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カミュ、かつての部下に会う。

 俺とククリコンは魔族の武闘会参加の為に旅立った。

 旅立つ前、村人たちが壮行会を開いてくれた。

 今まで一緒に汗をかき村の再開発を行って来た人たちが皆応援してくれる。

 俺もククリコンも頑張らねば、と思った。


 村の連中のうち、何人かが応援に来てくれるとの事。

 忙しい中、仲間が来てくれるのはとてもうれしい。

 竜の連中も何人も応援に来てくれるとの事。

 応援に来る人たちは竜にのってくるとのことだ。


 竜が人を乗せるなどちょっと前まで考えられなかった事だ。


 俺とククリコンは旧セト領に入った。

 旧セト領では、旧セト領の村長ケルンさんが来てくれた。


 ケルンさんは健闘を祈る、といってくれた後、

「大会前で申し訳ありませんが、もしよければこの領内をサーチして頂けませんか。」

と言って来たので、

「問題ありません。やりますよ。何かあると感じた場所には目印付けときます。」

といい、目印は木の杭に青い布ということにして、青い布を準備してもらった。


 俺はケルンさんに聞いた。

「今度武闘会にここの代表で出場するトリッパーさんとはどのような方ですか。」

と聞いた。


 トリッパーなる剣の使い手の名前は聞いたことがなかった。セト義勇軍として魔族を苦しめた勇者だと魔族のラオンは言っていた。

 魔族の隊長たちを苦しめる勇者であれば、魔術師であろうが剣士であろうが無名とは思えない。


 ケルンさんは

「旧セト領が我々の要望で魔族に攻められたとき、セトからの援軍で来た方です。ラオン様達がセト軍には圧勝致しましたが、トリッパーさんが率いる義勇軍だけが魔王軍に対して対等に戦っておりました。非常に我々に対しても優しい方でした。我々はそんな義勇軍と我々の求めで来た魔王軍が戦うのが耐えられず、魔王軍の実情を話し、魔王軍に降伏することを望みました。義勇軍はセト軍の横暴さを見、我々の説得によって魔王軍に降伏しました。降伏時、ケルググン様が直々にやってこられ、魔王軍に勧誘いたしましたが断り、我らと同じ村民になった方です。」

と言った。

「お会いいたしますか。」

といわれたので是非とお願いした。


 トリッパーがやってきた。

「やあ、カミュ隊長お久しぶり。」

と言った。


 一目見て分かった。こいつはかつて俺が率いていた隊の副隊長をやっていた奴レオナルドだった。

「お前か、久しぶりだな。」

と言った。

「レ・・・今はトリッパーだったか。魔族の連中が強いっていう無名の人間ってだれかと思ったが、

お前なら納得だ。」

と言った。


 俺は軍には所属していなかったので俺の隊は腕自慢の者たちの寄せ集めだった。

 王都軍は貴族が上の方で確かにそこそこ強かったが使い物にならず、俺の隊がイナバーン最強と言われていた。

 そこで俺の副長と分隊長を兼務していたのがレオナルドだった。

 俺の方が強かったが、こいつもかなり強かった。

 いや、こいつなら魔族の隊長連中とは互角以上にやりあえるだろう。

 というかこいつの真骨頂は隊の指揮、運営にある。


 レオナルド・・・いやトリッパーに俺と別れてからの事を聞いた。

 俺の隊はイナバーン最強と言われることに嫉妬した王国軍貴族によって解散された。

 隊員は皆バラバラになった。王国軍に誘われたものが多かったが誰もいかず、身分制度のない民主主義のヤマタに行くものが多かったらしい。


 トリッパーは、自分の剣の腕を上げたいとのことで敢えてセトに行き、剣術道場に就職したとのこと。道場で稽古をし腕を上げていたところ、魔族がセトに攻めてきて腕自慢の若者たちが義勇軍として参戦すると聞き、戦場で若者たちを死なさない為、隊長として参戦した。


 若者たちを死なさない為、成功可能性の高い奇襲を行い、奇襲成功後は自分が殿を務めていて隊長クラスとはなるべく自分が戦うようにしていたとのことだ。


 旧セト領の人たちとふれあい、若者達もこの戦に参戦する事が無意味である事を知り、旧セト領で村民として暮らすことにした。


 アイナ村に凄腕の錬金術師がいるとは聞いていたがまさか俺とは知らなかった。錬金術師が隊長と知り、すぐに駆け付けたかったが旧セト領の開発があり行けなかった。

「でね、魔族の武闘会は以前から魔族軍第4隊隊長のシーサーさんから誘われていたんだけど断っていたんだ。でも、今度の大会はカミュ隊長とその弟子が出るって聞いて気が変わって申し込んだのさ。」

と言った。


 俺はククリコンを紹介し、夜一緒に酒を飲み旧交を温めた。


 次の日、一緒に魔王領に行くか、と誘ったが、

「まだちょっと開発の作業が残ってるから俺は2日後に出ます。大会が済んだらまた酒飲みましょう。」

と言われた。


 ククリコンと旅をしながら旧セト領を巡り、気の付いたところに丸太を打ち込み青い布をかけておいた。多分鉱山かも、というところが2か所、地面深くになにか、というところを1か所目印を付けておいた。


 旧セト領はかつての開発初期のアイナ村の様な活気があった。皆がいい暮らしをするために皆が自分の出来る事を率先して行っていた。ドジをすれば明るく笑い、疲れたら皆で笑顔で休憩する、そんな場所だった。


 旧セト領を通過し、いよいよ北上して魔王の王都に向かう事となった。

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