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ダンジョンマスター リリスロード 5

闇魔術に苦戦を強いられたライムたち、それでもカタリナのホワイトエンジェローブに活路を見出す。しかしリリスロードは本気を出していなかった。武器、魔術、戦術を駆使しての戦闘の結末は如何に。

「ダダダ・・!」

 アッキーが走っていく、攻撃を仕掛けた。


「そんなのは甘いぃ!!」


「ブシュッ!!」

 アッキーの肩辺りを杖で刺したリリスロード。さらにその状態で詠唱し放つ!

「クリメート!!」


「!!うあっ!ああ・・」

 炎で焼かれるアッキー、すぐに距離をとったので直撃は避けられた。無理な姿勢で使ったからか少しクリメートの威力は弱かった。


「アイスウォール!!」

「パキパキパキィ・・」

 さらにリリスロードは次なる魔術を唱える。

「シィィイーン!」

 エルドラの攻撃が氷の壁に吸収された。タイミングを合わせて盾として魔術を唱えるリリスロード。


「ガシャン!」

 さらに杖で壁を倒す。

「うああっ!!」


「あれぇ?お馬鹿なリーダーライムはどこ行ったのぉお!!?」


「皆この様よ、見てるぅライムいや村井庄ぉ~!!」


 なぜ俺の名前まで知ってる!!声が出そうになった。


「きゃっははははぁ~あなたの家まで後ちょっとの所なの~!」

 もう俺の居場所まで知られている!この戦闘で負ければ、俺の家族まで実験の材料にされてしまう。

「そういえばぁ~、あのおばさんも居ない?」


「くそぉっ、せやっ!」


「それは返すわよ」


「ごほおっ!」


「マクスヒーリング!!」

 カタリナはアッキーの傷を癒す。


「うっ、ううぅぉお」

 アッキーが走る。


「また、きたぁ」


 鈍くさいが根性は最強のアッキー、攻撃する。

「ブンッ、ブンッ、キシッ!ブンッ、キシッ!」

「ブシュッ」

 杖で刺されたのはアッキー、肉を抉られそうなほどその突きは強力である。


「頑張って下さい!」

 見守るカタリナは、すぐに回復魔術を唱える。


 一人では殺されてしまう、エルドラも援護する。

「スィーッカッ!キ!カシ!キ!シュッ、キシ!カ!キ!カッ!

「バシ!」

 腰を杖で叩かれるエルドラ、痛みを堪える。勢いを止めないでさらに、

「速早の翼羽」

「シュン」


「バシバシバシッ!!シュカカカカッ!!」

 アッキーとエルドラがいる左右に交互に杖を振って攻撃、また杖を時計回りに回し左右にいる二人が前後に移動しても対応するリリスロード。

 連続攻撃は足と腕を使い杖の攻撃範囲を伸ばして繰り出す。またそれに合わせてリリスロードはファイアバードを唱えた。


 炎に焼かれるアッキーとエルドラはゆらめく火の粉をただガードと回避するだけ。火の粉は大きな不死の鳥となった。


「ライティング!!」

 これは、カタリナが唯一出来る攻撃なのかもしれない、眩しいだけで敵に被害はほとんどない。


「なっ!!」

 リリスロードは思わず目を閉じる。その眩しさとカタリナの行動に闇討ちにあう。闇魔術は使えても、光があって初めて出来る闇は知らなかったか。


「シエルアトモスフィア!!」

 魔術が発動した。空の空気と地上の空気が入れ替わる。その間にほんの少しの酸素ゼロの時間が生まれる。不死の火の鳥は酸素(羽ばたく空)を奪われ消火した。




「パサッ・・・」


 リリスロードが目を覚ます。


   ☆           ☆

 ☆     ☆   ☆   ☆

  ☆       ☆


 リリスロードの周囲はキラキラと光っていた。これはモスグリーンの鱗粉である。布に巻いた大量の鱗粉が周囲を舞っている。ライムとモニカ二人を探そうにもこれでは探せない。


