↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/128

第36話 普通の世界へーそれ空(から)

 異世界の武器と技と魔術(ウォーターナイフ、りゅうせいのやり、ヘルメスの斧、剣撃、ホワイトエンジェローブ)によってリリスロードの悪魔(悪心)が死んで良心だけが生き残った。

 そして昔のようにエリスとリリスは、この世界を管理することになった。


 ダンジョンから移動しサンサンドの街、上空より地上を見下ろすエリスとリリス。


 そこにはエルフとドラゴン族が雑草のように一堂に集まり群がっていた。そしてこの世界のモンスターの出入口は、その二つの職種の冒険者により全て制圧されていた。


「どうしてあんなにエルフがいるの?しかもドラゴン族までぇ」


 エリスとリリスが移動する。


「ほら、あれを見なさい」

 指を差すエリス。


「エルフとドラゴン族が出入りしてる!」

 サンサンドの街、教会の近くの広場の穴から這い出てきた。これまでずっと地下に隠れていたようだ。以前モンスターの来襲があった時も彼らは見つからなかった。


「私も最近知ったんだけどエクセアのギルドは何もエルフ狩りをしていたわけじゃないの。戦闘を挑み倒したフリをして仲間に加えていたのよ。中には信用されなくて本気で襲い掛かってくる冒険者もいたみたい。残念ながらその冒険者は死んでいったわ。

 残った彼らは、反乱を起こす機会を伺っていたの」


「へぇ~、それでエルフとドラゴン族がいなかったんだー。私計画がうまくいったもんだと思っていた」






 それから二日が経ち三日目、スカルベ一行はダンジョンの中階層まで迎えに来ていた冒険者と共に街に帰ってきた。


「あれ」

 指を差すエリス。


「ちょっと前に来た冒険者ね」


「スカルベがドラゴン族を指揮していた」

 ドラゴン族のみんながスカルベに跳びついている。シャティとフィアは他のエルフと話をして笑っていた。




「!」

「ちょっといいか、空を見てくる」

 鋭い目つきのスカルベは翼を羽ばたかせ空に飛んだ。


「――――」


「あれスカルベ、見つかってしまったわね」


「エリス・・」


「あなたたちに手伝ってもらった恩は忘れない」


「いいんだ、忘れてくれ。ほとんどライム達がやったことだ」


「いいえ、あなたたちがいたからここまでこれた」


「それで、これからどうするんだ」


「しばらくは、このままにしておくけど少しずつ変えていくわ」


「そうか、何かあったらいつでも俺たちに言ってくれ」


「ええ、そんなわけにもいかないけど。それじゃあ私たちはこれで行くわ。私は今魔法が使えないから、しばらくしたらまた会いましょう。その時に元の世界へ送り返すわ」


「ああ、それまで俺は別れの挨拶でもしておくとしよう」


「それじゃ」

 エリスとリリスは魔術で飛んでいってしまった。スカルベは少し考えた後、皆の元へ戻った。






 ―元の世界(異世界と異なる時間軸の世界)―


「っ・・ぅ・・」

 目を覚ますとライムこと庄は、家のエントランスに腰かけていた。


 俺はどうやら眠っていたようだ。それより、かえって来た!やった本当に戻ったんだ俺たち!

「!?」

 そうだ、ここには仲間はいない。俺は一人だった。服装もあの時と同じ物。ただ着古してボロボロになっているけど。靴もちゃんと履いている。

 空を見るとあの時は違う、紅掛空色ではなく白掛空色の空だった。


 俺は玄関のチャイムを鳴らした。

「ピンポーン!」


 玄関に誰か歩いてきた、母である。


「庄ぉ~!!」

 俺の顔を見るなり名前を呼んだ。

「今までどこに居たのよぉお~」

 母は驚いている、急に消えて迷惑をかけたのに怒らず喜んでいた。こんな出来の悪い俺でも本当に嬉しがってくれている。見ているとこっちまで泣いてしまいそうだ。

「庄か!戻って来たのか?」

 父もどうやら起きたようだ。よく寝ていて起きるもんだ。





 アッキーこと、あきおは自宅の庭に転がって寝ていた。


「あきお・・」

 息子を見つけた母はご近所に知られると恥ずかしいので、そっと名前を呼んだ。


「あきお、何でこんな所に寝ているんだ?」

 あきおの父も世間の目を気にして息子を起こした。


 その呼びかけに、あきおは目を覚ました。ここ十年以上、姿はほとんど見られていない。見られた時も両親とは顔を合わせず目もくれなかった。そのアッキーは両親と目を合わしたので体が震えた。


