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JKメイドの私が宇宙に留学し20億人の命を奪える女になった話  作者: 環状ブレイド
ロルとアギのホラー?長編 37〜45

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ただのお寺には興味ありません。このなかに監獄、地獄、矯正所、刑務所の2つ名を持つ寺があったら我儘お嬢様を預かりなさい

今日はオクスタン高の夏休みが始まってから数日。

俺とコウレ、ミンネは改めて、夏休みの前日から寺で修行中のアギに面会に行った。

「そろそろ修行には慣れましたか、お嬢様?」

丸坊主姿のアギは、暴れないように腰にロープを巻かれ、それを尼僧がしっかり掴んでいる。

まあ刑事ドラマで犯人と面会するときとかに見る、あれだ。

「流石厳しいお寺です。ちゃんと風呂で青い頭を維持してくれるんですね」

まあ、暴れないように固定するだけでも一苦労だろう。尼僧さんたちには感謝しかない。

「こんな頭、恥ずかしいではないか! せっかくの完璧美少女アギが台無しだぞ、これは!」

「まあ、新学期向けにちゃんとカツラを用意しておきますから、ご安心くださいね、修行尼僧さん」

「どこをどう安心しろというんだ。本当に夏休み中、毎日毎日こんな非人道的な生活をしろというのか……! アニメもゲームもSNSも絶って、引きこもりどころか毎日休む暇もなく坐禅に滝修行、念仏に農作業、寺の雑用。娯楽もつまらないテレビだけ。せっかくの夏休みなのだぞ!本当にこんな生活を2カ月近く続けろというのか!」

「もちの論です」

「鬼、悪魔、(ピー)、(ピー)、(ピー)……!」この作品を公開停止にしないためにピー音付きなのを許してね。

「だってどうせ寺に入れなかったら、どうしようもない生活しかしないでしょ」

「そんなことないやい! 朝14時に起床、20時までお菓子食べながら全12話のアニメを一気見、翌朝4時までゲーム、以降も漫画を一気見という人道的なスケジュールが全部水の泡なんだぞ!」

……それを世間一般では「どうしようもない生活」という。

「それは人道的なスケジュールではありません。ダメ人道的なスケジュールです」

「……なあ、せめてゲーム機とか差し入れしてくれよな」

「ダメです。真面目に修行してください」

「言っておくが、寺は自然の要害だからな。お前の身体能力じゃ逃げ出すのはまず無理だろう。お前どころか、恐らくその道の物好きかプロでもない限り、話にならないレベルだ」

まあ、実際これは本当のことだ。

こないだ俺は近くのネトカフェに泊まって、寺の周辺も散策してみた。寺の内部は尼僧たちが厳重に管理しているし、その目を盗んで出れても、断崖絶壁やまともに歩くのも一苦労な急坂、さらに湖に囲まれている。

「くれぐれもふざけたことは考えず、諦めて真面目に修行してください。まあ僕やミンネさんは、どこかの誰かさんがいないおかげで少しは羽を伸ばせそうですが」

「とりあえず私たちはもう帰ります。いつもはどこかの誰かさんの起こすトラブルのせいで、ろくに勉強もできないですし」

そのどこかの誰かさんは、意味がわからない振りをする。

ここぞとばかりに、割と辛辣な一面を曝け出す苦労人執事と、しっかり者のメイドである。


俺たちの住処である、ガラクタヤカタの夏休みのありふれた夜。

俺と淀はボードゲームに興じていた。ガラクタヤカタは俺たち数人の住居で、当然俺以外にも淀やピラーセルなども入居している。

いずれもしっかり者だ。部屋の掃除も普通に自主的にやるし、学力や身体能力も少なくとも俺よりは上だ。……いっとくが、俺はアギよりはマシだ。これだけは断言できる。

「ちょっと相談なんですけど、ロルさん、淀さん、いいですか?」

「相談?」

「いまちょうど屋敷の片付け終わったんですけど、このあと何すればいいんでしょうか?」「……いつもはアギに勉強やらせてる時間だよな。適当にスマホでも見て暇つぶしてろ」

「……スマホで何すればいいんでしょうか?」

「配信アニメとか?」

「ですよね、淀さん。アギ、今おすすめのアニメってなんでしょうか?」

「アギちゃん、寺修行中よね?」

コウレは一瞬、何かを悟ったような顔を見せた。

「あ〜、そうでした、そうでした」

「じゃあこのボードゲームでもやるか?」

「あの、それはちょっと……正直ロルさん相手だと簡単すぎるというか……」

……悔しいが、その通りだ。

「だったら私とやる?コウレ君」

「そうですね。少なくともロルさんよりは強そうですし」

……悔しいが、これもその通りだ。コウレは笑いながら淀とボードゲームに興じる。

わりと名勝負だった。

しかしコウレは、まだどこか心が落ち着いていない感じだった。その夜、ガラクタヤカタの居間は比較的静かだった。


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