「何かしらぁ、この粉は。こういうのはねぇ~」

「舞い上がれ、空に浮かぶ旋毛のように!」

「ワールウィンド!!」

「吹き飛ばせば、いいだけ」


「エル!!」


「!!」



「ウォーターガン!!」

「バシャッ!!」

 エルドラが詠唱した水魔術が、リリスロードの顔にかかった。


「うっ、くっ、目を狙ったの」

 もちろんダメージは0、リリスロードは目を閉じて応じる。

 しかしモスグリーンの鱗粉が肌に纏わり付く。モスグリーンはリリスロードが作ったモンスターで鱗粉が特殊攻撃なのは百も承知、主を襲うはずないので特に変だとは思わなかった。

 それでも目つぶしと滑りの効果があるので目を瞑った、そしてワールウィンドを唱えたのだ。それが悪かった。目が思う様に開けられない、おまけに杖が滑って掴めないのだ。


 エルドラとアッキーが速攻する。

「うぁあああ~っ!」

「おおう!」


 リリスロードは杖を地につけ魔術を唱えた。

「アクアウェーブ!!」

 波を自分に向け洗い流す。


 エルドラ、アッキーがリリロードを詰める、囲まれないよう距離をとるリリスロード。


「ディスクストライク!」

「クイックカット!」


「姑息な手ばかり!」

「動乱せよ、天変の風!」


 やばいと思ったエルドラはとっさに、

「りゅうせいのやり!」

を出そうとすると、魔術を止め端に逃げたリリスロード。




 ちょうど、その頃、モニカは唱えたフロートを解いた。


「――」

 リリスロードは微かに目を開き気配を探った。


「うぉおおおっ・・」

 アッキーが走る、


「あああああーっ」

 エルドラも走る、




 実にサンサンドの上空は砂で霞んでいた―――。


「サンダーアーク!!」

 モニカが魔術を唱える、魔術は何でもよかった。どうせリリスロードの魔術防御の前ではノーダメージである。


 リリスロードは目を細めて上を見た。空を走る雷狐、上空は砂が舞うからあまり目が開けない。


「マジックバリア!!」

 必要もないが用心のため魔術防壁を張ったリリスロード!!地上からエルドラとアッキーが攻めてくるから本当一応、


「―――――」

 空高くから落下する誰か・・。


 あ~っ、身を安定させないと。くそっ。


 まだ、足りない。

 エルドラは端でりゅうせいのやりを使う。アッキーは隣でディスクストライクをする。神の武器であるから当たれば当然ダメージが見込める。




「フロート!!」

で空中に逃げるリリスロード。それならエルドラ、アッキー、モニカの狙った点とは違う。




 こっのぉオオオオオおおっ!声はなるだけ出さないよう。


「剣撃!!」

「ズブシュッッッ――――――――」

「ぎゃああ“あ“あ“あ”!!」

 上空から勢いよく落ちるライムは、背中を剣で斬る!!


 リリスロードはドレスもろとも引き裂かれるように背中を斬られた。血飛沫が飛び、血が吹き出すリリスロード。


 リリスロードはダンジョンの屋上に落ちていった。


 剣とライムの自重、空からの重力加速度、高さ、思い全てがのった技の威力は悪の力を凌駕・超越した。オリジナル技だからこそ設定である防御力を無視できる。血が吹き出すリリスロード。


