11.学院の入学試験に向けての勉強
最近は冒険者と鍛冶師の仕事でティナの懐事情も大分余裕が出てきた。学院の授業料は月金貨3枚とのことなので、これなら何とか納められそうである。
これまで、いまいちジェフのところでの授業に身の入らなかったティナであったが、工房の売り上げが増えたり、冒険者でも稼げることが分かったりしてからは、少しやる気が出てきた。
アデーレさんが
「最近ティナちゃんが、少し変わったように思うのですが、何というかやる気が出てきたというか」
「はい、以前はアデーレさんに授業を教わっても学院の入学試験で平民で15番以内に入らないと授業料免除の特典を受けられないと聞いて、高い授業料なんて払えないから、学院は試験に通っても入学は出来なと諦めていました。
しかし、最近は父の工房も注文が増えて、『学院の授業料月金貨3枚が払えるかもしれない』と父から言われたのでやる気が出てきました」
「そうなの、お父さんの工房も流行っているのね。学院の授業料が払えるのはいいことよね。
ティナさんの場合実技試験の火魔法だけでたぶん入学は出来るでしょうが、座学の方が壊滅的なので、たぶんDクラスかEクラスぐらいでCクラスは無理だと思っていました」
これからは、座学にも精を出すのだと誓いを新たにしてから、再度入学試験の科目の見てみた。国語、数学、魔法理論、外国語、地理、歴史、貴族の常識、法律、どれを見ても、中々にハードルは高そうである。
5年間ジェフと一緒に学んできたが、この5年間は学ぶことよりジェフとの時間を大切にしたいという気持ちの方が強く正直言ってあまりまじめな生徒ではなかった。その付けがここにいている。もうジェフとの差は歴然である。
しかし、そんなことを言ってもあと受験まで2年しかないのである。先ずできることからすることにした。
国語これは読み書きが出来れば一応は合格らしい。らしいというのはあくまでアデーレさんの言葉であるが、今はこれを信じることにした。国語については何とかなる。
次数学、これは計算がメインとのことなのでこれもできる。
次魔法理論、まったくわからない。アデーレさんの授業を聞いているが未だによくわからない。これについては山をかけて、当たった問題だけ解くことにした。
「アデーレさん。魔法理論は出そうな問題だけ、選んでもらえますか。全部を今から覚えるのは無理と思うので」
「そうね、ティナさんの場合はその方がいいかもしれないわね。わかったわ、後で今までの学院の試験で出たような問題をピックアップしておくわ。でも全く同じ問題は出ないから、覚えるのなら問題とその解き方を覚えないといけないわよ」
「わかりました」
次外国語、これは今までの授業でもついていけていたから何とかなるかな。
次地理、歴史、貴族の常識、法律、このあたりは暗記物のような科目なのでただ覚えるだけ、これについてもアデーレさんに過去問から問題を抽出してもらって、それをただ覚えることにした。
ティナは気づいていなかったが、魔獣を狩ってレベルアップすると能力が上乗せされる。これは魔法のレベルだけでなく、他の能力も同様にレベルアップするのであった。そのため、ティナの記憶力もかなりレベルアップしていたのである。
そのため、アデーレが過去問をピックアップして作った予想問題の問題と解放をティナはすぐに暗記してしまった。
そして、たまに行う小試験で、ティナは高得点を出すようになった。
「ティナちゃんもやればできるのね、先日の小試験はかなりいい点数だったわよ。また追加で覚える問題と解答を作っておくわね」
このようにして、ティナの場合、とにかく暗記力勝負ということになった。それに伴い、その暗記する内容をまとめるアデーレの責任も増してきたのであった。
「ティナちゃんて、ほんと暗記力はすごいのね。感心してしまうわ。この分だと2人ともCクラスに入れるかもしれないわ」
このようにしてティナとジェフの学院入学のための受験勉強は進んでいった。




