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仲間 3

 エリスからメールの返信が届く。なんとダンジョンマスターはライムに呪いをかけていた。呪いも含め、ルーレイファワークの世界に死亡寸前の仲間を置き去りにしてこちらの世界に戻ったライムは罪悪感がわく。もう一度旅立つ。覚悟を決めたライムはアルバイトを辞め、ゲームのような異世界に行った事をゲーム仲間に話す。

 アッキー 協力はできるかな


 ライム  アッキー、協力できるって書いてないかな?


 アッキー 書いたよ、行けるって意味で


 ライム  でも向こうの世界で死ぬかもしれないんだぞ


 アッキー どうして?


 ライム  向こうの世界で受けた痛みは、傷が回復しても残る。精神ダメージや記憶として。俺の手首が少しだけ切れていた。もし怪我を直さないで、この世界に戻ったら死んでいたかもしれない。一番これが問題になる。行ったら最後、戻ってもこられない可能性が高い


 アッキー 治せば大丈夫なんだね


 ライム  そうだ


 モニカ  あんたたち自殺でもするように聞こえるけど


 ライム  ある種の自殺行為だ。それと、アッキーとだけ話をさせてほしい


 モニカ  わかったわよ。但し言わせてもらうとおかしくなっているわよ、二人とも


 みゃあ  私からしたらネット関連の危ないサイトを見てる気分


 シロップ 自殺サイトの書き込みだ


 ライム  俺は向こうの世界の仲間が死ぬ寸前、戻ってこれた。俺が死んでいてもおかしくはなかった。仮にそれが俺と同じ転移したプレイヤーだったらこちらの世界に着いた途端、死亡は確実。


 アッキー 初心者プレイヤーでよかったね


 ライム  もしそれでも本当に行けるなら、あらかじめ銀行から全額貯金はおろしておいた方がいい


 アッキー 僕はそんなに持っていない、親がいるし。親の通帳からお金が引落される事はないの?


 ライム  ないと思う


 アッキー よかった


 ライム  安心できないけど


 アッキー で僕はどうすればいいの?どうすればその世界に行ける?僕はこの世界にそんな未練もないし二次元の世界にいるアニ厨みたいなもんだから


 シロップ チュウ!!


 アッキー (*^_^*)


 シロップ ムカッ!


 ライム  分かっていることは、上を見ろと言われ上を見たことと、外にいたことくらいかな


 アッキー それあったね、あの時は外でゲームしてたの?


 ライム  他はルーレイファワークのCMを見たこと位かな。アニメ『ファーストフード作りません課』のエンディングの後に入ったんだ


 モニカ  『ファーストフード作りません課』かぁ


 アッキー でもホームページを見てもそんなプロモーションビデオや動画が上がっていないよ。CMがあるのなら動画もあげるはずだけど


 ライム  そうなんだ。


 アッキー それは呪いのCM(動画)なのかな?


 ライム  あれは呪いのCMというより、求めている人だけが気づくCMだと思う


 アッキー ふ~ん、ところでそのアニメ面白い?


 ライム  俺は下から上に上がっていく姿が恰好いいなと思って見ていたんだ。アッキーも見てる?


 アッキー 僕は見てない


 ライム  一度、見てほしい


 アッキー わかったよ、来週の金曜日に見る。その後、Meell中に外で上をみるんだね。


 ライム  それだ、それしか試す方法がない。それまで部屋を片づけ、両親に話しておくと良い、何度も言うけど戻って来れるか分からない。


 アッキー ラジャー


 ライム  ありがとう、助かったよ


 アッキー まだ手伝っていないからお礼言わないで


 ライム  そうだな。みんなも聞いてくれてありがとう


 みゃあ  アッキーさんも抜けるんですね


 アッキー 心配しなくてもいいよ。僕のかわり何ていくらでもいるからさ


 みゃあ  信用できる仲間はそんな簡単に見つからない


 アッキー そういってくれると嬉しい


 シロップ バイバイ・・ババロア


 アッキー ごめんね、遊んであげられない


 シロップ 遊びじゃなくて戦闘だよ(怒)


 アッキー そうだった


 モニカ  一応、先にお別れ言っておくわね。次のMeellでそんな暇ないかもしれないから。あと2人以外は外出しないで、念のためよ


 みゃあ  はい


 シロップ やあ


 モニカ  いつも、みんなの聞き役をやってくれてありがとう、優しいアッキー!


