冒険 1
街で情報収集をしているとおじいさんがいた。そのおじいさんは農民のテントさんと言う名前で新しい街?の情報を握っていた、ライムたちはおじいさんと交渉して情報を入手する。そこに、その情報を狙う他の冒険者が現れた。
る!!
「待て待てぇ~お前たち、この街で何をやっているんだ!!」
街から軽武装をした四人が駆けつけてきた。
助かった・・。
「俺たちは街の安全と平和を守る商会ギフテークの者だ!街での戦闘は禁止行為である。即刻、この街から立ち退けい!!」
叫んだ声はここから50m向こう。
「やばい逃げろ、見られたらお尋ね者になっちまうぞ」
「くっそ、この街の」
「ここは一度出直そう」
「せっかく、もう少しだったのに」
「次あったらあいつらリンチだ」
「いくぞ」
「おおっ」
顔を布で隠し、広場の方へ走って逃げていく四人。一体何者だったのか?
「大丈夫でしたか?テントさん。最近は街の中でこんな戦闘はなかったのに、どうして急に変わったのか」
商会の人がテントさんに話しかける。
「ほんとじゃな。わしが若い時は平和でボケてしまい、そこいらで寝ていたのに」
「テントさんは寝ぼけていたんじゃ~?」
「き、聞こえるだろ。そうですねでいいんだよ」
「そうですね」
「すまん、今何言ったか覚えておらん」
「やはりボケてます」
小声で言う商会の一人。
「それより一体どうしたものか、これでは街の治安は守りきれんな」
「急に喧嘩が増えたな」
「最近、街の様子が変わったな」
「何かもめてる」
俺は仲間に小さな声で言った。
「理由がわからないから終止がつかないんだろうな」
「理由なんか心当たりあるか、エリス?」
「イベント開催の時期に近づいているんでしょうね、意味はわかるでしょうライム」
「まあ」
「街の住人もそれとなくわかるのよ、これからは情報の奪い合いになるかも」
「あいつらにも何か得な事があるのかな?」
「宝はどうだ?」
「どうかしら、ただ閉鎖的な街より開放的な街の方が住人も楽しい人生を送れそう」
「楽しい人生か、宝だと嬉しいな。手に入れても持ち帰れないけど冒険を進める上でかなり重宝するものだと思うから」
話は終わったみたいだ・・・、
「何か分かったことがあったら商会の方へ連絡する」
アルスは商会の人に言うと、
「そうですか、ご協力感謝します。それでは商会役員である私、カルカッタまで」
「テントさん、くれぐれもご用心を。貴重な街の食料を作っているのですからお体を大切に!」
「農業か、わしはただ見ているだけじゃ」
「そんな謙遜なさらずに~、では失礼します」
商会の人たちは去っていった。
「さて、これで最初の戦闘を終えたわけだけど、ここを見て!」
エリスが俺の手の甲を三回タッチしてメニューを開くとステータスが表示された。
「これが、あなたのステータスよ。見て、ちょうどレベルが上がった所。こんな所を見れるなんて珍しいんだから」
Nameライム Job knight EXP 100 Gold 0
States
Lavel 2↑ 1
Hit Point 25↑12
Magic power -
Attack 22↑10
Guard 20↑ 5
Magic -
Magic Guard 5↑ 2
Agility 12↑ 8
Luck 8↑ 4
【Equipment】【Item】【Skill】【Totalskill】【History】【Mail】【Help】
「各項目で↑のマークがついているとUP(上昇)したという意味になる。↓は戦闘で起こったことがあんまりないけど体つきや装備が変わるときに↓Down(下降)する。
