ダンジョンマスター リリスロード 3
アッキーの姿に心を打たれ救われたライムたちは立ち上がった。そしてリリスロードと本格的に戦闘が始まった。体術と魔術で上をいくリリスロードの杖さばきと闇魔術に悪戦苦闘する。
「シュッシュッヒュッシュッヒュッ!!」
「タ タ タン、スッ・・・」
エルドラはエルフの速さで走りながらクイックカット、それをかわしたリリスロードに逆手でドラゴンパンチ(竜拳)を出す。体の重心を右に傾け退くリリスロード。
「ダッ、ダダッ、シュッ!シャッ!フシッ!」
「キンキンキィーン!」
俺は背後から右に位置する、そして素早く前進し縦斬撃、交差するように横一刀を入れる。さらに予測不能にするため普段しない剣の振り方(下から上に剣を出す)を試みた。 両手で水平に杖を持って受けたリリスロードは次なる攻撃を杖を垂直に持ち受ける。
「フッフッフフフフッスッシュッ!!」
「スタッ!スッ・・・」
アッキーは左に位置し素早く前進、振落を繰り出す!さらに左奥に回り込み、右手振回持ち手を左手に替え振回。急ぎ過ぎたため、ほとんど刃を押し付けるような攻撃になった。
その手抜きの攻撃は、リリスロードに攻撃を見破られていた。最初の攻撃は自分と間合いを詰めて振り下ろせない場所に移動しかわされ、次はさらに右に回り込み、最後は屈んでかわしていた。
「シュッシュッフシッシィッシュッシュッシュッフシッシィッシュッ!」
「シッ、シッ、シッ、シッ、シッシッ、シッ、シッ、シッ、シッ!」
「シュパパパパパパパア、キキキキキキキキキキキキキィーン!!」
エルドラと俺は屈んだのでチャンス!と見た。これを待っていたんだ、敵が隙を見せる瞬間を!エルドラは素早くナイフを何度も入れる。俺も出来る限り何度も剣で突いた。
が!円を描くように杖を回転させナイフと剣を凌ぐ。その途中、リリスロードの杖から炎の球が出ていった、何だ!?
ライムたちが交戦中、モニカは魔術で加勢した。打ち合っていても狙った標的に当たるのでモニカは遠慮なし。
「ファイアボール!!」
「ファイアボール!!」
「ボッフワァン、ゴゥンゴゥン!!ボファァアァ!!」
空中で炎の球が激しくぶつかり合う。火力は増すが、飛んでいく勢いは相殺され、推進力を失った大きな炎の球は床に落ち消える。
「あぶ・・」
杖に混じり、赤い物が目の前に来た!
素早く剣で斬る!切れない!!俺の体に何かがぶつかる。エルドラの体だ、俺の手を焦がす炎の球。
「くっあっ!!」
これが魔術の炎なのか!初めて人が唱えた火魔術を喰らった。一瞬のことなのでダメージはそれほどでもないが目の前の光景(炎の球)と恐怖が脳裏に焼きつく。よく見ると、さっき杖から飛んでいった炎の球と同じものだった。
アッキーの方にもファイアボールが飛んできた。アッキーは盾でガード。盾があるので炎は完全に防げたが、熱が肌を焼いた。
カタリナは常に俺たちの後ろに位置して回復の機会を図っていた。
「カタリナ、俺はまだ回復しなくていい」
他人のステータスが見れないので外見で判断するしかない。これがこの世界の不便な所だ。俺の反応次第でカタリナが判断を誤ってしまう、気をつけなければ無駄足になる。
リリスロードは杖を回転させていた間に、ファイアボールを三回唱えていた。魔女は短時間詠唱ができることは聞かされていない。
「うそぉお!?」
俺が再び向かおうと剣を構えると刃が欠けていることに気づいた!!
