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カミュ、闘技会の結果に唖然とする。(仮)

 本日は武闘会準々決勝だった。


 準々決勝だが・・・・今日で優勝者が決まってしまった。


 大惨事だった。


 残りの日程、準決勝、決勝はどうするのだろうか。

 どちらにせよ、俺、ナーサスさん、ケルググン殿、トリッパーら計6名はしばらく戦闘不能だろうから。


 俺たちアイナ村の者達は明後日竜に乗りアイナ村に帰る。


 バッチが、アイナ村に帰ったら昨日の夜に言った相談事に乗ってほしいといったので頷く。


***********************準々決勝朝に戻る****************************************


 準々決勝の当日朝いつもの通りククリコンと素振りをし、舞踏会会場に向かった。


 いよいよナーサスさんとの一戦。

 俺はひそかにこの一戦に勝ては優勝はかなり近くなる、と思っている。

 ナーサスさんは過去この武闘会でケルググン殿に勝てなかったらしいが、俺からしたらナーサスさんの方がケルググン殿より俺が負ける確率は高いと思う。ナーサスさんはすべて高いレベルを備えた斧士ではあるが、特にあのパワーに耐えられるか。



武闘会準々決勝


相打ちは両者失格。

時間切れは判定で勝者決定。


1.ナーサス(ドワーフ)ドワーフ軍元隊長 予選会勝ち抜き

 カミュ(人間)アイナ村所属 シード 招待選手


2.ケルググン(魔族)魔王軍宰相 予選会勝ち抜き 過去優勝5回(連続)大会無敗

 トリッパー(人間)旧セト領所属 元セト軍義勇軍隊長 予選会勝ち抜き


3.シンパ(ゴブリン)ゴブリン隊隊長 予選会勝ち抜き

 ククリコン(モグラ)アイナ村所属 シード 招待選手


4.マンテナ(魔族)魔王軍第2隊所属 予選会勝ち抜き

 ラオン(魔族)魔族軍第1隊隊長 予選会勝ち抜き 前回大会優勝 3連覇中



 第一試合


 俺とナーサスさんの試合は、ナーサスさんの重撃を俺が受け避ける、避けてスキを見て俺が攻撃するという試合展開になった。

 ナーサスさんの攻撃は重かった。昨日、トラジャーさんと打ち合いトラジャーさんの打撃もケルググン殿より重かったが更に重く、早かった。

 このような試合展開が続き残り時間5分の合図があってすぐ、ナーサスさんの払いを俺が受けたが、もうすでに俺の腕はナーサスさんの重撃に耐えれるものではなかった。また、ナーサスさんも俺のフェイントを躱す余裕もなかった。以前ケルググン殿と立ち合いをした時の様に、俺の腕は肩から斬られ、ナーサスさんの腕も俺の突きで根本から切断された。

 両者相打ち。両者失格だ。お互い寸止めをする余裕なんてなかった。


 治療手伝いとして来ていた竜のローランさんのハイヒール3発ずつの呪文で俺とナーサスさんの腕は元通りになったが、腕が慣れるまで1週間くらいはお互い剣は握れないだろう。


第2試合

 

 ケルググン殿とトリッパーの試合は、ケルググン殿が攻撃し、それをトリッパーが受けて反撃するという試合展開になった。トリッパーの受けからの反撃は、俺が知っていた頃よりも更に磨かれ早くなっていた。

 ケルググン殿はなんとか致命傷を避けているが体中傷だらけで出血が徐々に多くなっていく。

 場内から悲鳴が上がり、舞台袖で見ている現役魔王軍の連中も唖然としている。

 何度もストップがかかり試合を続行するか否か審判が判断し続行された。トリッパーは無傷だが、ケルググン殿の圧力に押されこちらは疲労困憊だ。

 残り時間3分が告げられた。ケルググン殿は血まみれだ。なんとか気力と技術でトリッパーから一本取られずに済んでいるが、このまま時間切れだと判定負けということになりそうだ、と思った瞬間、ケルググン殿がフェイントをかけ、それにトリッパーがひっかかりそうになった。そのスキを狙いケルググン殿が突き、素早く立て直したトリッパーが突き返す。これもお互い寸止めする余裕がなかったのだろう。