今回あなたが攻撃を繰り出したから攻撃力が上がった、いつも上がるとは限らないし強くなればなるほど上がらなくなるから気にしないで」
「うん」
「ただ、今回の戦闘は不合格の落第点、敗北者の中なら冒険者失格よ。仲間の命をまず最優先することが鉄則、それがあなたは出来なかった」
そこまで言うか、
「認めるけど」
俺は逃げる事を考えなかったので何も言えない。
「ライム、私が腕試しと言ったから本気を出せなかったの?」
「違う」
「危なくなったら助けてもらえると思った?」
「思ったよ、期待していないと言ったら嘘になる」
「甘えないで!そんなリーダーいるわけないわ!それで負けて終わっていくような冒険者はギルドのリーダーなんて務まらないから辞めなさい!!」
追い払うエリスに俺は言った。
「俺は思いつく限り精一杯やった!戦闘の前半で敵の剣の腕に絶対勝てない事を悟った俺は、目つぶしのため砂を投げたんだ!」
「エリスさん、もう許してあげて下さい。私の盾となり戦ってくれたライムさんはすごく勇敢でした。たとえ足が震えて腰が引けて他人の力を当てにしたとしても私たちのリーダーです」
「・・・強くなって」
セイラはライムの手を見ていた。
「ライムさん、手を貸して下さい」
「えっ!?何かくれるのか」
「ふふふ、違います。頭を錫で叩いちゃってすみません。顔がアザだらけで、手が血だらけで」
「ああ、砂を掻き毟ったからな」
俺はセイラに手を見せた。
「ほら、こんなに血泥になっている」
言ったセイラも頬や首が擦れて赤くなっていた。
「開け、いやしの輪!」
「ヒーリング!!」
セイラが魔法を詠唱すると、俺の手元を黄色い光が照らしていった。
「 ・・・ああ、傷が治っていく」
回復魔法はこんなにすごいのか、手の痛みがひきながら傷跡が消えていく。おまけに目のたんこぶも引いていった。
「それにしてもよくあの地面から砂をかき集められましたね。この街の道は、何万回も踏みつけられて締め固められているんです。今じゃ、集まった微粒の砂も岩のように固いはずなんですけど、それを削るとはモンスター並みの指の力で驚きました」
「俺もどうやったかは覚えてない」
「セイラ、傷は治ったのよね、それなら街の外に移動しましょう」
「いいのか?エリス、俺がいても」
「全滅しなかったから補習つきで今回は合格にしてあげる」
補習?と思いながら、俺は治った手を握ったり広げたりして指の感覚を確かめた。痛くない、本当に治っている。
「テントさんは、しばらく街で待っていて下さい。俺たちは外でレベル上げをしてきます。建物探索の時は声をかけますから」
俺がそういうと、
「わかった。お主らを信用しよう。命の恩人でもあるしな」
すんなりと承諾してくれた。
こうして俺は、初の戦闘と建物か街の情報を入手した。
「おじいちゃん、信用してくれましたね」
街の中央まで着たあたりでセイラが安心して話す。
「そうね、戦闘で気持ちが伝わったんだと思う」
エリスも一区切りついた顔。
「ところでセイラ、さっき拳が当たったお腹は大丈夫か?顔も少し赤いけど」
「少し痛みますが、すぐに治ると思います」
「それはよかった。もし何かあったら言ってくれ、荷物でも何でも持つから」
「はい」
街の出入り口の看板から外に出る。
「俺はこのままの格好でいいのか?それらしい物は剣しかないけど」
Tシャツとジーパンの俺、明らかに軽装すぎる。
「構わない、皆は装備してるから」
エリス、それって俺以外は攻撃されても問題ないから言っているのか?
