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カミュ、バッチに相談を受ける。

 俺たちはアイナ村に帰った。

 あの後魔族は大変だったらしい。


 政務、軍務の頂点であるケルググン殿が俺のパーフェクトヒールで命はつないだものの出血多量で全治3週間。実戦部隊のトップのラオンが腕の切断で慣れるまで1週間剣が握れない。


 特にケルググン殿の入院が痛い。政務の方は魔王様が対応、軍務はナーサスさんが魔王様の命により斧はしばらく握れぬが復帰。

 ラオンはアイナ村駐在から魔王軍第1隊長に復帰。マンテナさんが昇進しアイナ村駐在となった。


 シンバさんは新設された魔王軍第8隊の隊長職を拒否、今まで通りゴブリン隊の隊長のままとなった。


 トリッパーは3日で剣が握れるようになり、この事態の責任があるということで、ナーサスさんに無理やりナーサスさんが軍務を統括している期間の補佐をすることになった。


 トリッパーはこの事態になって魔王領(旧セト領は魔王領)に居づらくなりそうなのでアイナ村に来ると言っていたが、現役魔王軍隊長たちから、それはそれこれはこれ、と言われ、あのケルググン様をあそこまで追い詰めた者として魔王軍から尊敬され、却って居やすくなったとのことだ。


 大人しくなったとはいえ、魔王領北には敵国セトがあるためこのような軍の役割となったとのこと。


 アイナ村ではククリコンが優勝したとのことで沸いたが、ククリコンの様子を見てすぐに騒ぎは収まった。


 あの結末では優勝したことを喜べないだろう。


 竜もその移動速度を活かし、魔王軍から要請があった場合援軍として出陣できるようにするとのことだ。


 そんなある日の夜、バッチが久しぶりに家にやってきた。

 いつも通りに風呂に入った後、俺とククリコンに相談があると言って来た。

 俺はいつぞや言っていた村に戻ったら相談があると言っていたことだっと思い、

「相談事とはなんだ。」

と言い、ククリコンは

「カミュさんとバッチさんが結婚するのかね。」

と言い、バッチにグーパンチされて鼻血を出していた。


 バッチは、

「今回の闘技会で魔王領に行って思ったのだ。魔族は魔王を中心に軍務、政務の役割がしっかりした組織を構築している。我ら竜も魔族の様に役割に沿った組織を組まねばならぬと思ったのだがどう思うか。」

と聞いてきた。

 俺は、

「組織などについては、竜の政務をまとめているカムストックさんや、人間に聞くならアイナ村の村長やその補佐のルオさんに聞いた方がよいのではないか。」

とバッチに言った。バッチは困惑した表情で、

「ここに来る前にルオに相談に行ったら、竜の事はそちらで決めるべきといい相談に乗ってはくれぬのだ。」

と言い、村長もそう言い相談に乗ってはくれないと言った。


 俺はなんとなくわかった。今、竜と魔族は互角だ。魔族と比べ組織がまとまっていない状態でだ。

 ここで竜が機能的な組織を構築したらこのバランスが崩れ戦争につながる恐れがあると二人は考えているのだろう。


「今竜の政務、軍務はどうなっている。」

と聞くと

「政務はカムストックと私で状況を見て政策を立て、政庁メンバーに報告し、竜と我々とそのメンバーで決めている。」

「軍務は攻め込まれた場合、我々の移動力を利用し、その都度都合のつくメンバーを王か私が率いている。」

と言っていた。


 魔族とは大違いだ。


 魔族は政務については大臣格の農政、商政、工政についてそれぞれ取りまとめがおり、それぞれの政策の計画をまとめ魔王様や宰相ケルググン殿の承認を受け実施している。


 大臣の他にゴブリンやオーク等のとりまとめ役も大臣格として宰相の配下に入り、政策を決めている。

 大臣の下にも、さらに細かい役職があり、それぞれの専門分野の政策を立て実施している。


 軍務についても宰相の下にそれぞれの役割が決められた魔王軍の隊長がおり、さらに他種族の軍隊も所属している。

 そして第一隊のラオンが中心となり軍計画をまとめ魔王、宰相に承認を得る様になっている。


 魔王軍はかなり細かく役割毎の組織が決められており、それぞれの役割をこなし、最終的には魔王様が決定権を持つ様になっている。


 それに比べ竜の組織や政策、軍務実施方法はいきあたりばったりであると思う。


 俺は村長やルオさんと違い、少なくとも我々が生きている間に、竜と魔族の戦争は起きないと思っている。

 もし起こったとしたら俺が止める。


 俺はバッチに少し考えさせてくれ、と言った。


 バッチはそうか、といい帰っていった。



 ククリコンにさっきなんであんなことを言ったのか聞くと、魔族領の新聞を見せてくれた。ローランさんにもらったらしい。

 そこには、

『氷の姫バッチ、連日連夜カミュとデート』

『氷の姫も真っ赤っ赤』

と書いてあった。


 連日連夜一緒に夕食を食べに行ったが、二人で行ったのは1回だけ、後はローランさんやククリコンも一緒にいたではないか、と思った。


 ローランさんこんなもの持っていてバッチにばれたら殺されるぞ、と思った。

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