「うああああ~っ」

 俺は勢いが止めれず、そのまま下に落ちていく。あれだけの技だ、跳ね返りのダメージがある。


「うぅうああああーーーっ」


「バサッ!!」

 エルドラがライムを追いかけていく。


「――――」


「バサッ!!」

「ああエルドラっ、もう少しで死ぬかと思ったぞ」

「まだ、僕がこの重さに耐えられるかは、わかか・ぁあ」


「======」


「おおっ!」

 なんとか持ちこたえてくれたー、ドラゴンエルフは伊達じゃない。




「ゴォオオオッ!!」

「ぎゃあああああああああああぐぅ~!!」

「・…――はぁ」

「ドクッ、ドクッ、ドクン。ドッドッドドド」


「ファイヤーウォール!!」

「ファイヤーウォール!!」

「ファイヤーウォール!!」

 炎の壁を張って自分の周囲に壁作るリリスロード。



 モニカは屋上に下り立つ。つづいて俺はエルドラが屋上に戻る。全員体力は限界だった。


「さあ、俺たちを戻せ!!そうしないと死ぬぞ」

 この世界、いやこの宇宙空間においてリリスロード、お前の存在などちっぽけなものだ。


「はぁはぁ・・、私は生きてるわ、残念ひゃはははぁ」

 回復魔術が使えないはずのリリスロードが既に止血していた。


「アクアウェーブ!!」

 モニカがその壁を破壊するべく魔術を唱えた。炎を鎮火させる水の波。


 さらに攻撃を仕掛けるエルドラとアッキー、


「りゅうせいのやり!」


「ディスクストライク!」


「邪魔っ!」

「デビルスピア!!」

「デスハンド!!」

 最初の闇魔術で威力を殺し、次で受け止める。共に押し合い状態になる。硬直状態が続く。


「沸きおこれ、この世の全てを焼き尽くす大火を!」

「インフェルノ!!」

 続けてリリスロードは魔術を唱えた。俺達が攻めてくるからそうしたのだ。


「おいっ、そんな力はもう残ってない~!」



「ゴォオオオッ、ゴッ、ゴッ、ゴフォオオッ!!」

「ダダッ!!」

「あっちぃい」


「皆さん、私の後ろに下がって下さい」

「出でよ、聖なる盾!」

「ホーリーシールド!!」


「生意気ぃい!」

「シュッ、ヒュッ、バババババシシシッ!!」


「あ、くうっ!!」

 カタリナが杖で全身を打たれた。膝を落とすカタリナはホーリーシールドが保てなくなった。光が徐々に薄くなっていく。


「ウォーターナイフ!!」

「ヒュッ、シュラッ」

 カタリナの背後からモニカが躍り出た。モニカの黒い杖の先に出た水のナイフがリリスロードに刃向う!


 リリスロードは一度退いた。


 モニカはそれを見て突っ込む。


「モニカそこには!!」


「ボフッッ、スパシュッツツツ!!」


「!?」

 斬った?炎の悪魔を斬った!!


「どうして!!?そんな小さなナイフに私のインフェルノが斬られるのよぉ?」

 魔術で負けた結果に納得できないリリスロード。だが普通、火は水で消すので使い方はあっている。


「まだ倒れない」


「―――」

 全員が黙ってしまう、体に力が入らなかった。


「往生際が悪い冒険者たち、研究の成果を見せてあげる。死ねっ!!」

 魔術を詠唱するリリスロード。


 悔しいが一歩も動けなかった。カタリナだけはまだ体力を残していた、攻撃しないがモットーのカタリナではどうしようもない。


「出でよ、聖なる盾!」

 カタリナは闇防壁魔術を詠唱する。


「蕾から雷を放て、災いの火種を抱えし悪魔よ!」


「待ちなさい!」


「誰!?まだいたの?」


 リリスロードと俺を結んだ直線状、背後にいたリリスロード。

「リリス、もうやめなさい」


「はぁーっ、リリス?なんで呼び捨てにされなきゃいけないのよぉ?」


「私を覚えてない?」


「知らないわよ、あなたも一緒にまとめて始末してあげるぅ」

「イヴィルバーサンダー!!」


「イヴィルバーサンダー!!」

 同じ魔術をエリスも唱えた!


「ピッ!パ、キキキキ!!」

「ピッ!パ、キキキキ!!」

「ドドォォオオオオン!!」

 お互いの魔術がぶつかり合う。そして相殺した。


「私と同じ魔術が使えるはずない、あなたは誰!?」


「私は・」




「シュルン・・」


「やりました!成功です!!」


 エリス、リリスロード、俺たちでもないもう一つの誰かの声、


「シュルンシュルンシュッルンシュルン+++」

 スマホの画面を読み込んだ時と同じような渦が目の前に見えた。渦巻く空間の歪みと時間のズレを調整するかのように、あちらの世界を映し出す。


「また!?」

 驚嘆の声を上げるリリスロード。


「コッ・」


「だから誰よ、あなたたちは!?どうやってこのダンジョンに侵入したの?このダンジョンは私が作ったから外からは侵入不可能のはずっ」

 戸惑っているリリスロード、完全に不測の事態に陥っている。


「えっ私ですか?私はコンピューターハッカー、コホン!あらためスマートフォンハッカーのアプリコットと申します。今この世界にハッキングさせて頂きました」


「な、何それぇえええ~。どうやったかは分からないけど絶対に邪魔させないからぁあ!!」


「どうするか説明しますと、世界と世界のデフラグを調整する。具体的にはスパーム爆弾でセキュリティーホールのような穴をあけて、そちらの時間と空間に干渉しまして~でで、ですねえ」


