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仲間 2

 ダンジョン最上階で、一人喜ぶダンジョンマスター(主)。エリスは死んだふりをして【魔法】を唱え、ライムを生きているうちに、元の世界へ送り返した。

 気力ゼロの時に行動することはない。気力があっても何かに掻き立てられて行動しようとも思わない。そんな時ほど俺は冷静に考える。

 突然の事故を考えると怖がって動けなくなるのだが、考えることは何もしないことではない。きちんとした行動に移るための前段階だ。


 一度、頭を整理する。まずエリスのいる世界からメールで連絡が届いた、ならこちらからもメールが送れるという事になる。俺はエリスから届いたメールの返信先にもFeather Companyに送ったメール(課金していないので返金してほしい)と同じものを送信した。


 返事は、まだかと何度もスマホを立ち上げて確認する、一時間ほどしてメールの返事が返ってきた。


「チャララッ!」



――――――――――――――

 宛先:Roux layfer workライム@Feather.Co.dw 

 RE:エリス  メール見ました


 それはダンジョンマスター(主)の呪いです。

 ダンジョンマスターは、あなたに呪いの魔法をかけました。

 同じように呪いの魔法をかけられた人の中に、元の世界(あなたの今いる世界)で奇声を発し狂ったように暴れ出して人々を殺す犯罪者がいます。また殺人鬼やゲーム型快楽殺人者、ハーレム化する誘拐犯、疑似恋愛発展型ストーカーや性犯罪者も現れました。

 ゲームの世界で達成感やコミュニケーション、注目されたり、スリルを求めたのでしょうが満足できなかったのだと思います。

 しかし、あなたは何も求めませんでした。だからダンジョンマスターは、犯罪者となる引き金となるように、あなたのお金を奪ったのです。強盗、空き巣、万引き、盗難など手を出せば悪に染まるのは必至。それは働いても報われないあなたが一番狙われやすい部分。

 今戻れば残り二十日間、私はあなたが強くなるために協力するわ。ただ来て再び戻れるかは保証出来ないの、覚悟して来て。

 それと今度来る時に、あなたの仲間で良い人がいたら一緒に連れてきても構いません。私の教えられることは全て教えるつもりです。仲間が全て異世界プレイヤーになると戦力・戦術・戦法は格段に違う。

 ライムは自分で未来の扉を開けるよう頑張っています。それが私の守護する理由です。

 ――――――――――――――  



 戻る、はぁ?何を言ってるんだ。せっかく元の世界に戻ったのにどうしてまた、そんな世界に行く必要がある?俺は絶対に戻らない!あの世界に行ったら、明日には死んでいるかもしれない。 

 まず、このエリスは本物なのか?本当は俺たちがMeellで話していた時に、名無しで文章を入れてきた女じゃないのか?

 メールは真面目で素直な文だ。だがメールの内容は怪しかった。俺が、あの世界にゲーム仲間を連れて行って何ができるというのか?

 だから、俺は、このメールが自分を連れ戻すためのダミーかトラップではないか?と考えた。そのギミックとして”メールとエリス”を使った。それなら合点がいく。


 俺は絶対に行かない。ただ最悪の事態は想定しておかなければならない。強制的に連れて行かれる可能性だ、俺は既に机の上に手紙を残していた。

 でも強制的に連れて行けるならこちらに、わざわざメールを送ってこないか?つまり俺の同意が必要か?もしくは、同じ要領でCMを見てゲームとMeellをしないと連れていけないのだ。


「あっうぅううぅ~」

 思い出すだけで震えがくるあのときの感覚。手が震え足がガクガクし立っていられない。目がヒクヒクと痙攣を起こし焦点が合わず痛みだす。

 倒れて無抵抗な俺たちを玩具のように叩くトロリン。目の周りが真っ赤で口から唾液を垂らしていたセイラ、腕を引きちぎ・・・・・嫌だ、


 想像したくない!


 放っておけばいいのに頭から離れない仲間。ゲームのような異世界の中で、俺が皆を仲間に加えなければ死なずに済んだのに・・・。


 冒険した仲間との思い出が頭に浮かんだ。




 ―庄の回想セイラ


「ところでライムさんの将来の夢は何ですか?」


「将来の夢ね、俺はない。今は仕事をして生計を立てることだけが、とりあえずの目標で夢みたいなものかな」


「ふーん、すごいんですね。何にも夢がないのに頑張れて」


「俺は難しい事、苦手だから」


「私は、ほらっ!」

 セイラは石のペンダントを胸元から出した。

「これは私の夢です!」

 ペンダントは透き通る石を二つ十字に合わせ紐で括り付けたものだった。


「これは私が十五歳の時、回復魔術を使って初めて治してあげた五歳の男の子からもらったものです。その子ったら、僕も人の役に立つことができるようになりたいと五歳で考える偉い子なんですよ」


