カミュ、魔王領の人間の生活を聞く。
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村側と魔王領の人間の会談が始まった。
村側は村長、ルオ、ハッサン、ラムザ、俺、ククリコン
魔王領からは、魔族ラオン、旧セト領の村長ケルンさん、ギリーさん
竜側はオブザーバーとしてバッチとカムストックさん(竜の政治まとめ役)
だった。
旧セト領村長のケルンさんが言った。
「水路は見事でした。魔族の方々が工事方法を貴村に伺い、魔族領やうちの村でも工事を行っておりますが、水が上手く流れません。」
俺が
「あれは土地の傾斜がよほど急でないかぎり、水を引く源流である川の流れの強さ、水路を引く土地の傾斜など検討を密にしないと上手くいきませんからね。」
ラオンが
「現状、水の流れが滞ったら、魔法で力を加え無理やり流してます。」
と言った。俺は力業するなあと思った。更にラオンは
「魔族の政務役が申すには、一度水路をこの村の水路設計者に見てもらい意見を貰うべきでは、と言ってます。どうかお願いできないでしょうか。」
ルオさんが
「旧セト領の方が魔族領より近いので一度私かカミュさんが見に参りましょう。」
と言った。
ケルンさんは、
「ありがとうございます。私達はそのお礼に何かをしたいと思いますが、何をすればよいでしょうか。」
俺は村長、ルオさんを見て、二人が何も言わないのを確認し、
「では、この前頂いたクコクコの実を当方に頂けないでしょうか。」
と言った。クコクコの実は野草であるのでそんなものでいいのかと言われたが、是非お願いしますと言った。
俺が言ったのを見て、村長が以前いただいた芋の種芋がもっと欲しいと言い、ケルンさんは収穫期が本格化するのはもう少し後なので、その時期でよければ、と言ってくれた。
ラオンが、
「パネル工法の基本サイズのパネル作りを手伝ってほしい。」
と言った。何故か聞くと、
「現セト領からの住民の流入が多く、土地はあるが家が無い。」
と言った。
ケルンさんは
「私たちは魔族の方々にセトの圧政から解放してほしいとお願いし解放されました。重税から解放され、村の開発も一緒に行ってくれてセト時代よりかなり住みやすくなりました。その分、現在もセトに支配されている地域は更に重税となり、賦役を課され、食料も徴収され酷いことになっている様です。夜な夜な現国境から住民がこちら側に逃げ出しております。」
と言った。更に
「セトは住民が逃げ出さないように特捜隊を結成し、国外逃亡を図る住民を虐殺しております。魔族の方々が国境に出陣して逃げる住民を救ってはくれているのですが・・・。」
ラオンは、
「戦略からすると、現在の領土を固め流民は受け入れない方が良いのだろうがこのような状況になっている責任はこちらにもある。魔族の誇りとして見逃すわけにはいかぬ。いっその事セトを滅ぼして全住民を解放しようと言う意見が出ているが、現状の軍の状態では痛撃を加えることは出来るが滅ぼすまでは無理だ。」
更にラオンは、
「魔王様やゲルググン様からアイナ村に連絡せよと言われている事項であるが、パネル工法のパネルは旧セト領とアイナ村間の森を切り開いて作る。その切り開いた土地にアイナ村と旧セト領を結ぶ街道を作り、その街道の周りに流民の村を作ることにする。アイナ村として何か問題はあるか、とのことだ。」
ルオさんは村長と小声で話し
「問題ございません。これは魔王殿やゲルググン殿にお伝えして返事をいただきたいのですが、セトからの流民の一部をわが村で引き受けましょうか。わが村は御覧の通り開発中であり人手が足りません。もし了承いただければ、流民用の簡易住宅を街道工事予定のわが村側に作ってお待ちしますとお伝えください。」
ケルンさんは
「ありがとうございます。流民たちは元々同じ国民であった仲間。わが村で受け入れれればよいのですが、わが村も解放戦争後の傷跡が残っており、みな残念に思っていたところです。本当にアイナ村の皆さんには感謝します。ラオン様、大変恐れ多いことではございますが、魔王様に是非このアイナ村の好意をお受けいただけるようお伝えください。」
と言った。ラオンは「承知」と答えた。
竜たちは目を閉じ黙って聞いている。