リフューズソードと銘打った剣の名前が変わっていた。ただの【剣】と表示されている。くそっ、カスを掴まされたのか。
「きゃあっははは~、みすぼらしい剣ね、それ。もしかして剣を買えなかったのぉ?」
ニンマリとした目で首を傾げたリリスロード。その瞳は虚ろにも見える。
「俺は何も話していない、何でそれがわかった?お前が置いたんだろう!!」
「いいえ、知らないっ嘘じゃないの。どうして私のせいにするのぉ」
「違うならいいが・・」
僻みを立てて勝とうなんて思っていない。そうだな、ダンジョンマスターであるリリスロードがそんな姑息な真似するわけないか、まさかそんなプライドのないことして自分を落とす様な事はしないと思った。
「嘘っ、置いたのは私ぃ!」
リリスロードが嘲笑する。
「おまえが犯人か」
「引っかかってくれておかしかったわ~、今の嘘も含め二度も。外のモンスターより知能低い冒険者、ライム~♪」
「こんなもの掴ませやがって。お前はそんな卑怯なことして恥ずかしくないのか!!はぁ~っ」
俺は腹の底から悔しかった、呪いの剣とかあるのは知ってたが、ここまでゴミ当然の剣を運ばされたってわけかよ。しかも表示が変わるトラップ付きでだ。落ち着け、俺にそう言って何かを企んでいるような気がする。
「恥ずかしいわよ。でもあなたたちが死んだら気にならないっ。そうだ!もう一つ教えてあげる」
「何だ!」
まだ騙されていることがあるのか。良く考えればこちらにも敵の想定外を超える武器がある。それは目算に入っていないはずだ、それを有効に使えば絶対勝てるはず!!
「何不安そうな顔してんのぉ~、こっちを見なぁさい」
な!俺の袖を引っ張るリリスロード。俺は不意をつかれ斬りつけれない。それでも体を動かして、ただの【剣】で一刀を出した。後ろに下がり避けるリリスロード。
「ファイヤーボウ!!」
モニカが魔術を使った!
「アイシクルランス!!」
エルドラが魔術を使う!
「マジックバリア!!」
リリスロードの前に魔術防壁ができる。
「ボウッ、ピシッ!」
「ピヒンッ!ピヒンッ!」
リリスロードが杖を翳すと、
「サンダースパーク!!」
魔術を唱えた。
「マジックバリア!!」
「パシッパシッパシパシパシパシッパシパシッパシパシ!!」
「ひっ」
モニカが魔術防壁を作る。今にも防壁が壊れそうで怖がるモニカ。
魔術が引き消える瞬間を推量し、水で感電させる狙いのエルドラは魔術を詠唱し放った。
「ウォーターガン!!」
「ウォーターガン!!」
リリスロードが同じ魔術を詠唱し放つ!
「バースト!!」
モニカが魔術を詠唱し放つ!と、
「バースト!!」
リリスロードの同じ魔術で対抗した。
爆炎がぶつかり煙と風と熱が乱れ散る!!全て魔術は相殺、消滅させられた。魔術の攻防は、ほんの少しの間の出来事だったのに、こっちの魔力は削られていた。
「恐怖というものを教えてあげるわ!!」
リリスロードの口が動く。魔術だ、行方を見る、そして出方を決める。
「告げる、死期までの苦しみを!」
「デスカウント!!」
「10-9-8」
「さあさぁ~どうする?一秒ごとに変わってない?あるわよねぇえ!!」
リリスロードが何か言っている。だが構っていられるほど正常な状態ではない。
一秒刻むごとに恐怖の念が浮かぶ。心に冷たい水が染み入るような感じがした。手が震え、目が虚ろになる、思考回路が断たれ正常な判断ができない。自分を庇う言葉を並べ立ててみるが気が狂い惑っていくだけ。極度の疲労感が押し寄せ一気に体の機能を奪っていく。疲れで耐えがたい眠気を催すが、戦闘中で眠れない。そのジレンマに体力と精神力が奪われる、その脱力感は生命力に及ぶほどだ。いや生命に既に及び削っているような気がする。
「うぐぁああっ!!」
すごく頭が痛い、割れんばかりの痛みがジンジンと頭を締め付ける。頭は血を通そうと血管を広げるから拡縮・大小と脈打つのを感じる。
「スカルベおじさん!助けぇ、ぁぁぁ」
胸を抑えるエルドラ、胸が締め付けられているのか。床で転がり呻る。
「-7」
「ああっぅぇ」
~モニカは床に伏し涎を垂らしていた。意識を心に集中させる、そうしなければ一気にあの世へ精神が引き摺りこまれる気がするから。
「あああっ、あんたは何をしたかったの?それでそこにいてどうなってんの。外に出る仕事はないの?」
「先日のお話なんですが、他へ持っていくことになりました。はい、今回の話はなかったということでお願いします」
「わかりました」
「でもそれはたまたま話があわなかっただけで~」
モニカはぶつぶつと呟いていた~
