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カミュ、魔王とお話 朝

 朝になった。


 早朝、朝食前に俺とククリコンの剣の稽古時、魔王とラオンがやってきた。

 魔王は

「カミュ殿、私も稽古に参加させてほしい。」

と言って来た。

 俺は

「是非どうぞ。」

と言った。魔王は

「私もカミュ殿、卿の鹿島新當流を体験してみたい。」

と言った。

「では魔王殿、いや魔王様でしたね、すみません。ククリコンと立ち合い稽古をしてください。ラオンは俺と。」

といったら、魔王は

「わかった、ククリコン殿よろしく。」

と言い立ち合いを始めた。俺がラオンと立ち合いを始めようとするとラオンは、

「カミュ殿、弟子のククリコンは魔王様とどの様に立ち会うか気になるだろう、そんなカミュ殿と立ち合って私が一本取っても意味がない。魔王様ククリコンの立ち合いを見てから立ち合いをしましょう。」

と言ってくれたので、小声でありがとうといい、魔王とククリコンの立ち合いを見た。


 俺はラオンに

「魔王様強いな。ケルググン殿よりは落ちるが、ククリコンの攻めをきれいに受けている。ラオン、言っちゃあ悪いがお前よりも強いだろう? 」 

と言った。


 魔王の剣は、最初はケルググン殿やラオンの様に攻めが強い剣だと思ったが、受けの剣だった。

 ラオンは

「そうだ。最早カミュ殿は気が付いていると思うが、魔王様の剣は受けだ。実力は俺以上ケルググン様よりちょっと落ちるぐらいだ。」

と言った。


 ラオンより現状弱いククリコンは、いい様にあしらわれ何本か入れられていた。

 立ち合いは終わった。ククリコンは結局5分の間、4本入れられていた。

 ラオンは、

「魔王様とケルググン様は、剣だけならケルググン様の方が強い。だがご存じの通り戦いは剣だけではない。お二人が戦えば魔王様が強い。ケルググン様の剣を魔王様がひたすら受けすきを見て魔王様の魔法がさく裂し魔王様が勝つ。」


 俺はラオンに

「しかしケルググン殿の剣は速くて強い。立ち合いをして魔王様はググン殿に魔法を放てるのか。俺は以前ケルググン殿と立ち合い負けた。あの立ち合いでは魔法は使う気が無かったが、もし魔法を使おうと思ってもそんな余裕は無かったが。」

と聞くと、

「魔王様は魔法に関しては全能だ。カミュ殿より上だ。身体強化の魔法を掛けられ、敢えてケルググン様の剣を受けたまま魔法を放たれる。」

と言った。


 ああなるほど、と思った。

 俺がケルググン殿に魔法を使って戦うことを想定した場合、俺はケルググン殿との打ち合い中のスキを見て速射系の魔法を使いケルググン殿の体制を崩し剣でトドメを刺すことばかり考えていた。


 次に俺が魔王と立ち合い稽古をした。

 魔王は俺の攻めを徹底的に受けてきた。ケルググン殿とは逆だ。

 なんとか2本ほど取って稽古は終了した。

 俺が魔王と立ち合いをしているとき、ラオンはククリコンと立ち合い稽古をした。

 いいところまで行ったらしいが、ククリコンはラオンに一本入れられ負けていた。


 立ち合い後、朝食を取った。


 その後、魔王が俺に話してきた。

「昨日も話したが、色々な種族の特性を図り、政を行っていく。」

「これだけは聞きたい。カミュ殿、私とあなたを比べると、剣はあなたが上、魔法、錬金は私が上だと思う。しかし、錬金は私が上だが、私はパネル工法や蒸気機関を考えることが出来なかった。あなたに教えてもらい作るとすれば私の方があなたよりよいものが作れるだろう、しかし私にはあなたほどの発想力が無い。これがスキルなどとは関係ない学問の力か。」


 俺は

「そういうことです。魔王様、あなたは政治は私よりはずっと上です。でも私は魔法研究者として今まで研究を続けていた。魔法自体はあなたには叶わないでしょうが、研究者として魔法の使用法についてはあなたより失礼だが私の方が知識があった。そういう事です。」

と言った。


 そうか、楽しそうに笑いながら魔王は言った。


 そして、

「昨日カミュ殿が言っていたが、そろそろ竜の政庁の連中が温泉に来る頃だな。私は竜王に話があるから乱入してこよう。」

と言った。

「どのようなことをお聞きするのですか。」

と聞くと

「今後のイナバーンとセトに関する私の方針だ。」

と言った。


 魔王は竜に話して意見を聞いたら、村に通達すると言って温泉に行った。

 ラオンは警護で付き合うと言ったが、

「いらぬ。私が竜に害されたら攻める口実ができてよいだろう?」

と冗談を言いながら温泉に向かった。


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