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カミュ、今後について魔王の考えを聞く。

 村長宅にて、竜王、魔王、ラオン、村長、ルオさん、バッチ、俺、ククリコン、そして旧セト領の村長ケルンさんが集まり、今日の結果の報告と今後について話し合った。


 ケルンさんは、事前に魔王から今日村長宅で待機する様に命令を受けていたとのこと。


 竜王ファフニールが

「カミュの旦那、すまなかった。王都で偉そうな口を聞いて。」

と言って来たので俺は

「いや、いいさ。というか今この村は竜の租借地だ。お前がこの村ではトップなので俺が今後口の利き方に気を付けなければならない。竜王様。」

と言った。ファフニールはやめてくれと言ったが、今後俺は竜王に対し敬語を使う事になった。


 魔王は

「思ったよりイナバーン軍は手ごたえがあったな。でだ、今日は事前の打ち合わせ通りほぼ上手くいった。今後についての私の考えを述べる。意見が有れば言ってほしい。」

皆を見渡して言った。

「今後も旧セト領の植民は続ける。その為の賦役は住民には課すが、アイナ村にも手伝いをお願いする。竜王においても、旧ボーナン領の開発をお願いする。今回のカミュ殿の演説によってボーナンに流れてくる王都民も多くなるだろう。それらにも対価、すなわちカネを支払った上でボーナン発展の為の賦役を課してほしい。」

「アイナ村には技術の検討をしてほしい。」

と俺の方を向いて魔王は言った。

「なんでしょうか?船の量産化ですか。」

と聞くと

「それもそうだが陸上の物資運送手段だ。今は個々に必要物資は馬車で運んでいるが効率的に運ぶ手段を考えてほしい。私は思うのだが例えば船に用いている蒸気機関、あれを陸上輸送に役立てることは出来ないか。」

と言った。


 流石魔王、蒸気機関の利点を見抜き、蒸気機関車を作れとは。

「一応案はあります。」

 魔王は、

「ではそれをなるべく早く実現してほしい。この研究が今年のアイナ村への税とする。よいか竜王。」


 竜王は

「よい。ただしボーナンの民の為の食糧はどうするのだ。あそこは多分不作であったはず。」


 魔王は

「その食糧については、ヤマタ、後はアイナ村の余剰分、旧セト領の余剰分を出させる。旧セト領はことし豊作であったからな。竜王よ、ボーナンは貴様の領土。カネを出せば喜んで売ってくれるはずだ。貴様は金持ちだしな。」

と笑っていい、

「あとはゴブリンの余剰分を出させる。ゴブリン領は魔王領の中で特に豊作であったからな。で、ゴブリンは自分たちの集落もパネル工法で作り直したいと言っている。我が領の旧セト領の技術者を派遣し教えようと思うが、ゴブリンの技術者をアイナ村に派遣するからアイナ村の工事監督の下につけ教えてやってほしい。そうすれば奴らは喜んで食料を提供してくれるであろう。」

と言った。


 魔王は

「今までの戦乱の元である、カネにモノを言わせ人間の国々を操ってきたホクリクンは既に潰した。軍事力自慢のセトは領土の北半分を失い風前の灯だ。そして今回、ほどほどの経済、軍事力を持つイナバーンにも言い分を通した。イナバーン王都住民は今後、竜王、我らの領土の人間と合流するであろう。これで我々の領土と接する人間達は我々寄りとなり、人間が我々に手出しはせぬであろう。我々魔族も、我々が不得手とするものを人間に作らせ治めさせることにより生活が向上し、外敵から我々が守れば人間も楽になるであろう。」

「今回、ルオ殿、ローラン殿、我が臣ラオンの意見を聞き、和睦条件としてイナバーンの王族、貴族、宮廷関係者、軍関係者は我らが領土に入国禁止とした。イナバーン王都は命令するものばかりで実施するものが少なくなり大人しくなるだろう。やつらがそのことに気付いたときなにをしてくるかは警戒せねばならんがな。」

「これでしばらく大陸は落ち着く。その間に領土を固めればよい。実際今でいえば、セトやイナバーンに比べ軍に関しては我らが圧倒しているから。今人間の国において一番力があり野望があるのはイナバーンだった。これを潰せたからな。」

と言った。


 村長は

「以前竜王殿が仰ってた通り、出来る限りボーナンの開発の手助けはします。」

と言った。

 竜王は

「頼む。」

 バッチは

「何かあったら遠慮なく我らに言ってほしい。」

と言った。


 ケルンさんは

「後日、イナバーン王都に竜王殿の腹心を派遣しその他の条項を打ち合わせすると聞いています。我々からお願いしたいことがあるのですがバッチさん、後で相談してよいですか。」

と聞き、バッチが了承した。


これでしばらく情勢は落ち着き、村は活気づく、そう皆は思った。


 帰り際、魔王は俺に

「魔族で2年に1回している祭りがある。今年はその年だったのだがこの情勢だ。延期していたのだがそろそろ行おうと考えている。その祭りに出てほしい。ククリコン殿と一緒に。」

「祭りをする事が決まったら村長殿を通じて連絡する。」

と言った。


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