カミュ、武闘会のオッズを聞く。
いよいよ魔族の武闘会に出発する日近くとなった。
俺とククリコンは本選からということで、いきなり当日着ではきついということと、魔王の王都を見てみたいということもあり、魔王王都に1週間前に着く、というスケジュールを立てた。
色々しなくてはいけないこともあるが、俺たちが不在の間、皆がその分を負担してくれることとなった。皆に負担をかける分、いい成績を残さなければ、とククリコンは燃えている。
魔族宰相、魔族一の剣の使い手ケルググン殿は、俺が出場するということで10回ぶりに出場することとなった。前回大会の実績がないということで予選会から出場ということになったが、危なげなく圧勝し本選出場となったとのこと。
まあ、あの人だったら当然だろうが。
また、今回記念大会ということで、今まで出場しなかったドワーフ族1の勇士ナーサスも出場するとのこと。この人も予選会を圧勝したらしい。
魔族ラオンは出場可能となったこと。ラオンの代わりの審査委員長が決まったらしい。
代わりの審査委員長は意外にもバッチとなった。
バッチが魔王領に政策の打ち合わせに行っていた時、この武闘会の事をケルググン殿に聞き、興味を持ったバッチがケルググン殿とその弟子の練習を見て、弟子の剣筋をある程度見切ったとのこと。
竜は防御力が高く攻撃性の高い体、得意魔法で攻めるという戦闘スタイルで剣を使う事は実践ではほぼないが、魔族との戦いである程度見切れるようになったとのこと。
ラオンはそれなりに腕の立つケルググンの弟子の太刀筋を見切ったバッチに審査委員長を押し付ける事に成功し、急遽予選会に出場、これも圧勝し本選出場を勝ち取ったとの事。
バッチは、元から魔王の進めで本選を見にくる予定であったのと、ラオンに貸しができるとのことで審査委員長を承諾したらしい。
組み合わせは
本選1回戦
Aブロック
1.ナーサス(ドワーフ)ドワーフ軍元隊長 予選会勝ち抜き
ダビア(魔族) 魔族軍第2隊隊長 シード 前回準優勝
2.カミュ(人間)アイナ村所属 シード 招待選手
キグナス(魔族) 魔族軍第5隊隊長 予選会勝ち抜き
3.ケルググン(魔族)魔王軍宰相 予選会勝ち抜き 過去優勝5回(連続)大会無敗
コールマン(魔族)魔族軍第1隊副隊長 シード 前回ベスト8
4.トリッパー(人間)旧セト領所属 元セト軍義勇軍隊長 予選会勝ち抜き
ロベルト(魔族)魔族軍第6隊隊長 予選会勝ち抜き
Bブロック
5.シンパ(ゴブリン)ゴブリン隊隊長 予選会勝ち抜き
ブレックス(魔族)魔族軍第3隊隊長 シード 前回ベスト4
6.ククリコン(モグラ)アイナ村所属 シード 招待選手
シーサー(魔族)魔族軍第4隊隊長 予選会勝ち抜き
7.マナック(オーク)オーク隊隊長 シード 前回ベスト4
マンテナ(魔族)魔王軍第2隊所属 予選会勝ち抜き
8.ラオン(魔族)魔族軍第1隊隊長 予選会勝ち抜き 前回大会優勝 3連覇中
トラジャ(オーク)オーク隊副隊長 予選会勝ち抜き
本選準々決勝
9. 1の勝者 VS 2の勝者
10. 3の勝者 VS 4の勝者
11. 5の勝者 VS 6の勝者
12. 7の勝者 VS 8の勝者
本選準決勝
13. 9の勝者 VS 10の勝者
14. 11の勝者 VS 12の勝者
本選決勝
15. 13の勝者 VS 14の勝者
となっている。
魔王領では金貨10枚までの政府公認の賭けが行われているとのこと。
賭け券を窓口で買うらしい。
ラオンに掛け率を聞いたら