「五歳は偉いと思う」


「そうです。それからはこれを誓いの御守りとして、恥じないシスターになるため日々魔術の鍛錬をしました」


 俺は街で顔を洗う時、ペンダントを貸してもらった。

【生きとし生けるものは全てを助け、死してなお、やすらかに眠れる死に会えるよう祈りを捧げる】

と、そのペンダントの後ろに書いてあった。


 セイラは大人になる前から、そのための勉強だけでなく、行動しているというのに俺は力になってやれなかった。


 ―――――――――――




 ―庄の回想アルス


「アルス、俺たちのギルドに入ってくれてありがとう。俺はすごい感謝しています」


「気にすんな。俺は好きでこのギルドを選んだんだ。勝てない戦闘には、逃げて生きる道、戦って死ぬ道の二通りがあるが俺の友人がここまで導いてくれたような気がするんだ」


「はい」


「以前のギルドでサンドワーム三十体位に囲まれた時があった。そんな強くないモンスターだが数に物を言わせこちらに襲いかかる。

 俺はお前は先に行け、ここは俺が引き受けると言ったんだがお前が戦って俺が生きれるなら命もかけよう。だがお前が死んだら俺も死んだも同然、生きていてもなーんも楽しくないと言われたんだ。だから友人は生死を共にするように俺と戦った」


「良い友達ですね」


「ああ、でも最後は俺をかばって死んだ。逃げろって」


「一緒に逃げなかったんですか?」


「もちろん一緒に逃げる方法も考えたさ。でもモンスターに囲まれて出来なかった。その時は知らなかったが、魔法使いは遠距離での戦闘が得意で広範囲の攻撃が出来るから、居たら逃げる事が出来たかもしれない。それに、もしもっと気を配れたら、広範囲に攻撃出来たら誰も死ななかったかもしれない。

 だから・・・俺はライムを選んだ。既にすごい魔法使いを仲間に加えている。魔法使いは強ければ強いほど良い、このギルドはきっと強いぞ」


「でもそれってエリスを買っているってことじゃないですかw」


「そうなるな、はっはははははー」


「ずるいっ」


 ―――――――――――




「俺は仲間を助けることが出来なかったし、その魂を救うこともできなかった。これでは、お前とお前の死んだ友人に失礼だよな、友人なら・・・」



「俺は


 自分がゲームのような異世界に行った時は、


 仕事を休むことになる」



 バイト先に相談することにした。


「ピンポーン!」


 店に入ると音が鳴る。俺は従業員勝手口より事務所に入った。こういった重要な話は直接会って話すのが基本である。


「店長!」


「どうした、急にそんな大声で?」


「しばらくアルバイトを休ませて下さい」


「お前、どういうことか分かるのか?」


「はい、先日の件もあります。しかし今は出勤できる状況ではありません。出来れば、お休みを頂けないかと思っています」


「ならお前はクビだ。俺はそんないるかいないか分からない幽霊従業員はいらない。それに状況の変化が出始めたのなら、また休むこともあるしな」


「そうですか、じゃあ退職します」


「それでいいのか?」


「はい」


「そう・・・か、わかった仕方あるまい。明日から来れないんだろう。明日から一か月後の退職にしておく」


「ありがとうございます!では次に来る時に制服と退職届を提出します」


「わかった、従業員は他にたくさんいるから受理しよう。お前はいつも真面目に働いてくれたし大目に見る」


「ありがとうございます」


 こうして俺はバイトを退職した。頑張って入ったのにあっさりと退職なんて、ちょっと寂しかった。




 仕事をしていても、お金が無くなるなら辞めても一緒だ。さあ~仕事のことは済んだ、あとは家族に頼んでおくだけ。


 俺は自宅の居間に家族宛の手紙を書いた。


^^^^^^^^^^^^^^^^^

 しばらく旅に出ます。戻ってくるのが一か月後になるか一年後になるかわかりません。一か月後、帰ってこなかったら、この退職届とクリーニング屋に出した制服を返しておいてほしい。もし一年後も戻ってこなかったら、俺の部屋の机の上の手紙に書いてある連絡先に伝言を頼む  村井庄

^^^^^^^^^^^^^^^^^


 これでいいかな?

 次に仲間だ、おそらく誰も来てもらえないと思うが一応頼んでみるか。みんな俺よりゲームに詳しいから相談する価値は十分にある。


 Meellを起動する。



 ライム  お、おはよう


 モニカ  やっほぉー、二日ぶりだねライム~。戻ってきてくれたんだー


 みゃあ  よかった


 シロップ 逃げたのかと思った


 ライム  おまえ達冷たいな(涙)


 シロップ 実力勝負だから(汗)


 ライム  あ、そう


 アッキー 二人とも仲よくしよう、シロップは厳しいから(友情)


 ライム  そうだな


 シロップ アッキー、今度のイベントの時覚えててね


 アッキー また敵を奪って倒すんでしょ、僕の報酬なくなるから勘弁してよ


 シロップ 勘弁しない!


 ライム  お前、まだ独り占めしているのか?


