23.魔獣討伐実習2
次の日の朝、またジェフに水を出してもらい、私が火魔法で水を温めて、料理を作った。朝食を食べて、後始末。薪の燃えカスを消すのはジェフの水魔法でできる。ほんとジェフの魔法は便利。
その後1年生は担任の先導で、森の中で魔獣討伐。といっても2年生や3年生がこの先の森にいるので、ここに魔獣が現れることはない。
私たちは森を散策して昼になったら、昼食をとって、その後、竈の石を崩して、辺りを平らにして、テントを解体して背中のカバンに入れて、集合。その後学院に戻って解散の予定です。
森の中を歩いて行く、すると森の奥から3年生の声が聞こえる。さすが3年生ともなると魔獣討伐をしているようです。
「魔獣が出た。ビッグボアだ」
「キャー、魔獣がこちらに来た」
なんか魔獣討伐というよりは魔獣に襲われているような感じです。しかし、そこには騎士団もいるのだし、危なくなれば騎士団が何とかするでしょう。それにビッグボアぐらいすぐに倒せるでしょう。
でも用心してマーサ先生は私たちにしばらくここで待機するように命じられた。
それからしばらくすると、魔獣が倒されたようで、悲鳴が聞こえなくなった。
マーサ先生がまた散策を開始すると、今度はオークが担任のマーサ先生の前に出てきた。マーサ先生はびっくりして尻もちをついてしまった。
「危ない。やられる」と思った瞬間、剣を握った公爵令息のミシェル様がオークに切りかかった。するとオークはミシェル様を敵認定して、ミシェル様に向って行った。
護衛の冒険者が慌てて駆け寄ってオークと対峙した。そしてオークは冒険者に倒された。
マーサ先生は、胸がドキドキしているようで、しばらく尻もちをついたままです。ミシェル様に手を引かれ、立ち上がると、
「ありがとう、ミシェル、死ぬかと思った。あなたがいてくれてよかったわ」
「当然のこと、か弱い女性を守るのは男の務めです」
なんか、ミシェル様が王子様に見える。マーサ先生がもう少し若ければ2人は恋に落ちました。そして結婚して、幸せに暮らしました。そういう物語になるのにと思ってしまう。
でも、近くにいた貴族の女子が
「なによ、かまととぶって、あんな年増が、ミシェル様に釣り合うわけ、ないじゃないの」
ミシェル様は庶子とはいえ公爵令息、容姿端麗、その上、誰にも丁寧に接する。平民の私にも気軽に声をかけてくれる。クラスでも狙っている女子は多いようです。
「どうしたティナ、ミシェル様に惚れたか」
「そんな事はない、私はジェフが一番」
「そうか、それはよかった。俺もティナが一番だ」
今日は森の様子がおかしいということで、魔獣討伐実習は午前の魔獣討伐はこれで終了となった。再びテントのところに戻ることになった。しかし、迎えの馬車は午後にならないとこないので、テントのところで待機することになった。
しばらくはテントの前で暇な時間を過ごすことになった。
しばらくボーとしていると、担任のマーサ先生がやっと正気に戻ったようで、集まるように言われた。
先生の前に行くと、
「皆さんも今日はびっくりしたと思います。普段だったらこんな森の浅いところにオークが出ることはありません。迎えの馬車は午後にならないと来ないので、それまでの時間、今日のような異常事態に遭遇した時の対処法について皆さんとお話をしたいと思います」
そう言って、みんなで話し合いが始まった。
「まず、急に魔獣が現れることもあるので、森に入るときは戦える武器を携行するべきだと思います」
「そうですね。私も目の前にオークが急に現れた時は驚いて尻もちをついてしいました。この中で武器を携行している人はいますか」
すると、貴族の男子は大抵手を上げたが、女子は半数ぐらい、平民は誰も手を上げなかった。
「それを見て、皆さんも森に入るときは武器を携行するように」
「それから大事なことは」
「まず慌てないこと、相手をじっくり見て距離を取る」
「そうですね、私は驚いて尻もちをついてしまったので逃げることが出来ませんでした。相手が強い時は逃げることも大事ですね」
「それから何かありますか」
「魔法は無詠唱がいいと思います」
「そうですね、無詠唱だと、とっさに魔法を放つことが出来ますものね。この中で無詠唱で魔法を放てるのはティナさんだけでしたっけ。ティナさん無詠唱で魔法を放ってもらえますか」
先生に言われたので、前に出た。10mぐらい先に岩があったので、その岩に向かって走りながら弱めの火魔法を放った。
「こんな感じです。岩を魔獣に見立てて止まることなく、動きながら魔法を放ってみました」
「すごいですね、これなら魔獣の動きにも対応出来そうですね」
その後も、色々緊急時の対処法について話をした。
昼食の時間になったのでテントの所に戻って昼食をした。その後テントをたたんで後かたずけをして荷物を背負って迎えの馬車で学院に戻った。そして解散となった。




