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冒険者ギルドの公開情報 精霊郷編

本日2話目……というかギルド公開情報です。

 こちらは、賢者の塔冒険者ギルドにおいて、”精霊郷”へ挑戦する冒険者達への提供情報になります。


 ギルド職員の皆様は、”精霊郷”へと挑戦する冒険者の方に必ず配布するようにしてください。



~~精霊郷の概要~~


 精霊郷は、魔王”精霊王”が治める魔境で、世界12魔境に数えられています。



 通常の魔境と比べれば、危険度が非常に高く、また、冒険者としての依頼も殆どありませんので、よっぽどのことがなければ立ち入りを推奨していません。


 精霊郷は、各所に緩やかな時空のひずみが発生しており、そこを歩く者達の意志によって転移が発生します。また、それとは別に精霊王の意志によっても場所の移動を制限されます。


 仮に立ち入る場合は、以下のことを守ってください。


1、必ず、目的地を明確にイメージしておいてください。

2、必ず、出現する精霊達を倒さないでください。

3、できれば、明確に武器となる様な物品を持ち込まないでください。



~~必須物資~~

 基本的には自然豊かであり、その特性から食料採取は比較的容易です。また、気候も安定している場所が多いため、食料や水、テントの重要度は高くありません。

 環境の変化は激しいため、体温調整のため、衣服を複数種類用意しておくのが良いでしょう。

 おすすめする物は、お守りや聖印といったもの、おもちゃ、甘味などで、出会った精霊との交渉に使えるとされています。


~~敵性生物~~

 基本的に、精霊しかいない場所のため、明確な敵性生物はいませんが、精霊達は力比べや勘違いで襲ってくることもありますが、最初からこちらを殺しに来ることはありません。

 ただし、こちらが本気で精霊達を殺しにかかった場合は、相応の報いを受けることになります。


☆幼精霊 ランク オーク級

 精霊の中でも自我が幼く、力も相応に弱い精霊です。基本的には自然6属性と呼ばれる、”火””水””土””風””雷””氷”のどれかの属性を持つことが多く、好戦的ではあるものの、命までは取られないことが殆どです。

 また、オーク級とされているのは、物理攻撃が効かないことと、その幼さからこちらの要求が通りにくいことからであるため、使用する魔法の強さ自体もそれほど強力なわけではありません。ただし、彼らを殺す、或いは不必要に痛めつけた場合、精霊王の怒りを買うため、そもそも戦わない方法を模索するのが正解です。基本的には純粋な子どもであるため、遊びやお菓子で気を逸らしたり、真正面から危ないことを伝えて叱り飛ばしたりすると、何とかなることが多いです。

 また、自分よりも小さい生物に対しては、猫かわいがりするくらいで、攻撃に移らないことが知られています。


☆大精霊 ランク ヘルシックル級

 精霊の中でもしっかりとした自我を持っており、かなり強い力を持った精霊です。大精霊クラスだと、聖や邪、或いは精神や力の属性を持つ精霊だったり、いくつかの属性が複合した属性の精霊も存在します。基本的に敵対するものではありませんし、仮に殺したり無力化したすると、それこそ精霊王の逆鱗に触れるため、戦うこと自体が間違いです。

 基本的には精霊達に誠実な対応をすれば、敵対することはありません。

 また、彼らの信頼を得ることができれば、幼精霊達からの問題を回避するすべが与えられることでしょう。


☆精霊王 ランク フェンリル級

 生きとし生ける全ての精霊の願いの集まりであり、精霊王という一個の個体でもある存在です。ありとあらゆる願いが混ざり合い、溶け合った存在のため意志はかなり希薄で、普段は何もせずに亜空間を漂っているとも言われています。戦うどころか、出会う事すら困難なため、一般冒険者の皆さんは、くれぐれも一目見ようと精霊郷に足を踏み入れるのはお控えください。