「-6」
「・・・ちゃん」
~カタリナは床で耳をおさえていた。
「ねえ紗来。あなた私にばかりくっついてちゃーだめよ」
「そんなお姉ちゃんと一緒がいい」
「あなたは自分の友達と歩きなさい」
「いいの、私にはお姉ちゃんがいるから」
「そんなことしてたらお姉ちゃん死んじゃうんだから、こぉ~んなふうになったのはあなたのせいよ~、私はもうこの世にいないのぉ」
カタリナは耳鳴りがしていた~
「-5」
アッキーの頭を揺する何者かの影、頭が回り足がふらつく。それでも死に物狂いでアッキーは抵抗し、リリスロードの方へ走った。
「うっ、ぉぉぉあああぁぁ!!」
「だ・からー気持ち悪いからこないでっていってんじゃない、来るなぁ!!」
「ぶふっ!!」
杖を振ってアッキーを叩きつけたリリスロード。アッキーの見た目が気持ち悪いのかすごく嫌う。
「バシッ、バキッ!」
「きゃあああっ!!」
腕が砕かれるモニカ。
「ドッ、ドゴッ!」
「ぐはっ!!」
アッキーは腹を蹴られる、息さえ止まる振動と衝撃がアッキーの腹に集まった。その痛みで意識が失いかける。
「うぐぐっ、かばーっ!」
「きゃ、こないでっていってるでしょー」
戦士の防御力と厚みのある体で耐えるアッキー。
「ファイアウォール!!」
「ゴォオオオオッ!!」
あまりにしつこいのでリリスロードは魔術を使った。
「っつう」
「ダダッ!」
アッキーが逃げる。
「ふぅ~、炎は効くのか、すぐに丸焦げにしてあげるわよ」
「-4」
「頭痛が止まない。ギンギンと崩れる音が俺の脳を破壊していく、俺は死ぬのか」
「僕は戻ってはいけないっ」
「仕事がなくお金も尽きていく」
「信用しないから皆と疎遠になった」
「す・ごぉお~」
精神異常をきたし廃れていくライム一行。皆を助けるためリリスロードへ一人立ち向かうアッキーは走った、その思いは熱より熱し。
ディスクストライクを出したアッキーの斧をリリスロードは寸前の所でかわし、秒読みを待って楽しむ。
「-3」
「そこまで殺そうとするあなたの方が、モンスターみたぁい」
リリスロードを猛追するアッキー。その姿を見てリリスロードは嘲笑した。さらに斧を振って全身汗だくになる必死な顔のアッキーがリリスロードを見るとリリスロードは微笑した。
「-2」
悔しさで涙が出るアッキー、頭からは汗が垂れる。誰も救えない、何もできない自分の不甲斐なさと無力さを恥じる、悔やむ、嫌う、焦る。自分にできた友達、心の支えを失うのを恐れるアッキーは絶望に近いものを感じた。だからアッキーは最後までリリスロードに向かって攻撃する手と足を止めない。
「カッン!?」
「プゥール!!」
「テンペスト!!」
「ゴォオオオオ、バシャバシャバシャァアァアアアッツ、ブクブクゴォオゴズゴズパシャパシャザザザザザザザザザザァアァアザザー!!」
「-1」
「きゃっ!!つっめたい~」
リリスロードがずぶ濡れになる。
リリスロードの前に倒れていたライムたち一行、そのライムたちの背後入り口の方から放たれた魔術が二つ。空高く水が吹き出し噴水のように上がった水はリリスロードの前で竜巻になった!いわば水竜のような渦を巻いたものは死神を喰らっていく。さらにその渦はリリスロードに迫る。
「な!」
「 ・・」
ゼロである、なぜかカウントされなかった。
水浸しになる全員、魔術を阻止するエルフ二人。
行く手を阻まれた死神はカウントの数を一つ読み落とした。そして全員が精神異常、呪縛や束縛といったものから解放されていった。
水の飲みこんだ竜巻の水竜が死神、リリスロードを巻き込んだのは神の恵みか天の助けか。
「さっきの勇士、以前見たことなかったフィア?」
「それは戦士の話です、シャティ」
「伝説のヒーローウォリアだろ」
ダンジョンマスターに立ち向かうアッキーの姿はまさに伝説の戦士ヒーローウォリアにうり二つだと三人が話す。
「はぁはぁはぁはぁ」
霞む目を凝らし、俺はダンジョンマスターの視線の先を見るとシャティさんとフィアさんがいた。魔術を唱えたあとの体勢のまま笑顔でこっちを見ていた、二人とも決まっていますとも、ああっ助かった。
「ライム、大丈夫か」
心強いスカルベさんだぁ。
「助けにきてくれたんですね、スカルベさん」
「まあな」
「ケルベロスを倒したんですか?」
「いや、あいつは厄介だから下に置いてきた。まあ逃げればこの通り何ともない」
「あれと駆けっこして逃げ果したんですか!!」
「だからここにいる。それより、あいつがダンジョンマスターか」
「はい、名前はリリスロードです」
「リリスロードか」
