26.ジェフの商会の旅に同行(森での魔獣狩り)
次の日ジェフとアウレールさんは忙しそうにしている。
「何か手伝おうか」
と言ったが、
「これはジュフの練習も兼ねているので何もしないでくれ」
と言われ、することがない。
疾風の名馬は近くの森に行って狩りをするそうなので、ティナも付いて行くことにした。森に入るとゴブリンが3匹出てきた。カールさんに
「嬢ちゃんの実力を見たいから魔法で倒してくれないか」
「わかりました」
そう言って、ティナは前に出た。ゴブリンはティナを見ると獲物認定したようで向かってきた。ティナはゴブリンの方に手を向けると
「炎の矢3本、ゴブリンを貫け」
そう言うと、手から炎の矢が3本出て、ゴブリンを貫抜いた。一瞬である。これには疾風の名馬のメンバーも驚いた。
「嬢ちゃん詠唱はしないのか」
「しません。私、詠唱文を知りませんから」
「そうか、それと矢が1度に3本出たが、すごいな」
「そうなのですか、ほかの冒険者の人がどうやっているか知らないので」
「1度になん本ぐらい出せるのだ」
「わかりません。3本なら余裕です」
それからしばらく行くと狼が10匹出てきた。
「今度も行けるか」
「わかりました」
ティナは前に出ると手を出して
「炎の矢10本、狼を貫け」
そう言うと、手から炎の矢が10本出て、狼を貫抜いた。ティナが「収納」と唱えると10匹の狼が消えた。
「1度に10本か、すごいな嬢ちゃんの魔法は。それと、狼が消えたのはマジックバッグか」
「はいギルドで中古のマジックバッグを購入しました。金貨70枚、少し高かったのですが、すごく便利です」
「そうだな、俺たちもマジックバッグは持っている。便利だが、俺たちのマジックバッグはそんなにたくさんの物は入らない」
「そうなのですか。中古ですから。新品だと幾らしたのか分かりません」
「そうだな、中古か、お買い得品だな」
「はい、ギルドの受付嬢には感謝しています」
今度は疾風の名馬が狩るというので、見せてもらうことになった。しばらく行くとビックベアが出てきた。
疾風の名馬はビッグベアを取り囲むと、魔法士がすぐに無詠唱でビッグベアの顔に火魔法を放った。ティナのような強力な魔法ではなかったが、その攻撃でビッグベアがひるんだ。
そのすきにメンバーの一人が剣でビッグベアに切りかかった。あまり効いていないようだったが、周りからさらに幾度も切りかかられると、さすがにビッグベアも戦意を無くしたのか逃げようとした。
そこを今度は詠唱していた先ほどの魔法士が強力な火魔法を放った。これはずいぶん効いたようで、ビッグベアがまた疾風の名馬の方に向き直った。
その後は疾風の名馬のメンバーが交互に切りかかった。しばらくするとビッグベアは動かなくなった。
「このビッグベア、どうするのですか」
「俺たちのマジックバッグには入らないから、解体して素材だけ持って帰る」
「それなら私のマジックバッグに入れますか。これぐらいなら入ると思いますので」
「そうかそれなら入れてくれるか」
ティナが「収納」と唱えるとビックベアが消えた。
その後昼食をとることになった。ティナは石を並べて竈を作ってマジックバッグから出した鍋をかけて、マジックバッグから出した水を入れて火魔法で加熱した。そしてマジックバッグから出した干し肉と野菜を入れてスープを作った。
「嬢ちゃんはあれだけ魔法を使って、魔力切れにならないのか」
「私、これぐらいだと何ともないです。剣を打つ時は1日中火魔法を使っていますから。先ほどは魔獣を倒すときだけ、魔法を使っただけですから」
「そうなのか、嬢ちゃんは魔法の威力もさることながら、魔力量も半端ないな」
「そうなのですか、いつも1人で行っているので、ほかの人と比べたことがないので」
「でも学院で学んでいるのだろう」
「学院は貴族の人が多いので、睨まれたくないので、魔法は控えめにしています、こんなに思い切り魔法を放つことはしません」
「猫をかぶっているということか」
「そうです。ひたすら目立たないようにしています」
「そうか、学院も大変だな」
「はい」
その後、午後も交互に魔獣を狩って、狩った魔獣はティナのマジックバッグに入れて、夕方宿に戻ってきた。なお、ティナの魔法の腕とマジックバッグのことは内緒にしてもらうことにした。




