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カミュ、開発状況を見る。

 アイナ村の拡張工事はほぼひと段落着いた。

 村の領域を竜の領域との境まで広げ、拡張した土地に畑、家を作り、温泉宿の周辺に休憩所、商店を作り、道路、広場を作った。


 工事監督のボスガンさんはとても忙しかったがようやく一息つけると言っていた。

 ボスガン組の人数は再開発前と比べ3倍となったらしい。工事についてはククリコンが手伝っていたが、かなり上達したらしく、ククリコンをボスガン組に欲しいと言われたが、ククリコン本人には

断られたとの事だった。一息ついたら、ボーナンの再開発の為、ボーナンに行くとの事だった。


 鍛冶屋のラムザさんは、魔王軍から注文されている蒸気船の機関の部品を作っている。魔王より魔王が作成した300人乗りのボルチモアクリッパーの図面を借り、これを船大工に作らせている。俺もその図面を見たが、なかなかのものだった。

 俺の場合は前世の知識があったが、魔王はそのような経験もなくこれを作った。正直魔王ってスゴイと思った。蒸気機関の金属部品は俺が設計した。設計した図面を元に今作っているとのこと。


 医者のハッサン先生は自分の医院と村営の医院を運営している。後述する村営の錬金所が以前と違いあるので、治療に専念できるようになった。以前は先生が薬効を定め、それに則り俺が薬を錬金していたが、俺が薬の錬金法をまとめ村営錬金所に渡し、村営錬金所が先生の指示に従い薬を作っている。

 俺も手が空いてほっとしている。移住希望者の中で、医術に詳しい者を雇い、手伝ってもらっておりかなりアイナ村の治療技術は上がったとのこと。

 竜の痒い病の薬も、以前俺が作ったカ・チューによりほぼ竜全体に行き渡り、今後は定期的に竜に投薬すればよいとのことで、竜の領域カルス先生からヘルプが会った時に手伝う程度でよくなったとのことだ。


 村営錬金術所は、村長が招いたキースロンさんを中心に上述した薬の製造、開発、石鹸の開発、石鹸工場の管理を行っている。また、移住希望者の中の魔術師、錬金術師を雇い、各所で大量に必要となっているパネルを作成している。

 キースロンさんともう一人がマジックポケットを所有しており、木材をマジックポケットに入れて持ち帰り、パネルを作成し、マジックポケットに入れて現場に持っていくという感じで作業を行っているらしい。

 一般の非開口パネルを村営錬金術所が作成し、細かく精度の必要な開口パネルなどは工事監督のボスガンさんが作っているとのことだ。


 石鹸については、魔族、竜、人間にそれぞれとても評判がいい。

 ルオさんが最初に作った動物性油脂を使ったクリーム状石鹸は匂いが強いが洗浄力が高く、最近は洗濯用にも使われているようだ。

 また、魔王領から購入しているクコクコの実を使った植物性油脂性固形石鹸は飛ぶように大陸全土に売れており、工場に勤務している村民、錬金術所、村庫を潤している。

 錬金術所では色々な油脂を使い色々な効果のある石鹸を作ろうとしているらしい。


 竜の領域については、元来竜は山の洞窟に金貨を貯め込み住むものであったが、アイナ村との交流の成果かもしれないが、人化用の村をアイナ村との境に作り始めた。ローランさんによると、竜の姿用の家すなわち従来の山の洞窟の他に人化したときの家を集めた村落を作るとの事だ。

 また、大陸情勢の変化が最近激しいため、政庁の打ち合わせが多くなった。従来は巨大な竜の姿で集まって相談していたが、最近政治に携わるものが増えてきており、場所が足らず、また人化した方が場所のスペースが必要ないからとのことで、村落に人化姿用の政庁を作るとの事だった。以前アイナ村の竜駐屯所をローランさんやその親友ロッカ達で作った経験が生きているとのことだった。


 魔王領については旧セト領への移民の受け入れ、それに伴う開発が進んでいる。アイナ村より開発規模が大きいが、その分その作業に従事する人数も多い。以前から魔王領に住んでいた人間もこれを機に旧セト領に移住してくるとのこと。旧セト領は魔王領人間村という感じになるらしい。

 また、旧セト領の開発には魔族、人間の他にコボルト、オークも来てくれているらしい。最初はその姿を見て恐れを抱いたが、コボルトはいたずら好きで愛嬌があり、オークは怒らせなければ力仕事に頼りとなるとのことだった。


 セトはボロボロらしい。

 軍人、支配層以外の住民はどんどん旧セト領、ヤマタに逃げている。

 旧セト領の人間の生活が仕事があり豊かになっているのを見て逃げるらしい。

 仕事が欲しい人間が旧セト領に、魔族、コボルト、オークに偏見があるものがヤマタに逃げているとのこと。国民が逃げないように城付近に住んでいた軍人というか軍隊を国境に住まわせる様にして人口の流出を防いでいるとのことだ。


イナバーンも衰退するんじゃないか、と思う。

ボーナンが竜の領域に割譲され、再開発がひと段落ついたら選挙によりボーナン代表を決めることになっている。

 選挙と選挙方法については、民主制のヤマタに運営を任せることを要請し、ヤマタは運営は断ったがアドバイザーをしてくれることとなった。

 旧セト領、アイナ村の話を聞いた若しくは見たイナバーン住民はボーナンに来ることを望むものが多いらしい。

 魔王、竜王は技術者、すなわち魔術師、大工、鍛冶師、鉱山師、商人、錬金術師を優先してボーナンに移住させるとのこと。あぶれた人間について竜王は前述したアイナ村との境に建造中の人化用村落の造成も手伝わせる、場合によっては移住させることも考えているとのことだった。

 このような状況になった場合、イナバーン貴族が選挙に立候補し、住民を脅すなどして自分に投票することを強要し、従来のイナバーン貴族統治を行う恐れがあると思ったのだが、


 そのことをバッチに言うと

「だから、イナバーンとの和睦条件として『我が竜の領土について、イナバーン王、イナバーン貴族、イナバーン宮廷及び軍に関する者は入国禁止』という条件を入れたのだ。今、これらの人間についてイナバーン政務局に名簿を作らせている。この名簿に記載された人間が竜の領域領に入ったら殺す。アイナ村にもだ。アイナ村にもイナバーン貴族の入村を禁止し、それを手助けし破るものには厳罰を与えることになる。」

と言った。


 更に

「イナバーンとのことについて魔族との打ち合わせの時、魔王が言ったのだ。人間の中で世襲で支配層になっている特権意識の高い人間は私の領民には要らない、と」

「また、ケルググン殿が『今後の敵は、そのような人間たちになる。敵は集めておいた方が処分

が楽だ。』とも言った。」

「だから、私はイナバーン和睦条件に『我が竜の領土について、イナバーン王、イナバーン貴族、イ

ナバーン宮廷及び軍に関する者は入国禁止』という条文を入れるよう、我が王ファフニールと魔王

ベルゼバブに進言した。」

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