「うわっ」

 あきおは、すぐに顔を伏せて自分の部屋に走っていった。




 かおることモニカは二階のベランダで寝むっていた。手を伸ばし足を広げ踊っている最中のような姿勢だ。


「くしゅんっ!!」

 その生理的現象の音と寒さを感じた体の震えから目を覚ます。足を見るとベランダ用の靴を履いていた、これで異世界を歩いたなんて想像がつかないw。

「あ~っ、さむぅ~いいいぃ」


「ガチャ、ガチャガチャガチャ!」

「きょえぇぇ~、閉まってる。どうして」

 窓は鍵がかかっていた。窓越しに見える自分の部屋は片付いていた。たまに姉が来て部屋の掃除をしてくれていたようだ。留守番電話のボタンが点滅している。

「すいませーん!」

 モニカはアパートの隣人にベランダから声をかけた。


 その後、隣の住人が気づいてくれて管理人に電話をした。鍵が開けられ部屋に戻ったモニカは部屋の中を見回すとテーブルの上にはメモが残されていた。

 姉からだった、荷物が全て残されていたから部屋の解約はしていない、捜索願を出した、との文面が載っていた。そして、その後処理としていくつの場所を周ることになった。




 カタリナこと紗来は家の雨戸の通路で寝ていた。体は、まだ温かくあの頃の匂いも残っている。

「お姉ちゃん・・」

 目を覚ましたカタリナは庭から家の中を見回した。人がいる気配がしない。

 ここは亡くなった祖父の家である。その家に住んでいた紗来と姉の未智子、両親は実家に住んでいて住まいは離れていた。

 戻ってきても落ち込むばかりの日々、何か月もいなかったので部屋を掃除したり片付けたりを毎日していた。

 大学はしばらく休んでいた、七か月以上休み単位を落としたのでどうなるかはこれから考える。


 ある日のことだった。その日は雨が降っていて一日中どこにも出かけなかった。大学は休みで家で勉強をしていた。

 少し休憩をとった。雨戸の通路に雨は入ってこない。シトシトと糸のように落ちる雨を見ながら冒険とお姉ちゃんの事を考えていると疲れて横たわっていた。

 そして、いつの間にか寝てしまった。


「シトシト」


「シト・・」


「ポタ、ポタ」


 雨が滴り落ちる音に反応し目が覚ますと、そこには何と妹の紗来がいた!顔をこちらに向けて寝ている。

 未智子はいてもたってもいられないので紗来に声をかけた。

「紗来!紗来!」


 雨にかき消されたのか全然起きないので未智子は紗来を揺さぶる。


「んっ、だっ・・・」

 目を覚ました紗来の目に膝を曲げて自分の肩に手をかけた姉の未智子の姿が映った。


「お姉ちゃん!?」

 紗来は夢ではないかと思った。でも感触は人の手、目に映るのは姉の未智子で間違いない。あまりに突然の事なのですぐには受け入れられない。また異世界に行ってしまったのかと思った。周囲の景色を確認し起こりうる全事象を否定していき理解した、ここは現実だと。


「お姉ちゃん!!」

 目の前にいるのは。夢でも異世界でもない現実、本物の姉だ。


 二人は肩を寄せ合った。そしてしばらくお互いが、どうやっていたのか話し合った。


 紗来は目が潤んで震えていた、なぜなら感情を抱く頭と心がその再会に揺さぶられたからである。そして、まるでお互いの距離を確かめるかのように付いては離れを繰り返す。




 みゃあとシロップはMeellで話し合っていた。

   

みゃあ  戻れたのかな?


シロップ 大丈夫


     全員無事帰還されました


みゃあ  誰、また!?


