巨大蛙とエルフさん
巨大蛙の口先から出た下半身がジタバタしている。
「生きてるみたいだな」
「クル〜」
俺とクロロはそれを遠くから見ていた。
まだジタバタしている。
抜け出せないようだな…どうしようか?
「あの魔物は[ジャイアントトード]か」
[ジャイアントトード]は大型トラックサイズのヒキガエルで毒は持っていない
武器はその大きな身体と伸びる舌、大きさの割には俊敏性がある脚力かな。
身体から取れる油が軟膏系の薬に使えるらしい…
「助けるか…クロロ、アイツは毒ないから腹を思いっきり蹴っていいよ」
「クルッ!」
俺の攻撃許可と同時に全力で走り出す、クロロはあっという間に間合いを詰め
ジャイアントトードの腹に飛び蹴りを食らわせる。
その飛び蹴りの強さに咥えていた人を吐き出して後によろけながらたたらを踏む。
「質量の差があるから吹き飛びはしないか…なら」
俺は毒魔法[キラーポイズン]を発動。
[キラーポイズン]は即時型の強毒を超濃縮してパチンコ玉サイズにした毒水玉を出す魔法。
ジャイアントトードの口が開いているので毒水玉を放り込む。
「ゲコぉ゙オーー…」
ジャイアントトードは激しい痙攣をし泡を吹いて倒れた。
どうやら倒せたようだな。
倒したジャイアントトードを回収する。
もちろん吐き出された人がいるのでアイテムリュックに入れるフリして[アイテムボックス]に入れる。
「げほっ!ごほっ!」
吐き出された人が咳き込んでいる。
どうやら無事だったようだ……ヨダレまみれだけど。
「うん?ひょっとして……エルフ?」
よく見ると耳が長い……肌が白くて一切のシミがない。
髪は黄緑で長い髪を後ろで大きく三つ編みにしている。
まつ毛は長くて切れ長の目のスレンダースタイルな美女エルフさんだった。
「エルフなんて初めて見たな…」
王都では1人も見なかった。
ひょっとして人間嫌いなのかな?露天商のダグさんに聞いておけばよかった。
「わ、私…助かった?矢の素材を取っててそれで……」
なるほどパクッと巨大蛙に食われたのか…
「えっ!?に、人間!?あなたが助けて………」
エルフさんが俺に気づいて何か話しかけてきたと思ったら…………
土下座した。
「???…えっと、その土下座はエルフの挨拶ですか?」
ヨダレまみれで土下座する意味を聞いてみる。
「ち、違うから!何かアナタの姿を見たら、こうしたくなったのよ!」
? 俺の姿を見たら土下座したくなった?
「懐かしいというか……魂がそうしろって感じなの!」
魂………ひょっとして俺の種族エデン種はエルフと何かしらの縁があるのか?
それをエルフは直感で感じたとかかな……?
うん、このままここにいたら面倒なことになりそうだな。
「えっと…とりあえず助けられてよかったです。これ、薬水ですので傷を治すのに飲んでください」
クロロに渡し、土下座中のヨダレまみれエルフさんの横に置いてもらう。
「で、では、さようなら。行こう!クロロ」
「クルル!」
早足で来た道を戻るように逃げる。
これからはエルフには関わらない方がよさそうだ。
土下座を解いたエルフさんが遠ざかる俺をじっと見ていることには気づかなかった。




