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泡沫の恋の行方と花時計の思い  作者: @000ーooo


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40/54

40.3年生に進級

 ジェフの商隊の旅行から王都に帰ってからは、ティナはひたすら父親の工房で剣を作って過ごした。年度末休暇も終わって、また学院生活が始まった。予想どおりティナとジェフは3年生になってもBクラスだった。これで3年間ジェフと一緒だと思うと嬉しかった。


 学院の帰りに花時計のところによって

「花時計さん、ありがとうございます。これで3年間ジェフと同じクラスです」

そう言ってお礼の言葉を述べた。花時計も喜んでいるように思った。


 その後はまた同じような生活の繰り返し。しかし、今年は秋の魔獣討伐実習はなかった。さすがに昨年あのようなことがあると学院側も躊躇するようだ。


 代わりに王宮の騎士団や魔術師団の特別訓練が実施された。これはどちらかに全員が強制参加となった。ティナは魔法の腕は学院では隠しているので剣術の方に参加した。この訓練は騎士団がいつもやっている訓練を少し優しくして実施したということだったが、内容はかなりハードで3日間の訓練が終わるころにはティナは筋肉痛になった。


 その後は期末試験となった。ティナは前回と同じ60番ジェフは55番だった。その後は期末休暇となり、ティナはまた父親の工房で剣を打って過ごした。


 そしてまた新学期が始まった。そして、今年も学院祭の季節がやって来た。錬金クラブの今年の部長さんはAクラスの公爵令息アルベール様です。


 さて今年は何を出すか。その会議が開かれた。アルベール様が

「3年前が水魔法、2年前が火魔法、昨年が土魔法とくれば今年は風魔法だろう」

といい出した。


 すると風魔法の人が今やっている内容の説明をした。今取り組んでいるのは「水に浸した布に風を当てて、冷たい空気の出る装置」だと説明した。ただそれだけだと湿った空気が出てくるので、最近は水に浸すのではなく、「太い管と細い管を連結し、この中を空気が通ることにより管を冷やしたり温めたりする装置」の研究もしている。


 そのどちらかをするのかなと思ったら、アルベール様が「その両方をしてみよう」と言い出した。これには一同びっくりです。風魔法の人が「風魔法が出来る人たちだけだと、この2つは出来ない」と反論した。


 するとアルベール様は「これは錬金クラブ全体として取り組むので、風魔法が出来ない人にも手伝ってもらう」と言い出した。


 そして無理やりクラブのメンバーを2つに分けた。私は「太い管と細い管を連結し空気を温めたり冷やしたりする装置」の開発に関わることになった。


 そして、その打ち合わせ、風魔法の人がその装置の説明をした。太い管と細い管を連結する。そして太い管を通った空気が細い管に行くとそこで圧縮されて温度が上昇する。その管の周りを水で満たしておくとそこで空気は冷やされる。そしてその管を太い管に連結しておくと今度は空気が膨張して温度が下がります。そこに風を当ててやれは冷たい空気が得られます。


 何となく分かったような、分からなかったような説明だった。私には難しすぎる。でもジェフは分かったようで何度もうなずいていた。今の説明で分かった人半分、分からなかった人半分といったところだった。


 するとジェフが

「つまり空気は圧縮されると温度が上昇し、膨張させると温度が低下する。その空気を太い管と細い管を連結した管の中を通してやると温度が下がったり上がったりする。温度が下がったところに風を当てやると、冷たい空気が得られ、温度が上がったところに風を当てやると暖かい空気が得られるといことですね」

この方が分かりやすい。先ほど説明した人も

「ジェフお前頭いいな」

と感心している。


 とりあえず太い管と細い管を連結するところからだが、みんなの目が私を見ている。そりゃ私鍛冶師だけど、こんな物作ったことない。でもそんなことを言っていられない。もし依頼するとしたら王都の鍛冶工房になる。それなら1から説明するより私が作った方が早くなる。


「わかりました、うまくできるか分からないけどやってみます」

そう言って、そこにあった鉄を加工し始めた。


 まず鉄を平らにして同じ厚さにする。次に鉄を丸めて管にする。中々難しい。やっとの思いでまず太い管を作った。次に細い管これは難しい。さらに難しいのがこの太い管と細い管をつなぐ工程、斜めに板を巻き付けて作った。なんかすごく不格好。


 このつないだ管に水を通して、水が漏れないか調べてみた。すると水は漏れなかった。出来た管を風魔法の人に渡した。するともっと作って欲しいと言われた。相手は貴族逆らうわけにもいかず、その後私はずっと管作りに明け暮れた。そのうち慣れてきたら早くきれいな物を作れるようになった。


 その管をいくつもつないで、さらに最初の「水に浸した布に風を当てて、冷たい空気の出る装置」と結合することにより、より効率的に冷却できるようになった。そして装置も小さくすることが出来るようになった。


 この装置も錬金クラブで商業ギルドに登録することになった。


 この年の学院祭の錬金クラブの実演は大盛況だった。そして来ていた観客からその場で錬金クラブに装置の注文が入った。これには部長のアルベール様もあわてて、

「早急に王都の工房に装置の製作依頼を出します」

と言っていた。


 私の工房に依頼が来ないことを祈るだけだったが、やはり注文はうちの工房に来た。そりゃそうだ、この装置のメインの太い管と細い管を連結した管を作れるのは私だけ。その後私は休みの日はこの装置の製作に明け暮れるのだった。

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