「さっきの魔術、更新前のもののようだな」
「知っているんですか?」
「うむ、昔は魔法使いではなく魔女だったからな」
「まさか、そんな」
「ついでに言うと、闇魔術は既に消失している。普通なら更新されて使えない。そうだな、生きている奴なら使えなくもないが百歳を超えてあれだから奴は本物の魔女に近いな」
「職業ではなく魔女・・」
見た目からおばあさんに見えない。とてもじゃないが百歳を超えているとは思えない。人間の顔つきで百歳を超えるのならモンスターか魔女に違いない。
「それなら、最初から勝てないように作られた世界だということですか?」
「それはまだ詳しくは調べないとわからないが、この世界の技や物だけでは少なくとも勝てないだろう」
「スカルベおじさん?」
「エルドラしっかりしろ俺だ、お前はこの世界の設定を超えた冒険者なんだぞ」
「聞いて!ライムたちもこの世界の設定を超えていたんだ!」
「それを聞いて安心した。お前だけでないのなら、なおさらうまくやれ」
「エルドラ、食料受け取ったわ。ありがとう」
「へへへぇ~、信じていたもん」
「はぁはぁ、皆さん来てくれたんですねっ」
闇魔術に抵抗力があると思われたカタリナがようやく意識を取り戻した。そして三人に気づいた。
「信じてたわぁ~、みんなー、むぎゅっ」
モニカさんがスカルベさんに抱きついた。
「やめろ!はなせ」
そんなドラゴンに抱き着ける機会なんてないからな。最後の思い出と言わんばかりに浸っているモニカさん。
「それよりスカルベ!!ドラゴンが下にいるわ!!」
シャティさんが言う。
「何!!?」
モニカをふりほどきスカルベは穴から下を見た。
「あいつ生きてたのか!!」
倒したはずのエンシェントドラゴン、手ごたえはあったが。
「フロアボスか」
「はい、倒したはずなんですがスミマセン。中途半端だったみたいで」
「わかった、ドラゴンは俺たちに任せろ。お前たちはリリスロードを倒せ!!」
「それとライム、剣が折れたのか」
「まんまと騙され偽物を掴まされました。そして剣が折れて、うくっ・・」
リーダーとして情けなさすぎる。
「なら、これを持っていけ!」
「これじゃスカルベさんの武器がなくなってしまいます」
「俺はドラゴン族だから構わん」
「でも」
「いい。俺たちは下に行くぞ!!」
「スミマセン」
俺はティルウィングを受け取った。これで戦える。一応装備可能な武器かメニューで確認する。もし、できないのなら攻撃力が0になる。
装備すると?武器名が異世界の剣になっていた。なんだこの剣は全く重さを感じない。そんな剣がこの世界の一体どこにあるというんだ。なんでこんな剣が存在するんだ・・。
「さあ、行くぞっ!」
リリスロードを前に話している時間はない。戦闘中だ、行くしかない!
「あ~あ、濡れちゃったじゃない。こんな見せかけと誤魔化しの水に騙されたなんて・・・」
髪の毛についた水をはらいながら、嫌な顔をするリリスロード。
「冷たぃいい。冷たいのが好きならこれをあげる!!」
「縛れ、奈落の枷!」
「サタンバインド!!」
「ジャラジャラジャラジャラジャジャジャララララ!!」
リリスロードが杖を翳す。頭上から闇があらわれ、その闇から放射状に地獄の鎖がのびた。そして冷たく太い地獄の鎖が一人一人の体に巻きついた。
「いたいたいたたたたい!!」
棘がついた鎖の針が肉に刺さる、さらに食い込んでいく!」
「うぐうぐぐ!!うううああっ!!」
肉と脂肪で体が太ったアッキーは痛みがないかと思われた。体を捩じるように痛みを堪えていた。
「痛ぁ、いたいたいいたぁああ~っ!」
モニカが苦しんでいる。棘がついた鎖は体を締め上げる。体に深く針が食い込んでいきそう。俺から見てもローブの中は分からない、穴がたくさんあいているのかもしれない。
「・・・ぅっ、ぅぅぅぅっ」
カタリナは黙って小さく何かを言って耐えるのみ。
「ほらおまけに、これは熱を放射するのよぉ!!」
「ああああっ!ああああ、ああっ!!くふっあああっ!!」
「あづいあっっ、あああっ、あづづづづぅぅぅ」
「速早の翼羽」
滑空する鳥のような身のこなしと速さで鎖を難を逃れたエルドラは、リリスロードに斬りつける。
「クイックカット!」
右手で何度も繰り出し、ミスったふりをして背中を見せ、振り向きざまに逆さの手で拳を出す。
「ドラゴンパンチ!!」
「パシッ!!」
リリスロードに決まった拳、しかしフリルドレスの魔法効果なのかリリスロードは60cm後方に移動した。それで確かな手ごたえを感じられないエルドラは、別の技を続けざまに連続となるよう放つ!
