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カミュ、義手手術を行う。

 ドワーフのナーサスさんとサスカッチさんから義手部品の研磨が済んだと連絡があり、両人が魔族の医師と魔力が多い魔族を連れて明日アイナ村に来るとの連絡があった。


 部品は連絡してくれた人が持ってきてくれた。


 俺はククリコンを連れ、ルオさんの所に行き、明後日義手取り付け手術を行うことを言った。ルオさんの予定はオッケーだった。

 その後鍛冶屋のラムザさんの工房に行き、義手部品の研磨が終わったことを告げ、一緒に義手を再組立てしリモートムーブの呪文を用いた実験を行い(実験方法は『カミュ、義手を試す』に記載の方法)人差し指の違和感がないことを確認した。

 ラムザさんには明後日手術を行う事、義手部品を研磨したドワーフのナーサスさんとサスカッチさん、それと魔力が高い魔族が手術に立ち合う事を告げた。

 ラムザさんは、

「人数が多いからカミュさんの家では無理だろうし、ハッサン先生に頼んで村営の医院で手術した方がよいと思う。手術の内容についてはハッサン先生に俺から話してあるからカミュさんから頼んでみたら。」

と言われたので、ハッサン医院に行った。


 ハッサン医院で義手取り付け手術の事をハッサン先生に告げると

「そういう手術をするつもりなら何故私にまず言わないのだ。私はその義手というものすら見ていないぞ! 」

とカミナリを落とされ、俺はひたすら謝った。


 ハッサン先生からは村営医院の手術室の使用許可を貰った。

 ハッサン先生からは、成功確率を聞かれ、義手がルオさんに着いてとりあえず動くということであれば8割、ルオさんのリハビリが上手くいって5年くらいちょっと不便な普通の手として使える可能性が6割と告げた。

 ハッサン先生は

「恒久的に使えないのか。」

と質問を受けたので

「恒久的に使うことは考えていないです。最終的には義手の骨及び肉を限りなく人間の骨、肉に近い素材で作り、今回行う術式などを用いずともパーフェクトヒールで人体に取り付け動くようにしたいと思ってます。ですからこれら人体の組成で作った義手が完成したらルオさんには再度手術を受けてもらうつもりです。」

と言った。更に

「ハッサン先生、今回の手術には患者のルオさん以外、手術側として俺、人体の状況判断者としてハッサン先生、義手製作者としてラムザさん、部品研磨者として魔族のナーサスさん、サスカッチさん、後は魔力助手として魔族の魔術師に手術室に入ってもらおうと思います。」

というと、ハッサン先生は

「村営の錬金術所長のキースロンとその教え子、医者として私の弟子何人かを見学させたい。だから手術室としては見学スペースのある第一手術室を使うぞ。」

というので了承した。


 手術当日、手術は午後2時からということとなった。

 ドワーフ達魔族は前日に着くとの事なので大丈夫だろう。


 手術当日、俺は村営医院の第一手術室に入った。

 ハッサン先生、ラムザさんはもうすでに手術室に入っていた。


 ルオさんが来たので手術ベットに寝てもらった。


 魔族側が来た。ナーサスさんとサスカッチさんの2人に魔力補助者として来たのは・・・魔王様だった。


 俺は

「魔王様がなぜここに」

と聞くと

「カミュ殿の要望が魔力の高いものという事なので私が来た。何か問題でもあるのか? あ、竜王には許可とってあるぞ。それに今回の手術は、かつて魔王軍の為に働き手足を失ったものに対して利用できるのであれば是非技術を教えてもらい実施したい。それが彼らに対する私からできる詫びでもある。だから魔王軍で錬金、魔力が一番高い私が来たのだ。」

と言った。


 見学スペースにはすでに、ハッサン医院の医師たち、魔族の医師たち、キースロンさん達村営錬金術師のメンバー、ラムザさんの鍛冶場の弟子たちがすでにいる。


 俺は患者であるルオさんに

「始めます。」

と言い、ルオさんが頷いたので仮死の呪文をルオさんにかけた。


「ハッサン先生、ククリコンのドリルの手術は俺が行いましたが、それよりもかなり複雑な手術になる可能性が高い。メスは基本的には先生がお願いします。」

といい、ハッサン先生が頷いたので

「先生、肩の肉を切除してください。」

と指示し、ハッサン先生が切除した肉を消毒しマジックポケットに入れた。

「マジックポケットに入れた訳は? 」

とハッサン先生に聞かれたので、俺は

「マジックポケットに入れたものは時間が止まります。出来るだけ新鮮な状態で肩の肉を再接合するためです。」

と言った。


 俺は切除した肩の部分にヒール系の回復魔石を接合した。

義手の上腕二頭筋に当たる部分にも肩の部分にとりつけたものよりも小さいヒール系の魔石を付けた。

 更に義手の肘部にも上腕二頭筋につけたものと同じ魔石を付けた。


 この状態で、ラムザさんにお願いしたシリコンで義手を囲った。

 そしてルオさんの隻腕部と義手を接合する工程となった。


 義手を肩の部分に当て、肩と義手の隙間をシリコンで埋め、魔石活性化の呪文を掛けながら、魔王様に義手を微振動する呪文をお願いした。自分一人でも呪文の重ね掛けは出来るが念のためだ。


 魔王様は、ハッサン先生、指示を頼むといいつつ微振動の呪文を唱えた。

 肩の隙間にシリコン樹脂が流れ込んでいく。


 ここで、肩と義手が動かないようにハッサン先生に頼み包帯で固定してもらった。


 そして弱いヒールの呪文をかけた。


 しばらくかけ、ハッサン先生に接合部の状態を見てもらい、俺と魔王様は3か所に仕込んだヒール系の魔石の活動状況を見た。


 しばらくしたら弱いヒール呪文に共振してヒール系の魔石が活動しだした。

 先ほど切除した肩の肉をマジックポケットから出し切断部に当て、魔王様にハイヒールを掛けてもらった。


 肩の肉は元に戻った。


 徐々に魔石の活動が大きくなってきたので、今度はシリコンを固める為に温度上昇の呪文をかけた。シリコンはみるみるうちに固まっていった。


 どんどん魔石の共振が大きくなっていく。それに従いヒールの呪文の出力を上げる。


 ハッサン先生に義手接合部の様子を見てもらう。順調だとのことなので、呪文をヒールから弱いハイヒールにしてみる。


 ハッサン先生は接合部は順調だと言った。だからだんだんハイヒールの出力を上げる。

 後は接合部の状況と魔法を見れはいいだけだ。

 接合部の活性化が徐々に大きくなっていく。

 ハッサン先生から順調との声を聴く。


 徐々にハイヒールの呪文出力を上げる。魔石の共振状況も大きくなり接合部の振動が大きくなる。

 共振の振動が止まった。


 ここでパーフェクトヒールを2発かけた。接合状況をハッサン先生とみて、これで大丈夫だろうということで接合部を石灰で覆い固定し、ルオさんの仮死の呪文を解いた。


 手術は終わった。

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