第13話 メアリー
今回は7500Wです。
ウッディが大活躍します。
どうぞお楽しみください。
レイン一行がシティに着いて一週間目の夜です。
時間は九時近くになりました。
「さあ、そろそろ行くよ」
ブーツを履いたウッディは、一階の居間で寛ぐ仲間に声をかけました。
ウッディは今夜からアルバイトをするのです。
「ウッディが登録した人材派遣会社の名前なんだっけ?」
共同浴場から戻ったサンディの灰色の髪を風魔法で乾かしながら、レインが尋ねます。
「Slave networkだよ」
「Slaveって異世界の言葉で奴隷って意味らしいぞ。ひでえ名前だ」
「ごめんよウッディ」
ウッディに不知火丸を渡しながらジョーが頭をさげます。
「亜人だったころは食事が必要なかったのに、人間になったらおれもアニキもサンディも食べなきゃいけねえから食費がかかる」
「サンディなんか毎日五人分食うもんな」
レインにからかわれサンディはギャッ! と声をあげました。
「気にしないで。書記官の仕事が軌道に乗るまでの辛抱だよ」
「仕事は夜間パトロールだったな?」
サンディの髪を手ですきながらまたレインが尋ねます。
「そうだよ。ぼくが剣術をやるといったら担当の人がすぐ紹介してくれた」
「雇い主は町の自治会で勤務時間は夜九時から朝五時まで。で日当は一万ベルか。命懸けの仕事にしちゃ安いな」
「このごろ毎晩町で死人が出てる」
不安そうにジョーが語ります。
「死体は血を吸われてるらしい。犯人は吸血鬼ってうわさだ。ウッディ気をつけて」
「大丈夫。じゃ行ってくるよ」
「ギャッ!」
サンディは家を出ようとするウッディの腕にしがみつきました。
行くなといっているのです。
「ギャッ! ギャッ!」
「あしたの朝には帰るよサンディ。美味しいパンを買ってくるからいい子にして待ってて」
「ギャッ!」
それでもサンディはウッディの腕を離しません。
「レイン、ジョー、サンディを頼むよ」
「まかしとけ!」
レインとジョーは二人がかりでサンディを引きはがし、ウッディはやっと家を出ることができました。
集合場所は物がほとんど置かれてない、だだっ広い倉庫でした。
「こんばんは。わたくし現場監督のクラウスです」
灰色の制服を着た中年男性の声が、ガランとした空間に響きます。
「今回アルバトロス地区自治会の夜間パトロール募集に応募してくださり感謝します。夜間パトロールに応募してくれたかたは全部で七名です。二人一組で担当地域をパトロールしてください。七人ですからあまったかたは一人でパトロールをお願いします。五十分仕事をしたら十分休んでください。それから午前一時から午前二時まで一時間大休止をとってください。みなさんご承知のようにこのところ毎晩町に死者が出ています。アルバトロス地区でもこの一週間で四名の人が亡くなっています。治安警護隊の公式発表はありませんが、被害者はみんな刃物で斬られ、さらに血を吸われています。パトロールの際は十分気をつけ、もし不審者に出会ったらみなさんの武術で始末してください。死体はわれわれが片づけますから連絡してください。ではあしたの朝五時までがんばりましょう」
その夜のパートナーと担当地域が決まり、ウッディは倉庫を出ようとしました。
そのとき
「あ」
ウッディの前を歩いていた女の子の腰から、きらりと光るなにかが落ちました。
ウッディが拾ったのは十字架のペンダントです。
赤いシャツを着て茶色いベストタイプの革甲冑を羽織り、茶色いハーフパンツにショートブーツを履いた女の子は落とし物に気づきません。
(髪がダークブラウンだから甲冑の色もそれに合わせたのか)
お洒落だなと思いながら、ウッディは女の子に声をかけました。
「きみこれ……」
しかし女の子はウッディの呼びかけに気づかず、パートナーの男性と足早に倉庫を去りました。
ウッディは肩をすくめ、ペンダントをズボンのポケットに入れました。