「ライムさん、頑張りましょう」
「頑張ろうぜ、ライム」
「ああ皆」
この返事ほど複雑な事はない。
200m街から離れたところで、巨大なハエみたいなものが飛んできた。
「ボルフライだぁー!」
アルスが叫んだ。
「ボルフライ?」
「最初のモンスターだから説明するわ。次からはライム、自分の頭で分析して」
「はい」
「人を襲う昆虫型モンスターで空を飛び六本足で地面を歩くことができる。攻撃方法は手づかみで人間を空中に持ち上げ地面に落とす事。瀕死の状態になると自身にダメージを受けるタックルを使う、これはかなり強力よ。理解できた?」
「理解したが、それって空中戦か!?」
全員、散らばったので声を高らげて尋ねた。
「地上で戦うの、おりてきた時に攻撃する!気持ち悪いから早く倒しなさい!もし規格外のモンスターが出現したら私が手を貸すから!」
「アルス、どう戦えば?」
「そこは慣れるまで俺が指示する、ボルフライは下りてきた所で羽を切ればもう空へ飛べない。それでも六本足で動くから見切ってたたっ斬る」
「どうやって斬ればいい?」
「まあ見てな、みんな前後左右に動いてくれ!」
俺たちは前後左右に動いた。アルス一人のみ立ち止まっている。
ボルフライがアルスに直下するとアルスは後ろに下がった。ボルフライが目の前に位置した時、アルスが前に走る!ボルフライは急いで羽を翻し空へ逃げた!
「おりゃあああああ!!」
「ガサガサ、ガサササッ!!」
アルスが長剣を振り下ろす、透明で幾何学模様の入った羽がグシャリとなぎ倒されていった。
「ボルフライは、体に殻がないから脆く防御力はほとんどゼロに近い。空中なら頭を叩くか羽を圧し折れば地面に落ちるから大ダメージを与えられるぞ。ただ空中だと視界が広く素早いから、背後から素早く攻撃を繰り出さないとかわされる可能性が大きい。
「ほらほら、まだ動くぞ。見ろ!緑色の目をギョロギョロしながら、ボルフライがシャカシャカと高速でこちらに近づいて来る」
「ライム、タックルを喰らう寸前に剣を前に出せ!」
アルスが叫ぶ。
俺は前にいるボルフライ目がけて力を入れて剣を差し出した。
「!!?」
「ズッ、ブチュアァ!」
剣道の突きのような構えをしている俺の剣にボルフライの目玉が突き刺さって動きが止まった。ボルフライは足が折れ曲がり後ろに倒れた、そして息絶えたことがわかった。
「勝てた、自滅していった」
「そうだ、自分からやられにきたんだ」
「よくあんな動きが早いのに斬れたわね」
エリスが言うと、
「良い腕の戦士ですね」
とセイラも賛同した。
「いや違う、特性を知っているから勝てるんだ」
「特性?」
「ボルフライの攻撃は直進型だ、下りる時や前に進む時は真っ直ぐ動く。また後退も真っ直ぐ下がる。一方よける時、冒険者を乗り越える時は曲線型になる。俺の隣にはセイラとライム、後ろにはエリスがいた。だから曲線型で飛び越える事をせず後退したんだ」
「そうしないと曲がった先や越えた先で倒されるわけですか」
セイラは説明を聞いて、理解の確認と合わせ質問した。
「そうだ。エリスはこの戦闘では手を出さないがモンスターの方はそれを知らない」
「つまりいるだけで威嚇になる、おまけに動いていると何かされると考えてしまう」
「すごいです、でも止まっていたら」
「そこだ、止まっているから近寄ってきたんだボルフライは。一番弱く見えたんだろうな。姿形で判断しているのではなく動きで判断するのが悪い習性だ!」
「そうか」
単細胞な頭のモンスターだった。陣形さえ組めば欠点や弱点をつきやすいようだ。
「悪い習性がもう一つ!」
アルスが言った。
「止まったんだよボルフライは、あれだけ早く動いていたのに。一瞬だがな、地上は空と違って見えにくいんだろうな」
「そこを狙ったから倒せたんですね」
