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異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


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第58話 動き出す保護者と高級魔獣毛のブランケット

「あれ? ゴンおじさん、まだ出かけてなかったの?」


「シーとクーが帰って来ないから、探しに行くって言ってたじゃん。帰ってきたの?」


『いや、まだ帰ってきていない』


『そうなの? じゃあ何でここにいるのさ』


『シーとクーが、お腹を空かせているかもしれんからな。食べ物を用意していたんだ。それとワシの回復魔法で治せないような、怪我や病気にかかっているかもしれないだろう? それ用の果物も用意していて、少々遅くなってしまった』


『そっか!』


『シーとクー、人間が多いところに遊びに行ってたけど、悪い人間に捕まってないと良いな』


『それにあそこには、いつも2匹をいじめる、嫌な魔獣たちがいるからね。捕まってなくてもいじめられて、それで怪我して動けなくなってるかも』


『ゴンおじさんは、どこから探すの?』


『シーとクーが動くところは、だいたい把握しているが。まぁ、まずは1番可能性が高い、人間のたくさん暮らしている方へ行ってみるつもりだ。かなり遠くからでも、ワシは気配を感じ取ることができるからな。それでもしも、人間の暮らしている壁の向こうから気配がしたら、なんと中へ入り、状況によってはすぐに助け出そう』


『おじさんは、自由に小さくなったり、大きくなったりできるから良いよね。僕もその魔法、使えたら良いのに』


『フッ、これはワシの得意とするところだからな』


『キー! フー!! どこにいるの!?』


『ん? お前たちの親か?』


『うん!! ママ、ここだよ!!』


『ゴンおじさんといる!!』


『どこなの!? 今日は、風で匂いが流されて嗅ぎにくいから、探しづらいのよね』


『ママ!!』


『ここ!!』


『おい!! 2匹なら、ワシのところに居るぞ!!』


『……!? 分かりました!! すぐに行きます!!』


 ドシドシ、ガサガサッ!!


『はぁ、やっと見つけたわ。今日は見つけづらいから、なるべく私の側にいるように言ってあったでしょう。まったく。明日のおやつはなしよ』


『ごめんなさい……』


『おやつなし……』


『ハハハ、親の言うことは聞かなければな。特にこういう日は』


『ゴンさん、ご迷惑をおかけしませんでしたか? 確かシーとクーを探しに行くと』


『大丈夫だ。ちょうど準備が終わったところでな。もしシーとクーに何があっても良いように、いろいろと用意していたんだ』


『シーとクーは無事でしょうか』


『今までは無事に帰ってきていたが、こればかりは探しに行ってみないことにはな。2匹にとって、害のない心優しい誰かと出会い、時間を忘れて過ごしているだけなら良いのだがな』


『そうですね』


『さて、準備も整ったし、ワシはシーとクーを探しに行く。お前たち、母の言うことをよく聞き、危険な真似をするんじゃないぞ。少しの間、ワシはここには帰れんからな。まぁ、面倒な者たちが、余計なちょっかいを出さないように、圧をかけておいたから、少しの間は大丈夫だろうが。母を泣かせるような事にならないように』


『うん!!』


『おれたち、静かにしてる!!』


『はぁ、本当かしらね』


『ハハハ、それじゃあ行ってくる』


『行ってらっしゃい、ゴンおじさん!!』


『行ってらっしゃい!!』


『お気をつけて』


『シー、クー、待っていろ。今ワシが探しに行くぞ……』




      ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆




『ここで寝るんだじょ。これはおいらのクッションで、ふわふわのもこもこで、ごろごろがとっても気持ち良いんだじょ。魔獣の毛で作ってもらったんだじょ。グルルのより気持ちいいんだじょ』


『わぁ、本当にふわふわ、もこもこだね』


『今のぼくたちもふわふわ。……ぼくたちも、これになっちゃう? この魔獣さんたち大丈夫だった? 怪我しなかった?』


『怪我はしないんだじょ。毛を切って使うんだじょ。でも、ヒトミが他のふわふわ、もこもこ持ってるから、シーとクーは切らなくて大丈夫なんだじょ。ヒトミ、シーとクーのあるんだじょ?』


「もちろん!! えちょ、らいら」


「はい!! こちらにご用意しております!!」


 ライラが私の前に出してきたのは、木の皮で編んであるカゴ2つ。それをモルーのカゴの隣に置いてもらって、次は私が、マジックバッグから、ブランケットみたいな物を2枚取り出し、そのカゴの中に敷いたよ。


 このブランケットみたいな物は、洞窟を出る時に魔獣たちから貰った、あの高級な毛で作ってもらった物なんだ。ママが、まずはこれが良いんじゃないかって、織物屋さんに頼んでくれて、5枚作ってもらったの。


 ただ5枚作っても、まだまだ毛はあるからね。今度何か必要なものができた時に、また作ってもらうんだ。


 今回は、多めにブランケットを作ってもらっておいて良かったよ。シー君とクー君用の、敷ブランケットとして使えるからね。モルーとグルルも使っているんだよ。


 私たちは今、夕飯が終わって、私たちの部屋の少しだけ案内した後、寝る準備をしているところ。


 案内については、詳しい案内は明日するけど、とりあえず小さい私たちが、触っちゃいけない物とか、グルルとモルーと私の、それぞれの私物だから、触って欲しくない物。


 それからもし夜、トイレに行きたくなったら、どこでトイレをすれば良いか、喉が渇いたら、この水を飲むと良いとか。そういう最低限の案内と、話をした感じかな。


『わぁ、気持ち良い!!』


『ぐっすりかも!! ぐっすり寝て大丈夫かな?』


『ゴンおじさんがいてくれる時は、ぐっすりだったんだ』


『でも、2匹の時は、交代で寝てたの』


『ここはぐっすり眠れるんだじょ。時々大きな音がする時もあるけど、グルルが大丈夫だから寝ろって、いつも言ってるんだじょ。グルル、一応強いから大丈夫なんだじょ』


 一応って、グルルはかなり強いでしょうに。


『そか!!』


『じゃあぐっすり!!』


「それでは皆様、お布団に入りましょう!!」


 私はベッドに、モルーたちはカゴに、それぞれ入り込む。


「それでは暗くしますね」


 セバスチャンさんとライラが、良いぐらいに灯りを調節してくれる。


 ふぅ、今日はいろいろなことがあり過ぎたな。なんて、パン作りから今までのことを回想する私。


 そんな私とは違い、いろいろあり過ぎて、まだテンションが高く、おしゃべりが止まらずに、当分寝ないんじゃないかと思われる、モルーとシー君とクー君。


 こうして回想しながら、モルーたちを見ていた私は、モルーたちよりも先に、寝落ちしたんだ、だけど、まさかすぐに、問題が起きるとは思っていなかったよ。

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