ウッディのバイト初日の相棒はロイドという二十四歳の若者でした。
身長百八十センチのウッディよりやや背が高い、なかなか逞しい体格の青年です。
「今日集まった七人の中にジェーンっていう黒髪ショートの女の子がいただろう? あれおれの彼女」
と得意そうに語るロイドは腰に剣をさしています。
「おれは剣、ジェーンはボクシングと短剣が得意なんだ」
「カップルが二人とも武芸の達人ってすごいね」
「達人ってほどじゃないけどな」
そういいつつロイドは満更でもない表情になります。
「この仕事で金貯めて、二人で花屋を始める予定なんだ」
「へえ、ジェーンは花が好きなんだ」
「いや、花が好きなのはおれだよ」
そういってロイドは照れ臭そうにハンカチで額をぬぐいました。
海のように青いハンカチです。
見回りの仕事を終え、明け方倉庫に戻ると例のダークブラウンの髪の女の子が、腰をかがめて地面を見つめていました。
「きみが探してるのこれでしょ?」
「ありがとう!」
ウッディが十字架のペンダントを差し出すと、女の子は満面に笑みを浮かべました。
「今夜一晩中探してたの。もう絶対出てこないとあきらめてたからうれしい! わたしメアリー、十六歳よ」
「ぼくはウッディ、十四歳だ」
「わたしがお姉さんね」
と得意そうにいってメアリーは右手を差し出し、二人は握手しました。
メアリーの体から濃密な甘い香りが漂います。
「『ファイトクラブ』って香水よ。大人っぽい香りで好きなの。ねえウッディはどうしてこの仕事をやるの?」
「生活費のためだよ。みんなの食費がかかるんだ」
「わたしは学校に行きたいの。この仕事でお金をためて夜間学校に行くつもりよ」
「昼間の学校に行かないの?」
「昼は働かなきゃ……キャッ」
甲高い悲鳴をあげ、メアリーは右手を振りました。
すると地面がキラリと光ります。
諸刃の手裏剣が、地面を這うゴキブリを刺し貫いていました。
「クナイって呼ばれる手裏剣よ」
「すごい!」
ウッディは驚嘆しました。
「いやまじめにすごいよ。ゴキブリを手裏剣で仕留めるなんて神技だ」
「えへん!」
メアリーは頬を赤らめながら胸を張りました。
「どこで修業したの?」
「修行なんてしてないわ。ただ遊んで身につけたの……」
二人はにぎやかに会話しながら倉庫を出ました。
「……」
倉庫の正面に街路樹の並木があり、その影に、一人の男がかくれていました。
黒いマントを羽織った大男です。
男の存在にウッディは気がつきません。
男は笑顔でウッディと会話する少女を、じっと見つめていました。
「おれはこの仕事を終えたら東のふるさとに帰るよ」
ウッディの二日目の相棒シローが語ります。
「大陸で一旗あげようと思ってはるばるやってきたけど甘かった」
シローは黒い瞳で夜空を見あげました。
「シローは何歳?」
「十九歳だ。なあ、十九歳は諦めるには若すぎるなんていわないでくれよ。これでも苦労したんだ。もうこのへんが潮時さ」
「シローが苦労したのはわかるよ。きみの武器『十手』だよね?」
ウッディはシローの腰にある得物を指さしました。
「十手のように扱いが難しい武器はよほど修業を積まないと使いこなせない。シローめちゃくちゃトレーニングしたでしょ? すごいよ」
「へへ、こっちにきて褒められることなかったからうれしいぜ。あんがと」
シローは鼻をこすると腰から十手を抜き、闇を斬るように鮮やかに回転させました。
「こちらで拳法の道場を経営する。それが吾輩の夢だ」
三日目の相棒は小柄な武道家Qです。
「ドーギ」と呼ばれる白い服の上下に黒帯を締めたQは昨日のシローと同じく黒髪に黒い瞳の東方系で、背こそ低いものの筋肉で全身がパンパンにふくらんでいます。
「吾輩は東のふるさとで拳法を学んだのだが、拳法を学んだ道場が政変に巻き込まれ潰された。それでこっちにきたのだ」
「道場を潰した政治家への復讐を考えているの?」