 アッキー あははいやいや、じゃあみんなまた


 ライム  さよならみんな






 ―金曜日のこと―


 上田あきおは、アニメ番組『ファーストフード作りません課』を見てみた。


「ごめんなさい、圭太君。私が先にパートに昇進しちゃって」


「宏子、何言ってんだよ。同じバイト仲間の昇進は喜ぶことだぞ。俺、嬉しくて電話しようかと思ってたんだ」


「あ~心配して損した」


「お前、すぐ追い抜かれないように気抜くなよ」


「うん」


 エンディングが流れる。

「タラララララララ、大切な仲間、大切な友達」




「この・・・・


 世界があなたの未来を変える!」


 こちらをみて一人の司祭の女が語りかけている


 今~


 あきおはルーレイファワークのCMを食い入るように見た。


 女神?女神様だ、これは。手を差し出せば向こうの世界に行くのかな?と思い伸ばしてみたが無駄に終わる、もちろん何も起きない。

 ゲームには、こんな女神は登場しない。冒険がそんな進んでいないから現れていないのか?でもそんな話は一度も聞いたことがない。


 明日になればはっきりするか、一応連絡しておこう。




 ライムのMeellに連絡が入る、


 アッキー ライム、今CMみたよ。女神さまが現れた。ルーレイファーワークのCMで間違いないと思う


 ライム  女神様?見てくれてありがとう、でもここにはあまり書かないでくれ。あの時と状況を変えたくないんだ


 アッキー わかったよ



 本当に現れるか半信半疑だったあきおは、スマホで写しておけばよかったと後悔した。すごい綺麗な女神様だった。

 明日に備えて何か準備しようかな?と考えるあきお。スマホを充電する、ジーパンにジャージを準備した。

 悶々とあれこれ考えながら、その日は早い就寝に就くことにした。




 ちょっと気になったし見てみようかな?かおるはそう言ってアニメのファーストフード作りません課を見ていた。

 CMの後、怒りが爆発。そんなCMなんてないじゃない。男どもはアニメばっか見てるから就職できなかったのよ。ゲームなんてその言い訳の矛先。


「あっ!!、連絡が・」


 アッキーも見たって男どもだけの幻想郷じゃないの。それならなんで私は出てこないの。




 そういえば・・アニメがなんかあるって言ってたか。私はワンダーパンダ以外あんまり見ないしどっちでも、そういって一十美は夕食後ベッドで寛いでいた。


「なんか入ってる」


「Meellでアッキー、喜んでるキモ」




「ライムさん思い詰めていたけど大丈夫かな。私もい、いや私は見ない方がいい。ゲームは、出会いとか別れが簡単だと思っていたけど大変だな~。仕事が忙しく出かけられないから始めたんだけど、モンスターとの出会いとか変なキノコの精霊とか面白くて」

と藍はつぶやいていた。






 それから俺は、エリスへにメールを送ったが返事は来なかった。行く方法が分からないまま土曜日になる。


 ―翌日の土曜日―


「ふわぁあああ」


 翌日、あきおが目を覚ましたのは午前十時。掃除といって近くのものを引き出しにしまう程度で、座りながらの作業。

 女神さまが現れたので食欲が湧いた。コンビニに行こうかなと思う。

 しかし長期間、外出したことがないアッキーは悩んでいた。緊張と恐怖で汗がダラダラと流れ、体が固まる。足も力が入らず気が重く、やる気を起こしても起こしても次々と失せていった。

 あきおは、親に食事を作ってもらい買い物を頼み何年間も生活していた。

 たまーにどうしてもて見られたくない物を受け取る時(ネット通販のアマダンやHoping)はコンビニに行ったが三か月に一度位であった。

 ひきこもり状態のアッキーは目的があっても外に出る事が辛かった。


 そんなひきこもり生活で癒してくれたのが、空から舞い降りる女神様だったり、恥ずかしがっている主人公に話しかけてくれる無垢な少女、不合理な事態にも頑張っているアニメのヒロインだった。

 勇気づけられ、驚かされ、希望をもらい、愛らしく、自分も頑張っていると思わせてくれた。


 そんな女神がいるかもしれない。

 女神さま。

 きゃは、メガミさま!