アプリコット 私です、名前を入れ忘れました


シロップ 面白くないぃー


アプリコット そうですか、てははは





 俺達がどこへ行っていたのかみゃあとシロップが話をしてくれたようだ。俺が戻ったその日、両親は捜索願を取り消した。その事に関して怒られるかと思ったが案外優しかった。

 それから何日か普通の生活をして過ごした。どこへも行かず部屋で異世界の事を思い返してはこれからの事を考えていた。


「仕事探さないとなー」

 フリーター生活がまた始まるだけ。


 ふと気になったので俺はアプリを起動した。アプリのアイコンの角に丸いランプがついて更新されていた。


 もう、あの世界へ行くことはないのでアプリを起動する。

 すると、案内板が表示された。


【運営です。このアプリゲーム、ルーレイファーワークは本日を持ちまして終了致します。アプリが存続できなくなりましたことについて深くお詫び申し上げます。プレイヤ-の皆様には長らくプレイして頂き感謝しております。

 理由はゲームの開発段階でなかったいくつかのエラーの発生、人気低迷、運営上の資金不足が挙げられます。

 このゲームのお知らせについてはしばらく開けますがゲームは開けません。なお残っているメールはアプリが終了消滅時に処分しますのでご了承お願いします。課金したお金は運営までお問い合わせください。残っている金額につきましては全額返金いたします。

 なお、こちらが完全終了する時は運営側が直接プレイヤー皆様の口座に返金しますのでご安心下さい。それまでは開けますので確認をお願いします】


 そしてメールのアイコンが下にあった。

 誰か知らんがメールが来ていた。シロップ達かな?と思い開く。


――――――――――――――――――――

宛先:Roux layfer workライム@Feather.Co.dw 

RE:エリス ダンジョン攻略者ライム様


 私と妹は人間を誕生させるため、この世界ルーレイファワークを創造したの。さらにオアシス湖とツリーシードの森をつくり街を作るきっかけを与えた。人間は活動し街をどんどん発展させていったわ。

 私たちは、ここに動物がいないからモンスターを少しだけ置くことにしたの。もちろん食べる事は出来ないけど、より強く生きてもらおうと考えた。

 さらに私たち二人はダンジョンマスターとしてダンジョンの最上階に降臨することにしたの。見事、私たちを倒す事が出来たら、人間の求める願いを叶えようと思ったの。でも女神の姿だとまずいので街と同じように魔女の職業になったのよ。

 最初の頃はうまくいっていた。

 だがある時、ブラックという名のプレイヤーが異世界から入ってきた。この世界の住人でない彼が私たちを倒してから妹は変わってしまった。当初、放心状態だった妹が次第にスリルや恐怖といったものに高揚するようになった。最後には心が支配され妹は悪に染まってしまった。堕天あらため悪神である。私は逃げた、そしてプレイヤーの魔女として地におりて行動を起こした。


「見事、私たちに勝ったあなたの願いを一つ叶えてあげる」


「それでは私の話を聞いて下さい」


「いいけど」

 リリスは驚いた、なぜなら動物のような食料かお金を求めると思っていたからだ。


「俺は旅をしてこの世界にきました。魔女様、私を見てどう思いましたか?」


「どうってあなたはナイトじゃない?」


「俺はナイトではありません。ナイトは、あんなに素早い攻撃は出来ません。魔女でも当然出来ません。だから履歴にも残りません。そのできない人間は人間と争い、モンスターと戦い死んでいきました。皆はただのプレイヤーです、それよりあなたは悪魔かつ最後のボスですよね?」


 ふと横切った思いが心を攫っていく


 自分の罪を認めざる得ないからだ。否定できない存在、認めたくない存在が介入するのを拒むことができない。


 フォールダウン。天からの良心を落としてしまった。

 逆に言えば昇天、つまり良心が天に召したといったほうが正確なのかもしれない。


 ポッカリと空いた心に悪魔が住みついた。そして心に悪い心を抱くようになった。神が悪魔を受け入れてしまったのだ。悪神といってもいいのかもしれない。



「私はリリスロード、この世界を統べる王にしてダンジョンの主」


 それからリリスロードは、この世界で実験的研究をしていった。ブラックにそそのかされるままにね。さらにブラックの真の目的にまで手を貸すことをしていった。その真の目的は他の世界に行くこと、そのため異世界の人間を集めて情報を集めていった。また実験をしていったの。

 あとは知ってのとおりよ。



 ※周りにいた神々はそれを見はなさなかった。オアシス湖に人魚を神の使いとして残していった。勇敢な人間に神の武器を授ける者として。アポロン、アルテミスが宿る木々をツリーシードに植えていった。