「それはない」
Qはきっぱり断言しました。
「道場が潰れたといっても恩師は生きてるし、復讐なんてやったところで腹はふくれん。ウッディ殿吾輩は食いしん坊でのう、武道家として出世して金持ちになってうまいものを腹いっぱい食う。それが吾輩の夢じゃよ。ワハハ!」
「この黒いローブは演出さ。おれ一応魔法使いだから。いかにもそれっぽいだろう?」
ウッディの四日目の相棒カイトはそういって自分が着ている黒服の袖を引っぱりました。
「うん一目でカイトが魔法使いってわかるよ。そういうの大事だね。ところでカイトはどういう魔法を使うの?」
「それは秘密」
カイトは自分の唇に指を当てました。
「おれは二流の魔法使いだから。『どんな魔法を使うかわからない』それだけがおれの武器なんだ。悪く思うなよ」
ウィンクするカイトを見て、この人苦労人だな、とウッディは思いました。
「え? ロイドのやつ『花屋をやりたい』っていったの?」
小柄な黒髪ショートの少女ジェーンはウッディの口から初めて自分の彼氏の夢を聞かされました。
タンクトップにショートパンツ、そしてブーツのいでたちのジェーンは意外そうに首を振りました。
「わたしそんな話聞いてない」
「ごめん。この話もうとっくにきみの耳に入ってると思ってた」
「あら気にしなくていいわよ。とにかくあいつがわたしより強くならなきゃこの話乗れないわ!」
そういってジェーンはその場でシャドーボクシングを披露しました。
闇を斬るパンチの速さにウッディは驚きました。
ウッディがいるこの世界には衛星が二つあります。
人々は外側を回る衛星を『月』、内側を回る衛星を『青』と呼びました。
内側の衛星が放つ光が一際青いのでそう呼ぶのです。
今夜はその青が満ちる満青の夜です。
「わたし満青って大好き。青い光に包まれると、自分が自由になれる気がするから」
満青の光を浴び、ウッディ六日目の相棒メアリーはその場でゆっくり回転しました。
その胸もとで十字架のペンダントがキラリと光ります。
「これナザレのイエスさまの祭具なの。十字架にどういう意味があるのか知らないけど」
「イエスを信仰してるの?」
「そこまで本気じゃないわ。でも一度お話を聞いてみたくて」
「ふーん、ぼく一度イエスに会ったことあるよ」
「ほんと!」
ウッディは南の森で姿の見えない奇怪ななにかに追われ、そのときイエスと出会い、彼と協力して奇跡的に生還した顛末を語りました。
「ねえイエスさまってどんな人?」
「すごくやさしくて頭のいいひとだった」
「いいな~わたしもイエスさまに会ってみたい……ねえもうすぐ一時でしょ? あそこで休もう」
ウッディはメアリーに手を引かれて土手をくだり、河原に立ちました。
川の水が青く染まり、河原の小石がやけにくっきりとした影を宿しています。
「踊ろう!」
メアリーは河原に透明な、てのひらサイズのドームを置きました。
ミュージックドームです。
メアリーは持っていた音叉でこつん、とドームを叩きました。
すると音楽が流れてきました。
流れてきたのはピアノワルツです。
メアリーは音楽に乗り、青い光の中を泳ぐように踊りました。
「ウッディも踊ろう!」
誘われてウッディも踊りました。
メアリーの手を取り、旋回する彼女を何度も抱き止めます。
「ウッディ上手! 王子さまみたい」
「じゃあメアリーはお姫さまだ」
笑顔で踊る若い二人を、ただ夜空の満青だけが見つめていました。
夜明けにウッディが倉庫に戻ると、バイト仲間で最年長のロイドが二人を待っていました。
「シローとQが死んだ」
二人とも血を吸われている、と青ざめた顔でロイドはいいました。
シローとQが死んで二週間後、今日は満月の夜です。
「月がきれいね」
ジェーンが夜空を見あげてつぶやきます。
「わたし青より月のほうが好き。月の光が青の光よりずっと優しいから……ちょっとロイド聞いてる?」
ジェーンは振り返り、足を止めました。
