にでも出ようものなら大変だ、気を付けよう。


「明日は早いから寝るぞ」

 そういってデメグラムさんは、すぐに寝てしまった。アッキーもすぐに寝た。ここまでの出来を思うと、誇らしかった。俺はよく頑張ったと思いながら眠っていった。



 ―女部屋―

 魔法使い同士寝るとか話し合うが、気を付かうからとハーゼリアとリコルチェ、モニカとカタリナが二つのベッドで分れ寝ることになる。


「大きいベッドですねえ」

「そうね、こうやって寝返りをうてるし」


「なんですか」


「わぁああ、お化けよ!」


「きゃああ」


「ダッダッダッ、バタン!」

「どうした!!」

 ゲイルが走って入ってきた。一階にいて既にドアを開けている、それに驚くモニカとカタリナ。


「この二人がふざけていたのよ!」


「そんなあわてないで下さい!」


「すまん、俺は何かあったのかと思って」


「それより、こんな時間レディーの部屋に入って何顔を赤くしているの?」

 ハーゼリアが突っ込みを入れる。


 女性が苦手で下着姿(普段着は怪しいので出さない)のモニカとカタリナを見たゲイルは慣れていないからか顔が真っ赤で目を細めていた。


「次から大きい声を出すな!もしモンスターが出たら、呼んでくれ、ハーゼリア。では失礼!!」


「あなたの方が声大きい」


 ゲイルが出て行ってからは静かに話をした。そして皆、眠っていった。カタリナは少し涙を流していた。

 カタリナには姉妹を思う気持ちがあるので、それを思うと耐え難いフロアだった。

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