 この世界の人間には愛があった。神は悪魔のせいで悪神になった神に元に戻るチャンスを与えていた。

 私はブラックから逃げ、異世界から仲間を集めたの。だけどリリスと戦いには勝てず全ての力を使い果たしてしまった。

 それでも私は諦めず、時間が経った後に、また異世界に助けを求めたわ。だけど、みんな世の中の情報をうのみにして信じてくれないの。真偽を人(他人の話やあなたたちの世界の機械)で判断する。

 もしあなたが、このゲームをしなかったら私はあなたを選べなかったでしょう。

 嘘のような本当のこと、本当のような嘘の事、それを自分の目で足で確かめたあなたがこの世界の攻略者(勝利者)となって私は嬉しい。私と私の妹を救ってくれて心より感謝します。届かない思いをメールに認めて送ります。    エリス&リリス

――――――――――――――――――――




 カタリナ、モニカ、エルドラ、アッキー、それぞれが思い立って届いているルーレイファワークのアプリのメールを開いた。


――――――――――――――――――――

宛先:Roux layfer workカタリナ@Feather.Co.dw 

RE:エリス 姉を探すカタリナ様

カタリナ、あなたのお姉さんはサンサンドの街の地下にいたので魔法でそちらの世界へ送り返しました。同じ道だったので上手く行く事を願っています。私の妹の事はありがとうございました。

――――――――――――――――――――




――――――――――――――――――――

宛先:Roux layfer workモニカ@Feather.Co.dw 

RE:エリス 英雄モニカシリオル様

モニカ、あなたに私から魔術師として英雄の称号を与えます。

――――――――――――――――――――




――――――――――――――――――――

宛先:Roux layfer workエルドラ@Feather.Co.dw 

RE:エリス 小さなエルドラ様

エルドラ、あなたの存在は私にとって奇跡でした。今、あなたが住んでいる世界には魅力的な物が多いから強奪や侵略もあると思います。そういった時はライムたちのような人がいないか探してみて下さい。あなたの未来は自分で動き出した場所にうまれる気がします。

――――――――――――――――――――




――――――――――――――――――――

宛先:Roux layfer workアッキー@Feather.Co.dw 

RE:エリス 底から這い上がった勇敢な心を持つアッキー様

アッキー、あなたは環境の影響か類稀な能力を持っています。それは普通の世界では使わないアビリティもしくはレジスタンスです。それを活かせば、あなたの友達と理解者ができるので頑張って下さい。

――――――――――――――――――――






 その日、俺は夢を見た。

 真っ暗な夢の中で一人の司祭が立っていた、そして話す。


「私は異世界の何百億人という人を見てきた。その中には、誰も私の求めに応えてくれそうな人はいなかった。

 しかし、長い時を超えてあなたが現れた。ライムあなたは、普通と違っていた。

 あなたは見えていた、まだ【自分の世界が開かれていない事】に。気づいていた【目に見えない何かがある】ことに。本当は【出来る事】が【出来ないもの】としてその世界で決まっていることに。


 だから選んだの。


 最初のキスは現実だって教えたかったから、でも死にかけちゃったけどね。だってあなたは私の英雄で救世主なんだから。


 これが私にできる精一杯の事、最善の最良の最高の最愛の最新の最短の方法であなたに教えたかった事。

 ありがとうライムいえ村井庄、いつかあなたの世界が楽しくなることを祈っています。あとアルスとセイラの事は私に任せて下さい」

 半年間お付き合い頂きありがとうございました。話は考えて進めたわけですが、思い返してみると途中変わったりして人生のような感じがします。

 追記:誤字脱字、日本語になっていない文、意味不明な文、文法の間違いが沢山見つかりました。その事に修正して初めて気づきました、そして読者の方に迷惑をかけたことに気づきました。

 あなたのアクセスが私の心の支え(書く力)となりました(涙)読んで頂きありがとうございました。修正は一先ず終わりです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  アシュリーとセイロンの葬儀のシーンや、エウロとバルバラが、関係者に責められるシーンとか、町の人々に後ろ指を指されるシーンは、「すごいな」って思いました。  そこら辺の日常の裏側というか、あ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。