「ねえ」
ジェーンは寂しそうに笑いました。
「どうしてわたしを先に殺さなかったの?」
ウッディが一人でパトロールを終え倉庫に戻ると、カイトが待っていました。
「ジェーンとロイドが死んだ。やっぱり二人とも血を吸われていた」
「メアリーは?」
「監督と一緒に治安警護隊の死体置き場に向かった」
ウッディもオルグに行こうとするとロイドが呼び止めます。
「おらあこの仕事辞めるぜ。日当一万ベルじゃ割りに合わねえ」
「わかった。監督に伝えるよ」
「すまねえ。よう」
出て行こうとするウッディをカイトは再び呼び止めました。
「おれが唯一使える魔法をおまえにコピーしてやるよ。おれは二流の魔法使いだけど、この魔法少しは役に立つと思うぜ……」
その翌日からウッディはメアリーと組み、毎晩町をパトロールしました。
どこに吸血鬼がひそんでいるかわからない恐怖はありますが、それでもウッディは楽しい時間を過ごしました。
「この仕事でお金を貯めて学校に行くんだ」
「それから時間を見つけて南に行って、イエスさまに会うの」
メアリーは何度もそういいました。
そしてロイドとジェーンがいなくなってから二週間後の満青の夜。
「今夜から一人でパトロールしてください。これは自治会からのリクエストです」
「いや危険すぎる!」
「大丈夫よ」
監督に抗議しようとするウッディをメアリーは止めました。
「わたしは大丈夫」
そういってニッコリ笑い、メアリーは青いハンカチで額をぬぐいました。
満青の光に満たされた夜の町を、メアリーは一人で歩きました。
「ねえウッディ」
と声をかけ、今夜はとなりに相棒がいないのに気づいて苦笑いします。
今メアリーが歩いているのは商店街ですが、住居を兼ねない純粋な店舗ばかりで人はまったくいません。
満青の光が商店街にさまざまな影を落とします。
メアリーは懐中時計を取り出しました。
「まだ午前零時、大休止まであと一時間ね。今夜はどこで休もうかな……」
「動くな」
背後から忍び寄り、メアリーの喉もとに短刀を突きつけたのは黒いマントを羽織った大男です。
「あ、あなただれ?」
「おれのことはどうでもいい。メアリー、おれはずっとおまえを狙ってた。おまえの顔も、小ぶりな胸も、小ぶりな尻も、全部おれ好みだ。今夜いただく」
「……小ぶりで悪かったわね」
メアリーは首をねじって男を見あげ、ニッコリ笑いました。
「メアリー!」
ウッディが声をかけるとメアリーは驚いて振り向きました。
「どうしてここにいるの?」
そう問いかける口もとが血だらけです。
メアリーは地面にしゃがみ、黒マントの男の血を吸っていました。
男は糸が切れた人形のようにぐったりしていてピクリともしません。
「きみが持っていた青いハンカチ。あれはロイドの遺品だ。なぜそんなものをきみが持っているのか不審に思って今夜きみを尾行したんだ」
「その人の持ち物を持っていると、視認しなくてもその人がいる場所に移動できるの」
メアリーはゆっくり立ちあがりました。
大男の頭が地面にぶつかり、鈍い音がします。
「ロイドはハンカチ、シローとQはタオル、ジェーンは拳に巻くバンテージを切り取って拝借したわ。女は自分の持ち物に敏感だから苦労したわ」
「なぜ殺した?」
「わたしは【ファーザー】の持ち物なの。ファーザーの命令には従わなければならない」
「メアリー、治安警護隊に自首しよう。ぼく本部長を知ってるんだ。きっと相談に乗ってくれる」
「……わたしをまた狭い部屋に閉じ込めるの? いやよ」
ウッディはとっさに腰の不知火丸に手をかけました。
(雰囲気が変わった)
香水ファイトクラブの濃密な香りが顔を叩きます。
「メアリー」
「ウッディ、きみはわたしに勝てないよ」
次の瞬間メアリーの姿が消えました。
ウッディは反転しながら不知火丸を抜きました。
耳ざわりな金属音を立てて手裏剣が叩き落されます。
「さすがね」
(え?)
