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泡沫の恋の行方と花時計の思い  作者: @000ーooo


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2.スキル授けの儀式

 フラン王国では、5歳になるとスキル授けの儀式を受ける。平民は春になると誕生日が来ていなくても、その年に生まれた人はすべて1歳年をとることになっている。ちなみに貴族は誕生日を基準にしている。


 今日、ティナは朝早く起きて、支度をすると両親とともに教会に行った。


 教会に行くと、ジェフがすでに来ていた。ジェフの隣が空いていたのでそこに座った。その後次々と今年5歳になる子供たちがやってきた。みんな顔見知りで、いつも花時計のところで遊んでいるメンバーである。


 しばらくすると、神父さんが来て、祭壇の前の机の上に大きな水晶玉を置いた。そして、名前を呼ばれたらここにきて、この水晶玉に手を触れるよう言われた。


 名前を呼ばれて、次々と子供が水晶玉に手を当てていく。神父さんは子供たちにスキルを伝えているが、小さな声でその子だけに聞こえるように言っている。


 スキルをもらった子供が叫ばなければ何のスキルをもらったのかは分からない。しかし大抵の子供はうれしさのあまりもらったスキルを叫ぶので、どの子がどんなスキルをもらったかは丸わかりである。


 ジェフの番になった。ジェフは名前を呼ばれると前に出て、水晶玉に手を触れた。すると水晶玉が軽く光った。


 それを見た神父さんはジェフに

「あなたのスキルは、水魔法です」

と言った。


 それを聞いたジェフは

「俺水魔法だって」

と言って喜んだ。


 ジェフの家は商会を営んでいる。遠くの町や村へ行くこともあり、水魔法が使えると、旅の途中で、いつでも水が出せるので、携行する物が少なくて済む。


 水はとにかく重い。それに馬は体重が重い分人間の何倍も水を飲む。1頭の馬が1日に飲む水の量は約20リットルと言われている。


 このため、通常旅では決められたコースを決められたように回る。そこには適宜馬の水飲み場が確保されているのである。そうしないと水を携行する必要が出てくる。しかし水魔法が使えるとそのコースどおりに回らなくてもよくなる。選択枝が広がるのである。


 今度はティナの番である。ティナは名前を呼ばれると前に出て、水晶玉に手を触れた。すると水晶玉が軽く光った。


 それを見た神父さんはティナに

「あなたのスキルは、火魔法、そして匠のスキルがあります」

と言った。


「火魔法、やった。お父さん。私、火魔法だって」

思わず叫んでしまった。


「これで、お父さんと同じ鍛冶師になれる。そうすればずっとお父さんと一緒に居られる」そう思った。


 ティナは神父の言った「匠」という言葉を聞いていなかったのである。もっとも、5歳のティナには匠の意味が分かっていなかったのであるが。


 その後も、次々と子供たちが水晶玉に手を振れてい行く。そしてスキル与えの儀式が順調に進んでいく。ただ、もらったスキルは、ありふれたもののようで、勇者や聖女といった希少スキルは与えられなかったようである。


 このようにして全員のスキル授けが終わった。


 儀式が終わると、神父さんが明日から教会でもらったスキルの使い方の指導をしてくれることになった。


 家族のところに戻ると、父親が

「ティナは俺と同じ火魔法、明日から俺の見習いだな。将来は立派な鍛冶師になれよ。そして俺の跡を継いでくれ」

と言って、喜んでくれた。

「私、頑張る」

そう言って、ティナが答えた。


 母親が

「今日の夕食は奮発して美味しいごちそうにしましょうね」

と言ってくれた。


 教会からの帰り道は両親の間に入って両親の手をつないで帰った。もううれしくて仕方がなかった。

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