カミュ、ルオに義手の具合を聞く。
手術後、術式について質問攻めにされた。
まだルオさんの腕が動くか確認していないので、と前置きしつつ説明した。
この術式はヒール系の呪文を長時間かける必要があるので、ある程度魔法量がないと出来ない。人間でいえば王都の宮廷魔術師長レベルでも魔法量が足りない。人間でこの手術に耐える事ができるだけの魔法量を持っているのは俺とトリッパーしかいない。
当然、ヒール、ハイヒール、パーフェクトヒールが唱えられてヒール、ハイヒールの魔法出力を調整できる魔術師であること。魔術師は念のため2人以上いた方がよいこと。だから今回は俺の魔法力が尽きた場合も考えて魔族に魔法力の高い魔術師を連れてきてくれと頼んだこと。
魔術師のみで出来ないことはないが、医者と魔術師のペアで行った方が安全。
医者のレベルとしては、それなりに外科が出来ればオッケー。
明日、固定した石灰を取り除きルオさんに義手の操作の感覚を聞くが、動かない場合は義手を切り落とし傷口にヒールをかけ元に戻す事を告げた。
魔王様はナーサスさんに義手の制作を命じ、片腕の魔族の手術を自ら行う旨言い、その時は俺に立ち会ってくれと言ったので了承した。
今の術式は出来る人間が限られる為、今後の事を考え、義手の組成、骨、筋肉、腱等をを人体に近い組成としパーフェクトヒールのみでくっつける事を可能としたい事を告げた。時間はかかりそうと言った。
今の術式が出来る魔力量を持っている人間は俺とトリッパーくらい、魔王領に多数いる場合はこの術式は魔王領で発展させてほしい旨魔王様に伝えた。
一日たち、ルオさんから固定部である石灰を取る日が来た。手術時のメンバー、ルオさんの家族、村長が揃う中、石灰を取り除いた。
ルオさんに義手を動かしてくださいと言った。ルオさんが義手の指を一本一本動かし、手首、肘、肩を動かしていく。
「カミュさん、動いたよ、動いた! 」
あの冷静沈着なルオさんがとても嬉しそうに腕を動かしていく。
ルオさんの奥さん、子供たちも涙を浮かべ喜んでいる。
「カミュさん、あるがとう、本当にありがとう。」
と言い、涙を浮かべている。
俺は
「よかった。本当によかった。」
そういい、ルオさんの義手と握手した。
ルオさんには、
「今、多少は違和感があるでしょうが義手は徐々に負荷をかけ動かすようにしてください。それで慣れる事によって、違和感を無くしていきましょう。」
ハッサン先生は
「ルオ、何か問題があったらすぐカミュさんに相談する様にしろ。カミュさん、医者側で何かできる事はないか。」
と聞かれたので
「義手との接合部に熱を持つ可能性があります。熱を持った場合は熱を下げる薬を投与する様にしてください。」
と伝えた。
村長が俺とルオさんに、
「竜の領域の組織の件だが、以前貰ったカミュさんとルオの試案を元に、私とバッチさんで案を固める。ルオは2~3日休んで義手の様子を見ろ。カミュさんはこの手術についてまとめてください。」
と言った。更に
「バッチさんと組織案をまとめたらカミュさんとルオを呼び意見を聞く。」
と言った。
次の日から、蒸気機関の改良を行いながらルオさんの家に行き、義手の様子を聞いた。
だんだん元の手のように動かすことが可能となってきており、1週間くらいで元の手の様に動かせるようになるのではと言った。痛覚や触覚も徐々に戻ってきている様だ。義手と肩のヒール魔石を仕込んだ部分が膨らんでいるので、この膨らんだ部分が体に行き渡り膨らみがなくなった時が手術の完了である旨伝え、その時になったらまた呼んでくださいと言った。
「カミュさん、本当にこの義手はよく動くよ。感謝する。もう少し経ち完全に動く様になったら、ククリコンと剣の立ち合いをしていいかな。」
と聞いてきたので
「魔石のふくらみが体から無くなるまで駄目です。」
と言うとともに、ルオさんククリコンと打ち合うほどの剣士だったか、とびっくりした。