圧倒的1番人気がケルググン殿らしい。予選会の戦い方も、制限時間ギリギリまで相手の攻撃を受けアドバイスを与え、ギリギリで一撃で倒すというものであり実質完勝、相手は何もできずという状態だったらしい。
2番人気が、ドワーフの伝説的戦士、ナーサスさんとのこと。
ナーサスさんはケルググン殿以上の剛力で、10年前の魔族隊対セトの戦争時、絶体絶命のドワーフ軍の脱出路を作るため単騎突撃、活路を開いたドワーフ族だけではなく魔族の英雄らしい。その他にも色々武勇伝もあり、魔王軍ではケルググン殿についで実績があったとのこと。ラオンは今やったらラオンと互角だと思うが、実績を考えたら仕方がないと言っていた。ケルググン殿とそのケルググン殿が注目する俺が出場するということで参加したらしい。
3番人気がラオンとのこと。
まあ、一応3連覇したからな、とのこと。
4番人気はシンパさんとのこと。
ゴブリン族の本選進出は史上初で、ゴブリン族の期待を一心に集めているとのことだ。
ラオン曰く、バカにできない。結構強い。魔王軍が新設する魔族軍第8隊隊長の候補としてククリコンと並んでいるとのこと。ククリコンが断ったので本選1回戦勝てばほぼ魔族軍第8隊隊長はシンバで決まりとのこと。
ゴブリン族初の本選出場とのことで魔王様より予選最優秀賞と勲章をもらったらしい。
5番人気が俺らしい。
ケルググン様は俺に負けたと言っているとのことだが、それはケルググン様が公務前(竜族との打ち合わせ前の戦い)の戦いであり、人類最強と呼び声の高いカミュ殿に敬意を表した、とか、ラオン様が手も足も出ずに負けたというのもそうだ、という事らしい、それなりに強いけどケルググン様、ナーサス殿、ラオン様に比べると落ちるだろうというのが俺の下馬評とのこと。ただし、一部の魔族軍幹部(以前練習で立ち合った幹部等)には鉄板券といわれ美味しい勝ち券と言われているらしい。
ククリコンがそれを聞き、ケルググン様とカミュさんの戦いを見たらそんなことは言えないとか憤慨していたがそんなもんだろうとなだめた。
ラオンの言うには、実力のAブロック、話題のBブロックとの事らしい。
Aブロックには魔王軍最強剣士、ドワーフの英雄、大陸最強、魔王軍のセト領攻めでセト義勇軍として魔王軍を苦しめた今は旧セト領所属のトリッパーさんが居るのに対し、
Bブロックは、ゴブリンの英雄、隊長クラス注目の若きモグラの剣士、下士官から予選を勝ち上がった下士官の星、そして3連覇のラオンと、話題性は豊富だが実力が落ちると言われているらしい。
ラオンはククリコンに
「確かにそうかもしれないが、Bブロックも盛り上げるぞ。」
と言っていた。
俺は、参加選手も賭け券を買うことが出来るのかラオンに聞いたら、参加選手は自分の勝ちしか買えないとのことだった。
ククリコンがラオンに自分が何番手なのか聞いたら、16人中15番人気とのことで、気落ちしながらもそんなもんですよね、と言っていた。
自分に気合を入れる為自分に金貨10枚買うと言っていた。
注目株は魔王軍第2隊所属マンテナだろうとラオンは言う。マンテナは魔王軍第2隊の下士官である。元から素質がありラオンは魔族軍第1隊に引き抜こうと思っていた程であったが予選会での経験を得るごとに強くなっているとのこと。
複勝という、優勝者と準優勝者を当てる勝ち券、ベスト4を当てる勝ち券があるとのことだった。
複勝とベスト4も参加者は自分も含めた券であれば購入可能とのことなので、俺はベスト4に、ケルググン殿、俺、ククリコン、ラオンの券を買おうと思った。
まだ見ぬ強豪というのはどの世にもいるものだ、この世界でも鹿島新當流の名を広めるのは師、塚原卜伝先生の恩に答えることになると思った。