今度は全然別の角度から手裏剣が飛んできました。
間一髪それを打ち落とすと
「まだまだ」
またしてもまうしろから手裏剣が飛来します。
それもなんとか斬り落とすと
「まだよウッディ」
次の瞬間三百六十度四方から十数本の手裏剣が同時に飛んできました!
(なぜそんなに速く移動できる!?)
ウッディは絶叫しながら急旋回しました。
「光!」
不知火丸の切っ先から光が放たれ、その光が円を描いてすべての手裏剣を打ち落とします。
「さすがね。でもこれまでよ!」
虚空からメアリーの声が聞こえます。
(どこにいる?)
とウッディがあたりをうかがったときです。
突如足もとから吹きつけてきました。
濃厚なファイトクラブの香りが。
「おれの魔法は【匂い】の魔法だ」
倉庫でカイトはいいました。
「殺気を持ったやつが近づくと、そいつの体臭が強烈に匂ってくる。かっこ悪い魔法だけど、おれはこの魔法で今日まで生き延びた。ウッディおまえも生き延びろ」
(ありがとうカイト!)
そう念じながらウッディは足もとに不知火丸を突き立てました。
満青が落とすウッディの青い影の中からヌーッと立ちあがったメアリーの心臓を、不知火丸は貫きました。
「わたし満ちた衛星が落とす影に移動できるの」
ウッディの腕の中で、メアリーが語ります。
「そういう魔法を使えるから、わたしは腕を見込まれあのお部屋から出られたの」
「きみが暮らした部屋はどこにあるの?」
「わからない。部屋にはわたし以外にたくさん子どもがいた。食事にファーザーの血が混じっていて、その血に適合した人間は吸血鬼になって、本格的にファーザーのチルドレンになるの。わたしは適合した」
「適合できなかった子はどうなるの?」
「血を吐いて死んだわ。わたしの幼なじみのエイドリアンも……ウッディ、わたし以外にまだたくさん吸血鬼がいる。気をつけて」
「わかった。メアリー、きみはどうしてぼくを殺さなかったの?」
「……イエスさまの話をしてくれたから」
メアリーは青ざめた顔に笑みを浮かべました。
「これをもらって」
メアリーは十字架のペンダントとミュージックドームを差し出しました。
「あなたにもらってほしいの」
「ありがとう、もらうよ」
「ねえ。イエスさまに会えたら、わたしも、救われたかな?」
ウッディの腕の中で、メアリーの体は白い灰になりました。
夜風に吹かれ、灰は闇に散りました。
夜降る雪のようだ、とウッディは思いました。
「お待ちなさい」
治安警護隊本部室での報告を終え、去ろうとするウッディをシズエ・ハラ本部長は呼び止めました。
「これはあなたがお持ちなさい」
シズエが差し出す十字架のペンダントとミュージックドームを受け取り、ウッディは頭をさげると部屋をあとにしました。
「ふしぎな少年ですな」
とウッディを見送った恵体美女のホリーが感想をもらします。
「そうですね」
デスクに肘を突き、シズエはつぶやきました。
「無垢なのに、地獄を見た目をしている」
本部の建物を出たウッディはそこで足を止め、ミュージックドームを取り出しました。
音叉でドームを軽く叩くと音楽が流れます。
流れてきたのはピアノワルツです。
「わたし満青って大好き。青い光に包まれると、自分が自由になれる気がするから」
そういって笑顔で踊るメアリーの姿が、ウッディに見えました。
いかがだったでしょう。
次回第14話は10月4日(日)朝5時投稿します。
どうぞお楽しみに!