 賢者様


~~属性について~~

 精霊郷では属性攻撃への対処を多くされることが予想されますので、一般的な12属性について解説と対処法を記載します。

 解説では、その生物が最も使用する、或いは最も得意な属性を優勢属性と記載します。


①基礎3属性

 最も基本的な3属性です。対処法は殆どが自分を強く持つなど対処が難しいことが知られています。

 一方で、ありふれた属性ではあるものの、使いこなそうとすると扱いがそれなりに難しいこともあり、警戒に値するほどの使い手は多くありません。


1 魔属性(活性属性) 全生物の3割程度がこの属性を優勢属性としています。基本的には魔素そのものを使用した魔法であり、魔素そのものを放つ゛魔力玉゛(マジックボール)を基本攻撃として、゛魔力活性゛(マナリジェネ)゛肉体活性゛(ビルドアップ)゛治癒向上゛(リジェネ)と言った回復や強化に特化した属性です。

 この属性に対しては特に警戒する必要はありませんが、敵が複数いる場合は、真っ先に無力化するべきだと言えるでしょう。

 なお、優勢属性は3割と述べましたが、そもそもレベルアップによる肉体強化は、この魔属性の魔素が関与していますので、誰であっても魔属性自体の使用は可能とされています。


2 精神属性 全生物の1割程度がこの属性を優勢属性としています。肉体的な損傷を与えることは出来ませんが、゛心身操作゛(マインドコントロール)゛恐怖関与゛(マインドホラー)゛英雄鼓舞゛(ライオンハート)など、精神に関わる魔法を使用できます。

 この属性の対処法は、自分を強く持つことで、効果を軽減できます。また、よほどの使い手ではない限り、大した影響を与えられないともされています。

 夢属性もこの精神属性の派生となります。


3 力属性(指向属性) 全生物の1割程度がこの属性を優勢属性としています。物質的な属性を持ちませんが、重さやエネルギーを操作することができます。基本的には元々ある石や木を投げつけるような使い方で使用されることが多いです。

 対処法は、物理的な攻撃が殆どですので、通常の戦闘での注意と殆ど関係ありません。ただし、本当に力属性を使いこなしている相手は、己の拳に力属性を付与して、より重い一撃をはなったり、゛超重力場゛(ブラックホール)といったありとあらゆる付近の物を圧縮させる魔法を使うので、そう言った場合は戦闘を避けるよう努力する方が建設的です。



②自然6属性

 見えにくい基本3属性と比べれば結果が分かりやすいため、魔法と言えば、と言った属性です。最も頻繁に対処する相手だと思われますので、しっかりと対策をしてください。


4 地属性 魔法として使う者が最も多い属性です。植物を操り、成長を促したり、土自体を操って土塊を飛ばしたりすることが多いです。

 物理的な攻撃力を持ち、守りも固く、狙った相手以外には被害を与えにくいこと。また、攻撃以外の使い方も出来る便利な属性なのですが、冒険者の皆様は、畑でよく使っている魔法だと油断される方が多いようです。

 もし、”大地震”などの魔法で埋まりたくないのならば、油断をしないようにしてください。

 地属性の使い手に出会った場合は、地面や周りの植物が不自然な動きをしていないか、常に注意しておく必要があります。


5 水属性 地属性属性と同じく、かなり魔法としての使い手が多い属性です。冒険者の皆様におきましても、習得している方が多く、冒険者や旅人に限れば、最も習得している属性と言っても過言ではありません。特徴は地属性と似ていて、物理的な攻撃力を持ち、狙った相手以外の被害も少なく出来ますが、攻撃力や守りの能力は地属性に比べれば低いものとなっています。

 水属性の使い手に出会った場合の死因の多くは窒息死です。”水球(ウォーターボール)”の魔法などで顔を覆われないよう、攻撃力が低いとはいえ、避けることを推奨します。また、水に濡れることで雷属性や氷属性での効果をより強く受けてしまうこともあるので、そう言った相手がいた場合はより注意が必要です。


6 火属性 一般的に魔法使いと言えば、と言われる属性です。攻撃力はかなり高いものの、周囲への影響や物理的な障壁能力が無いという欠点も持っています。

 一般的には雷属性の次に高い攻撃性能を持つとされていますので、耐熱処理をされている装備を使ったり、避けるなどで攻撃を受けることをなるべく避けるのが理想です。他の属性と比べれば、魔法の発動も解りやすいため、相手をよく見ていれば避けることはそれほど難しくないと思われます。