「それでなぜ異世界干渉があなたに出来るのかしらぁ、は~っ?そんなの神や悪魔でもなければできるはずがないのぉ。あなたは神なわけないしぃ~」

 恐る恐る見るリリスロード、明らかに神の存在を恐れている。


「あなたが異世界にアプリで介在したわけですよね、それならぁ・・」


「異世界よ、異世界!!」


「異世界です、ふふっ」


「はな。今、鼻で笑ったわよねぇ」


「いいえ、ちょっとおかしくて。異世界は意外と近くにあるんですよ。みんな知らないだけで自分の知らない世界がまだ眠っているんです。と言ってもお宝じゃありませんが、はふっ」


「そ、そんなの嘘に決まってるっ。私はあなたたちの世界を探していた!」


「だからです。あなたが今いる世界にもバグといった違った異世界が存在しました。小さいですけど。それはあなたの世界を越えた世界、つまり異世界の出来事です。私がいる世界にもそれがあります。だからちょちょっといじっちゃえば簡単に通信できたりするんですよ~。さらに応用すればこんな事だって」


「みんなー!!!」

 渦巻く空間の中からみゃあとシロップらしき声がする。会った事がないがおそらく二人だ。


「私とみゃあです。以前ゲームで知り合った知人のアプリコットさんに協力してもらいました。話は後、今のうちにこちらの世界に戻ってきて下さい。試したわけじゃないけど」

とシロップが言う。



「タラン!」

 ゲームメールが届きました。


 ―――――――――――

 MEM モトノセカイヘ

 ―――――――――――


「逃がさぁない。それで私もあなたたちの世界へ行けるんでしょ!」

 目が本気のリリスロード。


 そんな方法か道具が敵の手に渡ったら大変だ。



「リリス、あなたはもうそんな力が残ってないわ」


「だから、あなたは誰?」


「まだ思い出せない?いいわ。大分、力が戻ってきたし出来るでしょう」


「そんな、何するのよぉ。放して放してよぉお!」

 植物に体を縛られるリリスロード。



「ライム、皆を連れてすぐに戻って!」


「すぐにか?せめて皆にお礼くらい」


「戻らないと次戻るのはいつになるか・・」


「エリス、ここまでお世話になった」

 ああ、もう仕方がない。


「いいえ、私があなたたちに協力してもらったばっかりに」


「それは俺が選んだ事だ」


「私も元の世界に戻るのに協力する」


「僕はどうすれば・・」


「もう一人、異世界人がいるんだが」

 俺は歪んだ空間に話しかけてみた。


「すみません、その子の通信先は探知出来ません」

 アプリコットが答える。


「それは私の方で調整する」

 エリスが答える。


「ありがとう、お姉さん」


「いいわよ」


「最後にカタリナ、お願いがあるんだけどいい?」

 エリスがカタリナにお願い事をする。


「何でしょうか?」


「リリスにホワイトエンジェローブをかけて頂けませんか?」

 あれほどダメヒーラーとか言っていたエリスがカタリナに敬語を使った。


「はい、もちろん」

「生死を与えん、憐みの心を持つ白愛の天使!!」

「ホワイトエンジェルラブ(エンジェローブ)!!」


 赤、白、ピンクに輝く。その光はリリスロードの体に入っていった。


「いやぁああーっ!!」

 リリスロードは気を失った。エリスは俯く顔を上げて光を見せた。


「★☆※」


「――――――――」


「ありがとうカタリナ、感謝しています」

 エリスは頭をカタリナに下げた。


「いいえ」


「それじゃ急いで」


「みんなー、戻ろう元の世界へ」

 俺は皆の手を引いた。


「ありがとうエリス」

「ええ」


「エリスさん、また会いたいです」

「アッキー、あなたもきっと良いことがあるから」


「エリスさん、私たち助かったんですよね?」

「もちろん、大魔法使いのモニカ」


「エリスさん、お姉ちゃんの事で何か分かったら教えて下さい」