「りゅうせいのやり!!」
「☆」.
「\キィー」.
「キィィィイイイイン!!」
「ズブッズズズズズボゴォゴゴゴゴ~ッ!!」
「うぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあ!!いったぁ~い!!」
肉を抉るような回転と突き刺す推進力がリリスロードのフリルドレスの魔法効果を上回った。フリルドレスを破り体に刺さる竜精の槍、しかしリリスロードも何もしなかったわけではない。槍を杖で押し返すが、思う様にいかない。設定にない技なので上手く処理できないのだ。攻撃でダメージを喰らったリリスロードは杖に魔力を込め槍に当てた。杖と槍がぶつかり合う。
「ギギギギギギギギギギ!!」
エルドラはその隙にカタリナを救出。すぐにカタリナは魔術を詠唱した。
「変われ、天空の空に!」
「シエルアトモスフィア!!」
すると鎖が消え、全員鎖から解き放たれた。
「はぁはぁ、よかった~」
「はぁ、ほんっとう痛いわねぇ~」
「ふぅふぅ~、うんっ」
一方リリスロードの刺さっている槍は、
「しつこすぎぎぃいい~!!」
「這い出せ、死神の手!」
「デスハンド!!」
死神の手が具現化し、槍を掴む。
「ググググッ、ググフッ・・」
槍は勢いがなくなり制止した。そして槍は消えていった。
「くそっ、止められた!!」
「その子供何。なんでドラゴン族の技が使えるのぉ、しかも魔術も使ったわよねぇ?」
「・・・・」
秘密を知られたら終わりだ、誰も答えず。
「それ面白そうぉ!」
微笑するリリスロードは研究材料と見るや興味が湧いた。
「周りのあなたたちは邪魔」
「出でよ、暗黒に閉ざす闇のカーテン!」
「ダークネス!!」
「そんなもの!!」
対抗するようにモニカは魔術を詠唱する。
「ライティング!!」
光が闇を照らし魔術を相殺させる。黒いカーテンが何重も張られ、空を覆っていく。そこに光を放つとカーテンが透き通った。
アッキーは闇の中、リリスロードに向かう!
「うらぁああっ!」
「ド、ド、ド、ド!」
「まだあるわ!!」
リリスロードはそういうとさらに魔術を詠唱した。
「誘わん、真っ暗な底へ!」
「ブラックアウト!!」
完全に目の前が真っ暗になる。ライティングや杖の光りすら感じなくない。目は開いているのに光を感じない。耳も鼻も何も感じ取れないのだ。
「おい、みんなどこにいった?」
「ねぇ、ライム!!」
仲間がいなくなった。ただ一人で闇の中にぽつんと立っていた。どんな状態なのかすら分からない状態で体と脳だけは動いていた。情報が入らないのだ。だから情報から判断・分析ができない。
「あれ、これはエルフのみみぃ~、これがつばさぁ。ドラゴンとエルフがくっついてるんだ~」
「痛たた。放せ、放せよ!!」
エルドラがリリスロードに触られるのを嫌う。攻撃しようにも、体が痺れて動かせない。
「だぁめ!!ああキメラかぁ、でも私は何もしていないから自然に生まれてきた人間!!」
「ビッ!」
「あっ!」
リリスロードはエルドラのナイフ(短剣)を使い腕を斬ると、血を採取する。
「おい、誰か!」
俺は思いっきり叫んだ、言葉が届いているかも自分で聞こえないから分からない。アッキーでいいから届いてくれー!!
エルドラのブリンクは地上で、ウィンドウィングは空で風のごとく、速早の翼羽は地と空で光のごとく動くドラゴンエルフの技で戦闘中に覚えた技です。




