カミュ、同盟について
竜と魔族の同盟について、再度細部が議論され実務上は了承となった。
魔王ベルゼバブと竜王ファフニールの会談がうまくいけばその後締結されることとなる。
以前バッチとケルググンの対談時に意見が異なった2~3の点と言うのは、
1.竜の領域と魔王領の国境に関すること
監視部隊を置くという竜に対し、砦を破棄し自由に行き来が出来るようにするという魔族。
お互いの領土で欲しいもの、鉱物があった時の対応
この件に関しては国境にはそれぞれが監視部隊を1部隊づつに限り置くことができる。
鉱物等の採集は事前に許可を得る。
ということになった。
2.アイナ村の取り扱い。
農地改革、作物改良等、お互いの向上の為にこの会談の結果如何に関わらず交流、行く行くは技術提携同盟を結びたいという魔族側に対し、アイナ村は竜の友好国でありそれは認められないという竜側。
これに対しては、アイナ村村長とその補佐であるルオさんが、この村に関することであり竜や魔族に決められることではないと強硬に反発。特にルオさんがそのような意識であるならば、同盟会談の地としてこの村を提供するのを断ると竜、魔族に関して言い切ったとのこと。
この件に関しては、竜側、魔族側がアイナ村に陳謝。アイナ村の問題として村が判断することとなった。
会談方法は、
1.まず8:00~9:00、竜王と魔王が温泉風呂でサシで会談。
サシで2人で話し合うのは竜王の要請。
それを温泉でと言うのは魔王の要請。
魔王はアイナ村の温泉の事をラオンに聞き、せっかくなら竜王とそこで話したいと言ったらしい。
番台は誰が、ということになったが、二人が喧嘩になった場合止める事ができる人という事で俺がやることになった。
2.村長宅で話し合い。
魔族の出席者 魔王、宰相ケルググン、ラオン
竜族の出席者 竜王、副将バッチ 長老カムストック
アイナ村 村長、村長補佐ルオ
3.昼食
竜側、村側で魔王の食の好みを聞いたところ、魔王様はその地域で普段皆が食べているものを食したいと言っているとの回答。屋台の人気の食品を2~3品と村長夫人の手料理とした。
ルオさんが、宰相ケルググン、ラオンに本当にこれでいいか確認したら、これがいいとのこと。
3.村広場で調印式
ということになるらしい。
同盟が近くなると、村に、かつで王都で見た顔の奴らを見かける様になった。
どうなるか気になるのだろう。
また、王都やボーナン子爵から苦情が来たが、
王都には、魔族や竜族にこの村が逆らったら村が全滅するから、と村長がのらりくらりかわし、
ボーナンに対しては、魔族がセトを割譲され魔王領とアイナ村が接するようになった。魔族がお隣になったのでということで挨拶に来ると言うから受けた。ボーナン子爵が魔族とお会いしたいと言うのであれば今村に来ている魔族に言ってボーナンに差し向けるがどうか。
ちなみに今村にいるのは魔王軍最強の、魔族軍第一隊隊長ラオン殿です。ラオン殿にその様に伝えますが、とルオさんが言ったとのこと。
ルオさん煽るな~
魔族とアイナ村の関係については、後日話し合いを行うこととし、現状の技術交換は今まで通り続けることが決まった。
また、魔族が占領した旧セト領の人間も今後何人か連れてきたい。人間同士の話も聞きたいとのことだったので村側は是非、と了承した。
竜族は、特にバッチは、この話を聞いて嫌そうな顔をし、その話し合いには竜族も参加する旨魔族に伝えたが魔族が難色を示し、ルオさんがアイナ村は竜族と友好を結んでいるが属国ではない、内政干渉はご遠慮いただきたいときっぱり拒絶したらしい。
結局険悪になった空気をアイナ村村長、魔族宰相ケルググンが読んで発言権のないオブザーバーであれば、と言う条件で許可したとのこと。
魔王と竜王の同盟日は、急ではあるが明後日ということになった。
俺は竜との関係について、ルオさんが今までになく強硬なのが気になっていた。
あの人のことだから何か考えがあるのだろう、と思いながら。