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異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


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第57話 ケリーさんの特製おもちゃとお片付け

 ケリーさんが作ってくれた物。それは、地球で売られている、ペット用のおもちゃ、それの上位版って感じの物で。


 まず、私の靴ではさすがに作れないということで、同じくらいの大きさのもこもこしたぬいぐるみや。魔獣の毛で作られた、ふわふわで投げて遊ぶボールのようなおもちゃ。


 それから羽飾りに、掃除の時に使うという、ファーのような手触りのボンボンみたいな物。何に使うんだろうね?


 と、こういった物を9個持ってきて、それに伸縮性の強い、ゴム紐のような物を取り付け。さらにゴム紐のもう片方には、木の棒を取り付けて。

 棒を振ると、紐がビヨンビヨンと伸び縮みし、取り付けた物が面白い動きをする、おもちゃを作ってくれたの。


 いや、ビヨンビヨンじゃないな。そっと棒を振るくらいなら、ビヨンビヨンだけど、少しでも早く振ると、ヒュンッ!! と勢いよく飛び。思い切り振れば、ビュッ!! と飛んで。下手をすると見逃すくらい、速く飛ぶんだ。


 これならおもちゃとしても遊べるし、速く飛ぶ物を見たり、追いかけたりする、訓練にも使えるだろうって、ケリーさん、その場で考えたらしいんだ。凄いよね、その場でだよ?


 最初は不思議そうに、ちょっとおっかなびっくり遊んでいたモルーたち。でも、慣れてくると、思い切り棒を振ってとか、方向が分からないように振ってとか、私に注文を付けてくるようになってね。


 そう、この辺から訓練みたいになってきて。段々と疲れてきてしまった私は、ライラの声に気を取られ、しかもしっかりと戻ってきたおもちゃを、キャッチも、避けることもできず。3つ分のおもちゃを、顔面にクリーンヒットさせることになっちゃったんだよ。


 もちろん飛ばしている物は、今言った通り、気持ちよく柔らかい物ばかりなんだけど。物凄い勢いであっちこっちに飛んでいるから、ぶつかった時の衝撃が……。だから倒れるわ、顔は痛いわ。すぐ治してもらえたから良かったよ。


『むー、難しいじょ。でも、訓練なんだじょ』


『ビュンビュン飛ぶのがしっかり見えるようになって、それから捕まえられるようになったら、ママの先っぽちょんも、見えるようになるかな?』


『ヒュンはちょっと見える。でもビュンはまだぜんぜん見えない』


「ほほほ、左様でございますね。これを捕まえられるようになられれば、見えるようになるかもしれません。ですが、奥様の『ちょん』は本当に速うございますから、すぐに見えずとも、がっかりなさいませんように。なにしろ、我ら使用人やメイドでも、捉えきれぬ者がたくさんおりますからね」


『見えない人間、いっぱいなんだじょ?』


「はい、そうなのですよ」


『じゃあ、僕たち頑張って訓練して、みんなより早く見えるようになろうよ!!』


『それが良いよ!! モルー、シー君、頑張ろうね!!』


『うんなんだじょ!!』


『頑張ろう!!』


 頑張ろうって、シー君とクー君は、これからどうなるか、まだ分からないんだよね。2人は私たちの家族になりたいって言ってくれているけど、国では保護対象。

 家族になりたいって言って、そう簡単になれるとは思えないし。私としては、家族になれたら嬉しいけど。


 ケリーさんにおもちゃを作ってもらって、妖精さんたちとも、次に遊ぶ約束をして、他にもいろいろ楽しいが増えた後に、さようならってなったら? シー君とクー君の、悲しむ姿を見たくないな。


 と、考えた時だった。パタパタッ! バタバタッ!! トントンッ!! と、勢いよく走って来たであろう音と、ドアが強くノックされ。セバスチャンさんが返事をすると、勢いよくライラが部屋に入ってきたよ。


「失礼します!! 替えのお洋服をお持ちしました!!」


「ライラ、静かにと言っているのに。まったく、後で私の部屋へ来なさい」


「あ……も、申し訳ございません!!」


 いやだから、『静かに』って、今言われたでしょう。そんな大きな声で。セバスチャンさん、表情はいつも通り穏やかだけど、逆にその穏やかさが怖いよ……。


 さて、洋服を持ってきてもらったけど、その前に片付けだ。自分たちが遊んだ物は、自分たちで片付ける。談笑室には、私たちのおもちゃを入れてある箱が3つ置いてあるから、今日はその箱にしまうことに。


 片付けの仕方は、モルーがシー君とクー君に教えるよ。片付けについては、シエラにマーゴお婆ちゃんに、ビシバシ教えられていたからね。グルルは、まぁ……。


『同じ物は、同じ所にしまうと良いんだじょ。そうすると、次に遊ぶときに、探す時間が短くなるんだじょ。あと大きさも、同じ大きさのものでまとめると良いんだじょ』


『いっぱい分けるんだね』


『ぼくたちのママも、片付け大事って言ってた。それでお片付けしないから、いつもパパたち怒られてたんだ』


『でも、こんなにいろいろ、お片付けしなかったよね』


『シエラとおばあちゃん、全部綺麗にお片付けしてたんだじょ。それで、おいらもお片付け習ったんだぞ。ヒトミもなんだじょ。グルルはいつも怒られてたんだじょ。パパと同じなんだじょ。お片付けすると周りが綺麗になるから、お片付けは大切なんだじょ』


『うん、そうだよね。綺麗な方がいいもんね』


『モルー、これはどこにお片付けするの?』


『棒がついてるから、長い物のところが良いんだじょ。この棒は……』


 はい。私もシエラとマーゴお婆ちゃんに、片付けを習いました。というかね、2人は形や大きさだけじゃなく、素材でも仕分けしてたし。そこまで? って思うほど、綺麗に整理整頓していたの。


 それで、洞窟での生活が慣れた頃に、適当に片付けたら、めちゃくちゃ怒られてね。それからモルーと一緒に、片付けを習うことになって。ここへ越してくる前に、やっと合格をもらったんだ。まさかこの世界に来て、片付けを習うことになるとは……。


「ヒトミ様も、モルー様も、素晴らしい方にお片付けをお教わりになったのですね。お片付けというものは簡単なようでいて、誰もがしっかりとできるわけではございません。そして、それができるということは、ご自身の身の回りのことをしっかりとできるということ。教えていただけて、本当にようございましたね」


「うん!!」


 シエラ、マーゴお婆ちゃん、ありがとう!!

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