 二人が交差し、そして両者倒れた。お互いの剣がお互いの心臓に刺さっている。場内の悲鳴がさく裂する。

 かろうじてお互い息はあるようだがヤバイ状況だ。俺はパーフェクトヒールかけると審判に叫び急いで舞台に上がり、二人の心臓に刺さっている剣を抜き、より重傷でありそうなケルググン殿にパーフェクトヒールを先にかけ、トリッパーにもかけた。

 ケルググン殿の出血は収まったが、まだ体が充分に回復していないようだったので、もう一発かけた。トリッパーは大分回復していたが念のためもう一発。

 ドクターがもう大丈夫だ、といい、二人はタンカに乗せられ病院直行となった。

 相打ちで両者失格となった。

 ドクターに

「かなりまずい状況だった。医務室からエリクサーを持ってきて飲ませようと思ったが、その待ち時間で絶命する可能性もあった。すぐにパーフェクトヒールをかけてくれて本当に助かった。ありがとう。」

と両手を握られ言われた。


 場内が騒然としている中、舞台上の夥しい二人の血をふき取り、試合が再開された。

 これでAブロックの4人はすべて失格、準々決勝の時点でAブロックの勝ち抜きはゼロとなった。


 俺は舞台の袖に残り、試合を見続けた。


第3試合


 ゴブリンのシンバさん、ククリコンという小さな者同士の戦いとなった。シンバさんはククリコンとは初対決ということで、様子を見てククリコンの癖を見抜き攻めに転じたかったようだが、2本の剣を使うククリコンが序盤から猛攻、守り切れずにククリコンの胴の一撃を寸止めで食らいククリコンの勝利となった。


第4試合


現役魔王軍同士の戦いとなった。実戦部隊のトップである(今はアイナ村駐在だが)ラオンと新進気鋭の下士官、マンテナさんだ。

 マンテナさんは、場内の暗い雰囲気を破るように、ククリコンに

「ククリコン、悪いがラオン様は俺が先に倒す。」と言い舞台に上がった。

俺は実は一番波乱が有るならこの試合だろうと思っていた。剣の修行では、ある時期急に実力があがる時期がある。マンテナさんはその時期に当たる、おれはそう考えていた。

 試合が始まる。俺はラオンが最初は受けるだろうと思っていたが、ラオンは攻めまくった。マンテナさんは受けていたが、徐々に致命傷は避けているが体中血だらけになった。トドメとばかりラオンが面うちを狙ったがそれをマンテナさんは避けつつ剣でラオンの腕を狙う。ラオンの剣がマンテナさんの肩に刺さるのとマンテナさんの剣がラオンの腕を切り落とすのはほぼ同時。

 相打ち、すなわちこの試合も両者失格となった。

 ローランさんがハイヒールで治療していたが、舞台上のドクターから

「医務室からエリクサー取ってきて。」

と声がかかったので、俺は舞台に上がりドクターに

「まだパーフェクトヒールは撃てます。」

と言うとドクターは

「マンテナの肩の傷が深い。パーフェクトヒールを頼む。」

と言われパーフェクトヒールをかけた。2人ともタンカに乗せられ病院直行となった。



 結局、準々決勝4試合は、そのうち3試合が相打ちで両者失格、第3試合の勝者ククリコンが勝ち残りで優勝、敗者シンバさんが準優勝となった。



 予定された優勝者インタビュー、準優勝インタビューはククリコン、シンバさん共に拒否。



 俺は、今日戦ったナーサスさんに

「また一戦お願いします。」

といい、ナーサスさんは

「ドワーフ領にカミュが来た時にまたやろう。」

と言い会場を後にした。


後味の悪い大会となった。


 最初から魔族武闘会編はカミュに優勝させる気はありませんでした。

 キャラクターの紹介という意味もこめて書いたのですが、結末をどうしようというのはずっと考えていて、相打ち両者失格と言うルールで有力者を失格にしようというのは考えていました。

 最初は、ゴブリンのシンバか魔族の下士官のマンテナを優勝させようと思い、武闘会はその為に両者失格をいれつつこの二人のうちどちらかを優勝させようと思って話は書いていたのですが、やはりこの2人を優勝させるより他の人を優勝させた方がなどと思いつつ武闘会編の終了まで10話ほど書きました。


 ただ、書きあがったのを見て、いっその事準々決勝でAブロックを全員失格にしてしまった方がいいかも、と思い書いたのがこの話ですのでサブタイトルに(仮)を付けました。


 後日よろしければ最初に書いた方の武闘会編を番外編として書いてみようと思います。

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