 シロップ あれはみんなが遅いから


 ライム  ・・・。それより、みんな理由は言えないけど一度会えないかな?


 モニカ  悪い事考えてないライム?その話はこの前、止めたじゃないの。それからまだそんな日が経ってないし


 ライム  悪いことは考えていない


 みゃあ  怪しいw


 シロップ 変態


 アッキー 僕は会えない


 ライム  だから違うんだ、一度会って皆に頼みたいことがあるんだ


 みゃあ  何でそれで会うの?


 ライム  それは命が関わる問題になるかもしれないから


 シロップ 無理


 みゃあ  命って・・


 モニカ  ゲーム命って意味の?


 ライム  意味じゃなくて自分の生命の


 モニカ  それは賛成できないなぁ


 アッキー 僕も嫌


 ライム  悪い変な話をして。話が飛ぶけど、あの変なメールの後どうなった?


 モニカ  ライムが急にいなくなっちゃったからそれどころじゃーなくなって、あんたかなり必要な位置にいたのよ


 シロップ ばか


 みゃあ  ライムの替わりがねぇ


 アッキー 土曜に違うメンバー入れても、イベントのアイテムや報酬だけもらって去っていく仲間だった


 ライム  そうなんだ、それは悪かった。俺も大変なことがあってさ


 みゃあ  家庭や仕事の時は言って下さい。


 モニカ  それで何か相談があるの?


 ライム  いや、言っていいのか・・


 シロップ 言えば


 モニカ  理由を教えて


 ライム  実は俺はこの二日間ゲームのような世界にいたんだ


 アッキー それって二次元?


 ライム  三次元の


 シロップ サンジゲン?


 アッキー ゲームのような世界とは?


 ライム  それがゲームと似ている風景だったんだ


 アッキー 同じ世界


 モニカ  私は信じられないけど


 ライム  皆それで何か知ってる事がないか、聞きたかったんだ。それと手伝ったほしかった


 みゃあ  それ本当だったら怖いですね


 ライム  ああ


 モニカ  それだと現実世界じゃなくてアニメかSF世界の出来事になるわ、だから手伝えない


 ライム  アニメは入らないが、現実とSF以上の世界だ


 モニカ  もしあったら最悪よ、それ


 シロップ 頭いってる?


 ライム  あの世のこと?いってないよw


 シロップ よかった


 ライム  それで直に会って、俺が今どういった状況なのか話したくて


 モニカ  聞くから、ここで話して


 ライム  俺は戦闘し全滅寸前で戻ってきた。死ななかったのは初心者プレイヤーはヘルプの守護が受けられるから。その事は、向こうで会った人からのメールに書いてあった


 モニカ  ゲームってルーレイファワークの?


 ライム  そのアプリの、さらに呪いとして課金したことになり貯金が全て引き落とされた。だから銀行の通帳の残高がゼロになっている。


 アッキー 呪いが課金になるんだ


 ライム  でも俺はクレジットの引き落とし設定はできないしやっていない


 モニカ  それは変ね


 シロップ やばいやつ


 ライム  会社に問い合わせたら運営と関係のない損害は一切補償しないと回答が来た。試しに机の上にあった五十円入れたら同時に引き落とされた。この先、働いても給料ゼロになって何も買えなかったら生活出来ない。通帳見せればみんな話したことが嘘じゃないと分かると思う


 アッキー 戻ったのに何でゲームの世界みたいな所に行こうと思ったの?


 ライム  呪いだよ。課金の呪いを解くため


 モニカ  あっちの世界に戻ってお金が戻るの?


 ライム  戻ってもお金は戻らないと思う、でもそれが仲間だから


 アッキー 選択が難しい


 モニカ  給料を手取りでもらったら?


 ライム  そうか!その手があったのか、考え付かなかった。でもこれから先自宅に置いて生活することは考えられない。それに仲間を置いてきた。死体だろうが仲間だ、弔ってやりたいんだ


 モニカ  私たちでは駄目なの?


 ライム  どの世界の仲間も仲間だ。たとえ死んでいても家族にお金と遺骨くらいは届けたいと思う


 モニカ  ・・・・


 ライム  そのことを話したくて会いたかったんだ


 アッキー 僕それでも会わないよ


 ライム  わかった、ゴメンわけのわからないこと言って迷惑かけたな


 モニカ  いいよん。気が向いたらまたここに戻ってきなさい


 みゃあ  待ってる


 シロップ 頑張れ


 アッキー 元気出して


 ライム  みんなありがとう。一か月間、友達だと思ってプレイしてきて初めてハマったゲームだった。俺ゲームが少しずつ好きになってて、みんなも好きになってて夢中になってプレイしてた。楽しかったな。あとゴメン戻ってきたのに、またいなくなる


 アッキー でも・・・

 皆さん、ゲームはどんなジャンルが好きですか?恋愛・パズル・太鼓と各種ありますが、課金は無理なく楽しめる範囲で行うのが一番です。私の場合、悔しさで課金した時に限って悪い引きでした。

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