「それは責任を持って引き受ける」



「さあ早く行って!早く戻らないと戻れなくなる」

 エリスが促す。


「ありがとう、みんなー」


「―――」

 みんな渦の中に入っていった。空間の中に消えたライムたち、それを見たエリスは杖を翳した。もちろん手には最初にライムと出会った時に握りしめていたガデスワンド(女神の杖)である。



「[」R LD」

 エリスは魔法を唱えた。これは魔術ではなく列記とした魔法。


「――――――――→」


 ライムたちは元の世界へ帰っていった。






 ライム達が元の世界に帰って(戻って)からの事。


「あなた誰、なんで私の邪魔ばかりぃするの?」

 リリスロードが言うと、


「もうあきらめがついたでしょ」


「・・?」


「ライムたちダンジョンをクリアして帰って行ったわ」


 確認するリリスロード。


「うっ、うううううぁああぁぁぁあ・・・あああああああああああっぁあ」

「ドサッ」

「リリスロードはその場に倒れた」




 その後、エンシェントドラゴンに打ち勝ったスカルベ一行がダンジョンの屋上にやってきた。


「あれ、ライムたちは?」


「いない」


「お前は?エリス!エリスだろ。横にいるのはダンジョンマスターなのか?」


「エリスさん!」

 二人とも声を上げる。


「彼女はもう、元に戻ったわ・・」


「そう・・か」


「みんなにはお世話になったわね、なが~い戦いに付き合ってくれてありがとう」


「それは構わん」


「役に立てれば幸いですエリスさん」


「ふふ、何スカルベ物足りなそうな顔して」

 エリスがスカルベに声をかけると、


「いや、やっと戻れるなと思って」

 スカルベが答えた。


「嬉しいんでしょー」

「尻尾振ってる」

とシャティとフィア。


「お前達も耳ぴょこぴょこ何はしゃいでいるんだ?」


「これは気配を探っているの、ねぇフィア」


「はい、ドラゴンの目もあまり当てにできないから」


「フィア、おまえまで。グォオオ」


「逃げましょうフィア」

「ええ、シャティ」

 笑う二人。


「エリスはどうするんだ?」

 追いかけようと思ったスカルベはエリスに尋ねた。


「知っているでしょ」


「まあな」


 見つめるエリスとスカルベ。


「じゃあ行くか」


「本当ありがとう」


「うむ」


 スカルベはそう言うとシャティとフィアを追いかけ、ダンジョンを引き返していった。






「―――――――――」

 そしてしばらくするとリリスロードの意識が戻った。


「あれ、お姉ちゃん?」

 この世界のをクリアしたことでリリスロードの魔法は消えていった。決して解かれることのない魔法が・・。


「あなたは夢を見ていたの。リリス、話はいいから少し休みましょう」

 リリスはカタリナの魔術がきいたようである。昔の心を取り戻していた。二人そこに座って休む。


「ここの生活はどうだった?」


「最悪、毎日同じものばかり食べてた、かな?」


「そう・・」


「覚えてるの?」


「私自身は変わっていないわぁ。ただ大事な人の記憶がないの」


「多くの犠牲が出てるわよ」


「ごめんなさい」


「ふぅ・・」


 しばらくして階段を降りるエリスとリリス。


「それよりエリス。私、月水晶を見たら外にエルフがたくさんいたの」


「そうね、それは職種で誰でも選べるから~」


「わかってる、でも今までは二人しか見たことがなかったの」


「それは、ダンジョンを出てから調べてみましょう」


「うん」


 ケルベロスは元気にしていた。リリスの顔を見ると喜んでとびついてきた。

「きゃあ、あんまし服汚さないで」


「リリス、その番犬どうにかしなさい」


「いや」

 これで一応この世界の戦いは終わりです。

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