「俺の敵の倒し方は以前のギルドで教えてもらった。俺が考えたことではない。だから俺は、すごくない。だがそれをやっていくのといかないのとでは生存率が違う。それが俺の賢い所だった、ふはははは!」
「アルスは賢いのね、さあ次」
「っとそうだった、行くぞライム」
「はいっ、どっちがリーダーなんだ。よーし今度、襲って来たら俺が戦おう!」
「ライム言い忘れてたけど出現するモンスターは選べないから」
「それ位、知ってる」
「強くても弱くても戦わないといけなくなるでしょーから」
「逃げる手もあるぞ」
「ライム、強いモンスターから逃げおおせるだけの素早さがあるの?弱いなら逃げれるけど倒さないとアイテムや経験値が手に入らない」
「わかった」
つまり”戦う”の選択肢一つで決定、乱暴な言い方だと俺は思った。
「モンスターよ!」
「あれはモスグリーンという蝶型モンスターだ、ひらひらと・・・」
「その先は言わないでアルス!これはライムの修業なんだから」
「そんなエリス!やられてしまったら元も子もないぞ。ここはアルスの言うアドバイスを聞いてから」
「おわっつ!」
「バササッ!!」
「うっぐっあ!いってぇ~」
モスグリーンが空中から茶色の羽の羽ばたきを止め、真下に落下してきた。そこにいた俺はその直撃をまともに受けて倒れこんだのだった。
「顔、顔に何かついてる、さらさらした粉みたいなものが」
冒頭で頭を過った危険な微生物に近い物質だ。どんな影響かあるか、それがもし毒や溶解液だったらと思うと、いてもたってもいられない。手で顔を拭うと手にキラキラとした粉がついた。
「気にしないで!鱗粉の効果は目つぶししかないわ。モスグリーンの攻撃力も大したことはない」
「おい手がさらさらになってるぞ」
落とした剣を拾い掴むが、掌に細かい粉がついていて滑って持てない。
「大丈夫、手もサラサラになる」
「言うのが遅い」
要は敵を見れない、武器を持てない。大したことある特殊攻撃なんだろ~!!
「はぁー嫌だ。と、とってくれ、頼むセイラ~」
「初心者ヒーラーの私では、その傷や心を癒す方法が思いつきません」
「まじか、アルス頼む」
「俺は戦闘専門だ。それよりモスグリーンが空中に、また上がったぞ~」
「おい、アルス待ってくれ」
アルスは走っていった。
顔がアレルギーのせいか赤くなる。人間だから皮膚は弱いし、触ると顔も腫れているように感じる。
「ライム!お前も嫌なら逃げないと次はもっと強い攻撃が来るぞ!」
アルスの声が遠くから聞こえる。
「置いてくなよ~!」
俺は走り、モスグリーンの直下になる位置を避けた。敵の動きに合わせ俺も動いて避ける。敵の目はしかめっ面だが、こちらを見ている。
俺の手に剣がなくなっても砂でも何でも投げてやる、いつでも来い!
「!」
アルスがモスグリーンの真下に移動した。
「なんだ?モスグリーンの色が変わったぞ」
「ライム、倒すからしっかり見ていろ!!」
「うん。そ、それよりモスグリーンの色が変わってないか?」
「それは光の影響だな、曇ってきたから青白くなっている」
「来る!」
「・・ュー」
モスグリーンが直下しアルスに襲い掛かる。アルスは直下から少しずれた位置に移動すると、上をちらりと見て、その姿を直視した。
「バサッ!ふわっ・・」
さっきとは比べものにならない速さで直下するモスグリーン!地面間近で羽を開いた。落下の動きは羽を広げる事で止め、その勢いを羽につく鱗粉に伝える。鱗粉は霧のように辺りに舞い散った。
直下直前、アルスは目を閉じた。風が鱗粉がモスグリーンがアルスに襲い掛かる。
奇妙なものと言えば夜の虫たちです、昼とは似ても似つかない姿(色)になります。暗いからか異様な形相なのは様々な理由があるのかもしれません、顔に跳んできたら恐いです。




