6.ジェフとの学院入学に向けての勉強
今日はジェフとのところに家庭教師が勉強を教えに来る日である。ティナもその勉強に参加させてもらえることになったことから、ティナは朝早く家を出て、ジェフの家に行った。
ジェフの家はこのあたりでは大きな商会で、主に平民向けの、服や家の中で使うこまごました小物を売っていた。また、農家を回って仕入れた穀物と引き換えに農具などを農家に売っていた。また、農家から仕入れた穀物は王都の本店で売っていた。
家に行くと、ジェフの勉強部屋に通された。しばらくして家庭教師の先生がやって来た。家庭教師の先生は男爵家の3女で、一度結婚したが子供が出来なかったので離縁されたとのことで、今は家庭教師をしながら実家で肩身の狭い思いをしているとのこと。名前はアデーレさんとのこと。
まず、学院に入学試験の概要の説明から始まった。
「学院に入学試験は12歳の年の夏に行われます。学院で学ぶ期間は3年間です。
学院の試験は座学が国語、数学、魔法理論、外国語、地理、歴史、貴族の常識、法律の8科目、実技が魔法か剣術のどちらかの選択です。なお、実技で高得点を出した人は優遇されます。
また王族、公爵家、侯爵家、伯爵家の人間は試験の結果によらず入学できます。ただし、点数が低いと多額の寄付金を求められます。
また、平民や準貴族の子弟の場合、優秀な成績で合格すると学費免除の規定もあります。
これからの7年間頑張って勉強しましょうね」
「先生、優秀な成績とはどのくらいですか」
「一応Cクラスと言われているわ。大体平民での順番が15番目ぐらいまでらしいけど、その年によって違うのでそのあたりははっきりしていないみたい」
とりあえず私とジェフがどのくらいできるかを知りたいとのことで試験をすることになった。
読み書き計算これは教会で習っていたのでできたが、それ以外は全くできなかった。ジェフはすでに少し勉強していたようで、私よりもできたようだ。それでも、この結果を見て先生が嘆いている。
「これは頭の痛い問題ね。平民を教えるというので、少しは覚悟してきたけど、こんなにひどいとは思わなかった。
次は魔力実技の方ね。あなたたちは剣術は習ったことがないのでしょう」
「俺も剣術は習ったことがない」
「私も剣術なんて習ったことないです」
「いいわ、それじゃ庭に出て、得意な魔法を披露して」
庭に出て、ジェフが水魔法を行使した。水がちょろちょろと出るくらいである。すると先生が
「これは厳しいわね。試験では水を的に当てられるかを見るから、最低でも的に当てられないと合格はもらえないわよ。これから魔法の練習もしてください」
「わかりました。これから毎日魔法の練習をします」
次に私の番になった。教会で習ったように手を出して、そこに魔力を集める。そして、遠くの的を見ながら、
「着火」
と唱えた。
すると、手から出た炎が的に向かって飛んでいき、的に火が付いた。私でも驚きである。
「すごい、5歳でこれだけの魔法が使えると、かなり有望ね。これからも頑張って魔法の練習をしてね。そして、魔力試験で優秀な成績を上げると、それだけでも合格をもらえるらしいから、火魔法の方もさらに頑張るように」
「ありがとうございます。私、火魔法なんて教会で習って以来だったので、少し驚いているのです。いつもは父の工房で、火を起こしたりしていただけなので」
「ティナさんの家は鍛冶屋だったわね。毎日火魔法を使っていたので火魔法も上達したみたいね」
「そうなのですか。よかった」
「しかし、ティナさんの場合はもっと座学を頑張らないと、正直言ってあの成績では学院の入試は難しいですから」
「わかっています。今後ともよろしくお願いします」
このようにして家庭教師の先生の授業の1日目は過ぎていった。




