27.ジェフの商会の旅に同行(盗賊の襲撃)
次の日の早朝、ジェフの商隊は宿を出た。次の目的地に向かうそうです。ただ、途中に森があって、そこが少し問題だそうです。なんでも、数年前に盗賊が出たそうです。
盗賊は、定期的に騎士団が討伐しているそうですが、騎士団の間隔が空くと盗賊が根城にするそうです。今回は騎士団の間隔が少し空いているので不安だそうです。
そのため早めに宿を出てできるだけ早く次の目的の町まで行きたいそうです。村を出て最初のうちは街道の両側が昨日と同じ畑作地帯、この辺りは問題ないそうです。問題はもう少し行ったところの森の中だそうです。両側に木が生い茂り見通しが効かないところだそうです。
「もう少し行くと森に入る。森に入ったら両側に気を配るように。出来るだけ早く盗賊を見つけろ。すこしでも違和感を覚えたら俺に言え、わかったな嬢ちゃん」
「はいカールさん」
「嬢ちゃんは街道の左側を見張れ、俺は前、お前は左を見張れ良いな」
カールさんが部下に指示を出していく。
森に入って、ティナは街道の左側を注視した。すると、左側の奥の方が何となく嫌な気がした。
「街道の左側の奥の方が、何となく違和感があります。確認のため魔法を放ってもいいですか」
「いいが、そんな遠くまで魔法が届くのか」
「あれぐらいなら十分届きます」
そう言ってティナは森の奥を見つめ
「森の奥の盗賊の足を貫け炎の矢10本」
と唱えた。すると炎の矢が10本森の奥に飛んでいった。
そして、森の奥に矢が届くと
「うわー」
森の奥から人の叫ぶ声が聞こえた。
そして、10人ほどの盗賊がこちらに向かって剣を振りかざして走ってきた。
ティナは入ってくる盗賊に向けて再度
「盗賊の足を貫け炎の矢10本」
と唱えた。すると炎の矢がまた10本盗賊に向けて飛んでいった。
飛んでいった炎の矢は盗賊の足を貫いた。そして10人の盗賊が横たわった。
それを見てカールさんが
「嬢ちゃんは、とっさに10人の盗賊の足に狙いをつけたのか」
「わかりません。ただ盗賊の足に当たれと言っただけです」
「そうなのか。まあいい。おいお前たち、他に盗賊がいないか注意しろ」
すると、前を見ていたメンバーが
「前の方にも盗賊がいます。どうします。リーダー」
「そうだな、このまま突っ切るか。横の盗賊はあの怪我なら俺たちを追ってこられないだろう」
馬車はスピードを上げた。そのまま前に向かって突っ込んでいった。すると道の真ん中に切り倒された大木が横たわっている。
「嬢ちゃんあの大木、嬢ちゃんの火魔法で何とかならないか」
「出来るかわかりませんが、明いっぱいの魔力を込めて火魔法を放ってみます」
ティナは大木に向けて最大限の魔力を込めて火魔法を放った。すると大きな炎の塊が飛んでいった。炎の塊は大木当たると大きな爆発がした。そして、街道の左側の部分をふさいでいた大木の一部が吹き飛んだ。その隙間を馬車が駆け抜けた。
そこまではよかったのですが、馬車はそれから200mほど進んだら馬がばてたようで動かなくなった。御者が盛んに馬に走れと鞭を叩いているようですが、馬はもう無理と走るのをやめて歩き始めた。
「お前ら、馬車を下りて、盗賊が追ってくるようなら迎え撃つぞ」
リーダーの掛け声で、疾風の名馬の全員が馬車を下りて馬車の後ろに回って、追ってくる盗賊に対峙した。私もそれに加わった。
しばらく馬車の動きに合わせて、後ろ向きに後ずさったが、追ってくる盗賊はいなかった。そこで、私たちはまた、馬車に乗って、先を急ぐことにした。昼前には森を抜けてまた畑の中を走った。
途中の集落で、リーダーが
「我々は商会の者、森で盗賊に襲われた。騎士団に連絡をしてほしい」
と村の長に頼んだ。
そこで昼食をとって、午後はまた先を急いだ。夕方には目的の町に入った。ここでもリーダーは森で盗賊に襲われたことを話していた。
「私の魔法のことは内緒にしておいた」
と言われたときはうれしかった。




