カミュ、イナバーン国組織とアイナ村組織を考える。
カミュは家に帰り、今まで所属した組織について考えた。
まずはイナバーン国だ。
ここは国を建国した王の血筋がずっと統治者の王をしており、更にその建国時に手柄のあった家臣が貴族となり領土を貰い、ある程度の自治権が認められ治めている。
確かにその建国した王やその時の家臣は偉かっただろうし能力もあったのだろう。
でもだからといってその子孫まで高い地位を認めるというのはどうだろうか。
彼らは何もせず、何も体験せず政務、軍務の要職についている。だから狭い範囲で判断しモノゴトを決定してしまう。
以前あったアイナ村のボーナンからの徴税の件もそうだ。自分たちが無い、だから物資があるところから自分が必要な分を取ってやろう。
取られた所の必要量? そんなもんしったことか、ということになる。
自分たちより力が弱いと思われるとことからそれを力で行う。それで自分たちより力が弱い、権力が無いと思っている所が実は力がある場合は謝ればいい、高貴な自分が頭を下げてやっているんだ、これでいいだろうと。
こんな組織にはしてはいけない。
王が衰えたら引く、若しくは引かせる仕組みを持った組織にせねばならぬし、王の子孫だからといって能力、性格を考えずに次代の王としてはいけないだろう。
ただし、王の立場を、実権の全くない象徴とするのであれば世襲は可だと思うが。
ここについては魔王様が何か考えておられてひそかに準備をしているようだ。
そのうち動きはあるだろう。
次はアイナ村だ。
ここは村長が村の統治をまとめている。村長は温和でリーダーシップもあり統治者としての能力は高いだろう。
自分の考えを持っている人だが、それに反対する人の意見も聞き、反対意見の方がよいと思ったら自分の意見を変える柔軟さもある。
そしてルオさんが補佐をしている。この人は戦で片腕を無くし、その時治療する人、薬がなくそれ以来隻腕でそれで補佐することとなった人だ。全体を見れる人で、例えば農業、工業、錬金、鍛冶等の提案や要求に対し全体計画を立てるのが優れている。情報収集にも優れ、他国の知り合いも多くその人たちを使い独自の情報ネットワークを持っている。その情報を元に村の外交というか他の国に対する方針を的確に考え皆に相談する。アイナ村よりよほどの大国である竜の領域バッチ、魔族領宰相ケルググン殿が共に認め、ある意味警戒している人だ。
それに、各産業をまとめる人、鍛冶屋のラムザさん、医者のハッサン先生、鉱山師のボナンザさん、工事監督のボスガンさんと皆凄腕の方がいる。これらの人たちも、自分の利益も考えつつ村の発展を願い意見を出し施策を実施している。
ただ、アイナ村の欠点は、現状上手くいっているのはたまたまであること。
村長の任命は、前任の村長が死亡、病気等業務が実施できない様になったときに、後継者を指名して決めるとのことだが、ここで後継者を自分の息子、無能な知り合いにしていたら村はどうなるのか、が考えられていない。
たまたま前任の村長が後継者として指名したから今の村長は村長をしているのだ。
村の施策実施は村人の投票で決められるが村長も投票で決められるようにした方がいいと思う。
補佐役のルオさんもだ。この人はとても優秀な方だが、この人が補佐をしているのもたまたまだ。
隻腕となる前は村の畑を耕しつつ防衛を担っていたそうだ。全然村の施策決定には携わっていなかったらしい。
たまたま隻腕となってしまいそれで今までやっていたことが出来なくなったので補佐役にしたら凄かったという事だ。補佐役は村長が指定してもよいと思うが、これもどうかとは思う。
各産業をまとめる人達も腕は凄いが、村の発展に対し意見を出してくれるのはたまたまだ。
自分の利益のみを出すための施策を村に提案したり実施したりするのが普通ではないのか。実際商人の国ホクリクンはそんな商人しかいなかったし。
色々考えてみたが、アイナ村は適材適所で現在統治は非常にうまくいっているが、それは『たまたま』であって組織の決め方と言う点ではよろしくないと思う。




