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カミュ、組織案を否定する 2

 俺は、バッチと村長を見て、

「政庁室を設ける事は必要ありません。政庁室は百害あって一利もありません。ルオさん、ククリコンもそう思いますよね。」


 ククリコンは

「各担当責任者は王族会議室に直接つけるべきね。政庁室を介することに何の意味があるね。」

と言いルオさんも

「各担当責任者の意見が政庁室で捻じ曲げられる可能性が高いですね。」

と義手で頭を掻きながら言った。


 俺は

「これ、バッチも村長もおわかりですよね。解かったうえでこの様にしたのは、今の政庁メンバーに対する遠慮ですよね。そうせざるを得ない理由が何かしらあるのは想像できますが」


 ルオさんは

「例えば王族会議室にアイナ村、ボーナンの長を入れるのであれば、竜のも含め、それぞれの領土の内政各責任者をまとめる大臣を設け、それを王室会議室に直結させる事も考えられます。」


 ククリコンは

「ルオさんが言った大臣を王室会議室のメンバーに加えてもいいね。」

と言った


 俺は

「魔王様が魔族領の監査役として旧セト領の村長であるケルン村長を推薦した理由も考えた方がいいな。魔族の外交官であるガムルウさんなどを送り込んできた方が魔族にとっては有利なはずなのに。アイナ村、ボーナンと言った人間の領土を気遣ってのことだろうと思う。他国のトップが気遣ってくれているのに自国の重役に忖度した組織を作ったら魔王様はどう思うだろうか。」


 ククリコンは

「侮るだろうね。」

ルオさんは

「ククリコンの言うように落胆し侮るでしょうね。」


 俺は

「政庁メンバーに対して忖度せねばならない事情があるとバッチは思っているようだが、カムストックさんはどう思っているのか聞いたのか。あの人は長老なんだろう? あの人の意見を仰いで政庁メンバーを解体するにはどうすればいいか聞いてみたらどうだ。バッチ。」


 ククリコンは

「名誉はあるけど実権がない地位を作って押し込むね。」

ルオさんは

「魔王領の組織を参考にして、名誉職を抜き出し、それに押し込み実権の無い組織としてまとめると言う方法もあります。」


 バッチは

「政庁メンバーは力を持っている。新しい組織において政策を決定する部門からは排除すべきと思うがなかなかできんのだ。カムストックに相談する事も考えたが奴は政庁メンバーともつながりがあり逆リークされる可能性が高い。村長殿には迷惑と思ったが、その事情を話し組織案を作った。村長殿の言う通り簡単にルオらには見破られたが。やつらがいるせいで、竜の生活はずっと洞窟にカネを貯めて住むことから抜け出すことは出来なかった。」


 俺はルオさんに向かって

「俺はカムストックさんはそんな単純な政治家ではないと思うのですが、ルオさんどうですか。あの人は政庁会議を解散する機会を狙っている様な気がするのですが。」


 ルオさんは

「多分そうでしょうね。政庁会議の味方であれば反対する案件も賛成することが多いですし。それよりも大事な事だと思うのですが、竜王様はいつも政庁の方々を引き連れて温泉で会談をされていますが、竜王様は政庁の方々をどう思っているのですか。」


バッチは

「正直わからない。若いときに色々指導してもらった恩人と思っているのかどうか。」


 俺は、

「今まで何度か政庁メンバーと話したことはあるが、最初は相談役みたいなものかと思っていたが、政策や方針はバッチ、お前やローランさん、カムストックさんのいう事を竜王は聞き、あの人たちのいう事は聞いていない事が多いと思う。要するにただの取り巻きって感じがする。今の流れに乗らない方々であれば、さっきククリコンが言った様に過去の功労者として尊重はしても実権は握らせない様にした方がいい。」


 ルオさんは

「政庁メンバーをはめて失脚させるというのであれば案は浮かびますが、そこまでしなくともというのであればカムストックさんに相談するべきです。」

 村長は

「私もそう思う。」

と言い、俺は

「もしその件で揉め、竜の領域に居ずらくなったら、バッチ、お前はアイナ村に来て村長の補佐をするか、魔族に行きケルググン殿の補佐をすればいい。ケルググン殿ならお前が投降したら悪い様にはしないだろう。そう気を重くして考えるのはやめて、気楽に考えたうえでカムストックさんに打ち明けろ。」

と言った。

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