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JKメイドの私が宇宙に留学し20億人の命を奪える女になった話  作者: 環状ブレイド
すごくベタな淀がアイドルになる話(ヒゾラ初登場回)46〜50

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誰よりも強い私以外は認めない(ミゾラ過去編とライブ終了)

親から押し付けられた借金を取り立てる闇金から逃げてホームレスをしていた私は、ついに闇金に発見された。

すでに私には逃げる体力も所持金もない。

「もう逃げもしないわよ。正直いってとっとと殺して臓器を売るなりして。売春させられて苦しむよりはマシだし」

「なあに、ホームレス生活に約1年も耐えられる小学生の女の子だし、悪いようにはしないさ。俺たちはとても親切なお兄さんだから、いろいろ力になってやるよ」

「…」

「宇宙中をまたにかけ死にかけのお爺さんや資産家のおじさまに夢を与える出張サービス業者《後妻業》になるのとか」

「…」

「あるいはおじさんや陰キャに女の子の怖さを教えるコンサルタント《美人局》になるのもいいし」

「…」

「あるいはとある冷戦中の国で疑似家族を通して危険人物に接近するスパイとか……」

「…」

「国家の仇を成す国賊を掃除する殺し屋になるのもいいし」

「…」

「あとはお兄さん達は親切だからおすすめはしないけど、アビリスターという危ない能力者の星にいって、タレント事務所を隠れ蓑にした危ない研究所のタレント兼、実験台になってもらうとか」

「……えっ?」


私は一瞬、耳を疑った。

「…アビリスターにいけるの! 本当に! ありがとうございます! とても親切なお兄さん達‼︎」

私は思わず自分が半裸なのも忘れて、暴漢たちの手を取ってしまった。

「親がアレで頭おかしくなかったのかね。あんな町に実験台としていくってことに目がキラキラするって」

「実の娘をそこまで追い込むって、つくづく最低の親だな……」

男たちはドン引きし、すでに同情する表情になっているけど、私の心は至って正気を取り戻していた。


こうして私の身柄は、とあるタレント事務所兼・実験施設に引き渡された。正直、遅れた星の闇金とつるむだけあって、その超能力開発方法は明らかに非合法なものだった。

開発による身体への影響で自分の寿命が15年ぐらい短くなるとしても、でも生涯絶対に後悔はしないと思う。

ただの能力ではなく「テレポーター」という普通にカッコいい力を手に入れた。

研究者いわく、私の能力の素養の高さも確からしい。あくまでもタレント事務所でもあるので、ここでも当然私は美形子役タレントとしてデビューしたのだけど、能力を初めて使ったときの感動に比べたら全然だった。

そして私自身ももっと強くなりたいと、暇を見つけては自分の能力の研鑽をしたことも相まって、私はアビリスターに来てから2年ほどでアビリスター最強ランクの能力者・ステップ9の1人に名を連ねることになった。


——そう思い出しているうちに、ヨトリちゃん達とのライブは一旦休憩だ。正直言って、ヨトリちゃんのライブは私が来る前から、私の普段のライブより負けずとも劣っていない。

一応アビリスターではかなり人気のタレントである私の代役を務める無名の新人なんて、ブーイングを飛ばす準備をしてたはずだ。

しかしヨトリちゃんの容姿やスタイルの良さは、明らかにそんな次元を軽く打ち消している。

もちろん振り付けなどはコウレ君やミンネちゃんがカバーしてるにしても、本人の歌唱やアドリブは純粋に上手い。


「ヒゾラちゃん、もう大丈夫でしょ? 私たちはこれで引き上げるよ」

「そうですよ。代役は務まりましたし、これ以上は本職の出番ですよね」

サイスプリムはもちろん、女装で召喚されてるコウレ君もどこか安心した顔になる。

「待って。今日のライブはまだ終わってないわ。あと3曲あるの。サイスプリムさん、いやヨトリさんたちにも、最後まで続役してほしい」

「えっ、でも……」

ヨトリさんは当然戸惑っている。

「お願い。土壇場で病気で寝込んでおいて、結局復帰できたら貴方達お役御免じゃあ、私がファンから叩かれるでしょ」

「まあもう少しぐらい帰るの遅らせてやれよ」

アギがそう言った。

コウレ君やミンネさんだけでなく、ヨトリちゃんも頼み事は断れない性分なのだろう。

ツバを飲みつつも、あっさり首を縦に振った。


その後、ライブは無事に終わった。後日、私はある報告も兼ねてヨトリちゃん達を尋ねた。

「あのライブの反応どうでしたか? やっぱりプロの代役をまったくの素人じゃ……」

「サイスプリム殿。貴女の私生活の写真とか、プロフィールとか、よろしいでしょうか?」

「えっ」

この様子だと本人は本気で、自分がただの素人としか自覚していないようだ。

「貴女が出たこないだのライブ。ネットで話題なんです。マネジャーがぜひ貴女についての情報をもっと欲しいと」

「えっ、そんな……」

ミンネさんとアギ、そしてコウレ姫もといコウレ君は、「まあそうなるだろうな」という顔で静かに見ている。私は思わず小さく笑ってしまった。

……ステップ9のサイスプリムさんが、アイドルとしては完全に素人自覚のままバズり本人はそれをその抜群の美貌で全然状況を受け入れられない顔になってるのがなんともシュールだな。


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