 ただし、延焼したものは放っておいても消えませんので、周囲に燃え広がる前に延焼を消すか、すぐに倒す必要があります。


7 風属性 使い手がそれほど多くない属性です。攻撃力はそれほど高くないものの、物理的な魔法を風で跳ね返したり、見えない刃で敵を攻撃したり、と回避されにくく、防御性能もそこそこ高いという特徴を持ちます。

 ただし、対処は簡単で、攻撃方向に盾などを構えれば基本的には防御が可能です。そのため、いち早く敵の居場所を見極めるようにして下さい。


8 雷属性 かなり使い手の少ない属性です。攻撃力と発動速度は速いものの、魔法での防御は基本できません。一応、物理攻撃に対して、周囲に雷を纏わせて防御する、と言った事をした魔法使いが居ましたが、5分ほど魔法を使った後、動けないほどの疲弊して結局敗北した、という記録があります。

 基本的には防御も反撃も難しい属性ですが、先の事例の通り燃費が悪いようですので、攻撃の間隙を縫って攻撃の隙を伺うのが良いでしょう。


9 氷属性 雷属性と同じく希少な属性です。氷、と記していますが、正確には冷気を操る魔法です。未熟な魔法であればそれほど脅威ではありませんが、使い手になれば非常に厄介な魔法になります。

 このタイプの魔法を使う相手に出会った場合は、常に火を灯して戦うか、冷気に凍らされる前に短期決戦を挑む必要があるでしょう。よほどの理由がない限り敵に回さないようにするのが賢明です。


③特殊3属性

 とても希少で珍しい属性です。関わることは少ないでしょうが、もし関わるとろくなことにならないのは必定です。


10 聖属性 ”死霊退散(ターンアンデッド)”や”浄化(クリーン)””再生(リペア)”など、不浄なものを浄化する聖なる力を持つ属性です。世界の法に従って世界を正す属性であるとされています。

 基本的に、この属性の魔法は一般的な種族の方々には問題がありませんので気にする必要は有りません。悪魔系や死霊系の種族の方は弱点となりますので、細心の注意を払ってください。


11 邪属性 そのおどろおどろしい属性名に関わらず、”錬金術(アルケミー)”などにも作用する属性です。聖属性との対立属性であり、死者に仮初の生を与えたり、呪いなどのが得意な属性です。

 邪属性は一般的に生物全般に大きな影響力を有します。ただし、体内の魔力を循環させ、身構えていれば影響を薄められることが知られているため、抵抗を諦めないことが重要です。


12 時属性 時間空間を操ることができる属性とされていますが、正直なところ被験者が少なすぎて属性の解析ができない状況となっています。数少ない使用者である賢者様曰く、「まともにこの属性を使える存在と相対したら、何はともあれ敵対せず逃げろ」とのことです。

 また、直接属性を操る存在はとても少ない属性ですが、利用はかなり前から試行錯誤をしており、転移門という形で実現しています。

精霊郷の公開情報は、かなり少ないものになります。というか、12魔境の内、半分くらいは情報がごくわずかになります。


なお内容と理由の一部


 【黒き茂みの森】 公開情報”浅層””中層””深層”及び各地域に対応した公開情報が存在。総合すると羊皮紙10枚程度

 土地自体が広く、それに見合った通行者がいること。魔王を除く最大脅威ならばマンティコラ級冒険者であれば対処できることが重なり、探索が進んでいる。


 【精霊郷】 羊皮紙にして1枚

  強制転移のせいで安定した探索ができない上、精霊自体も伝承等の変化や微妙な性質の違いで種族がかなり派生していること。また、精霊はその属性が見た目にかなり影響するため、属性の説明で済ませている。


 【賢者の塔】全体で羊皮紙5枚(ただし特定の魔物に関する記事が殆ど)

 一応要注意魔物くらいは公開されているのだが、賢者の意向で上級冒険者になるための修行場になっていることや、そもそもとある理由から危険度が非常に低いためにそれほど情報が必要とされていないので纏められていない。強さもフェンリル級が結構いるし。

 また、存在する魔物の数と種類が、12魔境”大農場”クラスで多く、厄介な性質の者も多いため、仮に本気で公開情報を作ろうとした場合、辞典クラスの書物になること請け合いだったり。 


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