カミュ、ルオに今後の方針を説明される。
俺はケルググンの腕をパーフェクトヒールで繋ぎ、その後俺の腕をパーフェクトヒールで繋いだ。
お互いしばらく見つめあい、どちらからともなく
「ありがとうございました。また今度。」
と言い別れた。
ククリコンには、
「あの状態ではケルググン殿は立ち会えないだろう。お前とやらせてやれなくって済まなかった。」
というと、ククリコンは
「カミュさんとケルググン殿の立ち合いを見れただけで勉強になりましたね。俺しか見てなかったのね。」
と言った。
パーフェクトヒールで腕を繋いだとはいえ、腕がまだ本調子でなかったので、朝食はククリコンに作ってもらった。
今日の村の見回りは、もし村内が揉めても腕がこの状態ではと思ったが一応行った。
バッチとケルググンのすり合わせが終わり、ケルググンが村長宅から出てきた。ククリコンを見つけると、
「魔族の中でも評判のモグラの天才剣士の腕前も見たかったが今日は立ち会えずに済まん。」
と言ったらしい。
ククリコンは
「機会がありましたら是非お教えください。」
と言ったそうだ。
ルオさんに呼ばれたので二人で会った。
バッチには聞かれたくないとのことだった。
ルオさんによると2~3の細かいことを除くとほぼまとまったとの事。
多分同盟はまとまるだろうと言った上で、
何かあるかわからないからひょっとしてまとまらなく竜と魔族が対立する場合があるかもしれない。その場合、アイナ村はどちらに付く方がよいか、と聞いてきた。
俺は、やはり付き合いも古く、この村の再建のカネを出してくれた竜につくべきだ、というとルオさんは、
「確かにカミュさんの言う通りでしょうし、実際村長や村民に聞いてもそう言うでしょう。しかし本当にそれでいいのでしょうか?」
どういうことか、と聞くと
「竜は、我々の改革の成果に対して、その中で自分たちに利用できることがあればその事に関して金貨を支払います。それに対して魔族は、自分たちに利用できる事に対して、ではこれはどうかとこちらに対して技術を提供してくれます。」
といい、真剣なまなざしで、
「つまり、竜はこちらが与えたことに対して金貨を払うだけ、それに対し魔族はこちらが与えた事に対して、こちらが知らないことでこちらに役立ちそうなことを教えてくれる事で返してくれる。」
更に
「アイナ村はカミュさんが指摘してくれた通り、カネが無かった。それに対して竜はカネを貯め込む習性がありカネをたくさん持っていた。最初のうちは経済を回すためまず竜からカネを取ればよかった。」
俺は腕を組み聞いていた。ルオさんは続けていいですか、と言い続けた。
「今現在、村のカネの量は適正値に対してまだ足りません。それに竜と魔族では竜の方が格段にカネを持ってます。しかし、それは今後開発を進めていけば十分充足します。その場合、却って竜からのカネの流入はインフレにつながる恐れがあります。それに対して魔族の場合、カネの流入は竜より少ない、つまりインフレに関して竜より危険が少なく、それに更に魔族独自の作物、技術がわが村に入り技術が向上する可能性があります。」
そして真剣なまなざしで俺を見て、
「今は竜と親交を結ぶ方がよいかもしれません、しかし長期的な目で見ると、竜と魔族のどちらかを選ぶとしたら魔族の方がよいと私は考えます。」
「先ほども申し上げましたが、今回、竜と魔族の同盟はうまくいく可能性が高いです、しかしもしうまくいかなかった場合、決別したときは、私はアイナ村は魔族に付くべきと村長や村民に告げるつもりです。」
俺は今回ルオさんがバッチ抜きで、と言った理由がわかった。
ルオさんは更に、
「更に魔族は以前から魔族領に逃げこんできた人間を向かい入れ、所定の条件を認めれば人間に土地を与え、自治をさせ、さらに魔王領の政治にある程度参政させてきました。竜の様に気にくわないから人間を焼き尽くそうとする、この前この村に竜が来たことを思い出してください、あの時カミュさんが居なかったら、村民や村は焼き払われていたのではないですか? 今のこの村はカミュさんとファフニール殿の関係があって、それが村民と竜の関係に広がって親密な関係になっています。でもやはり竜の思考は魔族に比べて理不尽で気まぐれだと思います。」
「それにこの村の防衛を考えても魔族と結ぶ方がよいと考えます。私は今隻腕ですが、両方の腕があった時は剣士でした。カミュさんにはバレていると思いますが。まあ大した剣士ではありませんが、私の見るところ、カミュさんは竜に対しては強いでしょう、実際過去にあの竜王ファフニールに完勝してますし。それに対して魔族に関しては・・・失礼ですが相性がわるいというか、魔王に勝てますか。」
おれは
「分が悪いでしょう、というか今はここだけの話にしてください、今朝ケルググン殿がうちに来て俺に立ち合いを求め、受けました。純粋に剣の腕を競う立ち合いでしたが、俺の負けでした。」
ルオさんは、
「そうですか・・・。それを聞いてなおさらですが、今回の同盟がうまくいくことに対して、私は全力で協力しますが、決裂した場合は私がこの様に考えていることを気にかけてください。また、同盟がうまくいった場合でも、魔族との技術交流は続けるようにしたいと思いますし、今後の交流は魔族を重視すべきと思います。」
俺は、
「では、以前俺とバッチに話したあの策は、どうするつもりですか。あの状況になってしまう可能性は高いと思います。」
ルオさんは
「あれは非常時の場合の策で、どうしようもないときの策です。その場合はその時の状況によってどちらがいいか判断し実行することになるでしょう。」
と言った。