 親に聞こえないように声を抑えて喜ぶ。

 

 一日中、そればかり考えて何時間も経っていた。


 妄想するアッキーは立ち上がった。

 億劫な足に掻き立てる何かが力をくれて。

 不安は邪な思考回路によって無の境地に達し、

 いまさら、欲なんて出るはずのない意欲の枯れ果てた井戸の底から湧き出した欲望、希望、願望、会ってみたい!!と。


 親にみられないように自宅を出る。




 庄は一日、準備を整えていた。かおる、藍、一十美もそれぞれ準備をした。




 夕方の午後六時

 

 Loading・・・・。

 ゲームを起動し履歴やアイテムを整理する。

 それに合わせてMeellを起動する。ゲーム中でもMeellのメッセージが飛び込むが、それでは会話が読めないのでMeellの方に画面を合わせる。


 モニカ  コホン!!えーっと、今日の洞窟攻略はシルバーの仙窟に進もうと思います。みなさん調子はどう?


 棒読みのモニカ、まるで演技の台詞みたいに進行をする。


 シロップ いいかも、それいいかも。


 シロップまで本番が苦手だった。演技が下手でキャラも変わってるし、モニカの緊張が伝染したのか。 


 みゃあ  そうだね


 ライム  そこにしよう


 アッキー 僕もいいよ


 他三人は大丈夫。


 モニカ  決定ね、並び方は私が決めるわ。


 モニカ  1みゃあ

 みゃあ  えええ


 モニカ  2ライム

 ライム  はいっ


 モニカ  3アッキー

 アッキー 自信ないかな


 モニカ  4シロップ

 シロップ や?


 モニカ  5モニカ

 モニカ  私ね


 モニカ  この順序が、シルバーの仙窟で戦闘するのに最も適してるはず。敵からのダメージが低いうえ経験値が稼げるモンスターが多く出現するからね。ただ頻繁にバックアタックがあるから私とシロップで後ろを守るわ。後ろからは攻撃力が高いモンスターが出現する、シロップは準備しておいてね。


シロップ  みゃあ


 モニカ  それとシロップ、ライムとアッキーの援護も手伝ってあげて


 シロップ 私の経験値は?


 モニカ  ここは少ないわよ。シロップは経験値が多く強いモンスターがいいでしょ。極度に硬い、まぐれで倒せるモンスターだとしつこいから面倒くさくない?


 シロップ 手ごたえあり、実感ありは合ってる



      ねえ空を見て


 モニカ  はっ!?


 シロップ 来た!!


 みゃあ  下見ちゃったw


 ライム  なんだなんだ?


 アッキー 見てもいいけど、どうしよっかなー?


      上よ上


 アッキー そこまで言うなら見よう


 ライム  アッキーが見るなら俺も見てみよっかな



 アッキーは自宅の庭の裏で空を見た。もう日が暮れている。ライムも自宅の外で上を見た。家の玄関かから横に行った所である。


 上を見る、滑るように視界が地から空へと移り、その後、落下して背中を打ち視界を一度落とした。最後に見たものは真っ暗な中でクルクルと回る青い光信号のようなもの。

 何度も修正しています。ゲームの画面が目に焼き付くのか?同じような画像が夢に出ます。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  すばらしい展開、としか言いようがない、です。  感覚としては、児童文学を読んでいる感じに近いですね。  童話としてはグリムあたりの不穏な感じがします。残虐性もありますし。  絵本的には押…
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