カミュ、ケルググンを泊める。
ケルググン殿は家が出来るまでうちに泊まることとなった。
家の建設予定地がうちの傍であるし丁度良いと思いお誘いし了承してくれた。
あまりの部屋を提供した。
夜、来客があったので出るとバッチだった。
バッチは
「なぜ魔族軍宰相がここにいるのだ。」
と聞くと、
「私は家が出来るまでカミュ殿の家に泊めてもらうのだ。なぜ、竜の宰相がここにいるのか。」
と聞き返し、
「噂は本当であったか。」
と言い、武闘会時のゴシップ記事をバッチに見せた。以前ククリコンに俺が見せてもらった、
『連日のデート! 氷の姫も真っ赤っ赤!』
という皆で夕食を取ったのに俺とバッチだけ抜かれた記事だ。
ククリコンが
「ケルググン様もローランさんに見せてもらったね。」
「いや、私はラオンからだが。」
というとバッチは、
「あの二人は殺す !」
ときれいな顔を歪めて言った。
俺はローランさんご愁傷さまです、と思いつつ、
「で、何の様だ。風呂か? 」
と聞くと
「それもあるが愚痴を言いに来た。」
といい、先に風呂に入ると言った。
ケルググン殿は、
「いつも宰相様は入りに来るのか。」
「たまにですが。」
と俺は答えた。
風呂から上がったバッチがこっちにやってきた。
人化すると角がある以外人間そっくりなので、薄着はやめろ、谷間が見えると思いつつ、こいつは竜、爬虫類だと思い気を静めた。
バッチは
「ようやく組織が決まったが、アイナ村の組織と比べると脆弱だ。多分アイナ村の担当者から苦情が来たら竜の大臣ではそれを説得する事ができないだろう。」
と言った。
俺はケルググン殿がいるのにいいのか、と思いつつ、
「そんなものは経験だ。経験を積めばいいと思うし、その大臣候補をまずアイナ村の各担当の下につけ勉強させてから大臣にすればいいだろう。」
ククリコンは
「ローランさんだって、アイナ村に竜の駐屯所を作った時は下手糞な大工だったね。でも今はかなりうまいね。」
といい慰めた。
「そうだな。大臣の発足を遅らせ、経験をさせるのもいいかもしれんな。」
と言い、濡れた長い髪をなでた。
そのしぐさは色っぽかったが、俺はバッチは爬虫類と心で繰り返した。
「しかしなんなのだ。アイナ村の陣容は。能力はある、策士、曲者揃いではないか。非常勤顧問として内政の専門家のカムストック、商業や産業の取りまとめとしてカミュ、そして魔王軍の宰相であるケルググンがおり、そしてルオが副村長としてそのうえにおり、それらを取りまとめるのが村長だろう。アイナ村は小さい村だが、一国を収めるに十分に足る陣容ではないか。」
「カムストックも引退したくせにアイナ村の相談役を引き受けるとは! そんな余裕が有るならうちの組織を手伝え」
とか色々愚痴を言い帰っていった。
次の日の早朝、おれとククリコンはケルググン殿を誘い、一緒に剣の稽古をした。
ククリコンとケルググン殿が立ち合い稽古をした。ククリコンは武闘会優勝者として善戦するか、と思ったが、やはり荷が重い様だ。しかしいい所もあった。ケルググン殿は武闘会の頃より突きが良くなっていると言い、突きのフェイントの仕方をククリコンに教えた。俺も参考になった。
稽古をしていると向かいのカムストックさんの家から、
「みなさん朝食をどうぞ。特にカミュさんに食べてもらいたいものがあるの。」
とカムストックさんの奥様、ビュートルさんから声を掛けられた。




