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湿地帯と蛙

「久しぶりの採取に出発だー!」

「クルル〜!」


今日は素材の補充と新しい素材探しの日帰り旅。

向かう場所は王都から南東にある湿地帯

徒歩では日帰りで行けない距離だが

俺には相棒の走竜クロロがいるので日帰り可能だ。

「たのむよクロロ」

「クル〜」

手綱を掴まなくても目的地を言うだけで向かってくれる安心なオートラン

本当にクロロは優秀な走竜だな。

朝早いのにチラホラと冒険者達が歩いているのが見て取れる。

彼らもこれから目的地へ行くのだろうか…

クロロは湿地帯に向かい一直線に進んで行った。


            ×


「ここら辺からが湿地帯かな?」

しばらく進んでいると

だんだんと土壌が泥っぽくなり、植生も変わってきている。

「あっ、沼が見える。あそこに行ってみようか」

「クル」

少し先に小さめな沼を見つけたので向かう

「蓮が咲いてる…綺麗だな」

小さめの沼には青い蓮が咲いていた。

スキルで検索をかけてみると…

「[ハスス[青]…香りがよくて香料などに使われているのか、少し採取していくか」

「クル」

クロロから降りようかと思ったら…クロロが沼に入って口で[ハスス[青]を摘んで俺に渡してくれる。

「ありがとう。なら、あともう少し頼めるかな?」

「クルル」

本当にいい子だよクロロ。

試しにハススの香りを嗅いでみると

爽やかで甘い香りがした。

「なるほど…いい香りだ。これなら香料になるはずだよ」

結構な数の[ハスス[青]を採取してもらい手に入れた。

「よし、少し進んでみようか」

「クルル」

小さめの沼を後にして先に進む。


「あそこは大きい沼だな」

水分で飽和した土壌を進むこと十数分。

その間にも湿地帯に自生する植物をいくつか採取していき…

大きな沼を見つけた。

「近づく前にアレをどうにかしないとダメかな」

沼には大型犬サイズのヒキガエル5匹が集まるようにいた。

戦いたくはないけれど、そうはいかないよな…どう見ても魔物だし。

「クル!」

「あ、蹴っちゃダメだよクロロ。あれは[ポイズントード]だからね」

走って蹴ろうとしたクロロを止める。

[ポイズントード]は全身毒まみれのヒキガエル、攻撃を受けたりすると受けた所からも毒を噴射するらしいので

接近して戦う者には厄介な魔物である。

「クル〜…」

クロロは残念そうだ。

「ここは俺がやるよ」

植物魔法[リーフスピア]を発動させる。

[リーフスピア]は植物の葉を巨大化と硬質化しさらに槍の形状に変化させ相手に飛ばして突き刺す魔法。

魔法により槍になった水草の葉群がポイズントード達を突き刺し絶命させていく

「ゲコッ!」

突き刺されている一匹のポイズントードが俺の仕業だと分かったようで

口から勢いよく毒の水弾を俺に向かい発射してきた ……のだが

毒の水弾は俺の少し手前でピタリと止まった。

「残念。毒は俺も得意なんだよ」

俺は毒魔法[ポイズンコントロール]を発動していた。

文字通りに毒を操る魔法。

「んっ?[ポイズントードの毒]って薬の素材になるのか」

スキルが勝手に教えてくれた。

どうやらごく少量ならば薬の素材として使えるようだ。

いまだに浮いている毒を容器に入れ保存。

倒したポイズントード達からも毒魔法で毒を回収。

「肉は食べられる?」

「クルクル」

クロロが首を振っている

どうやら肉は食べられないようなので回収は諦めた。

「では沼の素材探し再開だ」

「クル」

シャバシャバと沼に入るクロロは頼もしいな。

「何だ?あの桃色のヤツは…」

沼の中に生えている水草にゴルフボールくらいの桃色の玉がたくさん着いているのを見つけた。

クロロが口で摘んで渡してくれる。

「クルル」

「ありがとう。えっと……[アクピーチ]っていうのか」

[アクピーチ]は水中で育つ桃のようだ。

甘酸っぱくて香りが良く、薬水に使うと治癒力と軽い解毒の効能があるらしい。

ただし足が早く傷みやすいので保存が問題のようだ。

「保存は問題なしだから大量採取だ。これで薬水の新味が作れるぞ」

スキル[アイテムボックス]に入れておけば時間経過しないからな。

バッサバッサとクロロは[アクピーチ]を取っていく、なんか楽しんでいるようだ。

汚れを落として食べてみると、少し硬めの桃という感じだった。

クロロにも食べさせてみる。

「美味しい?」

「クルル!」

どうやら美味しいようだ。

薬水用だけでなくデザート用にも採取しておこう。


バシャーーーン


いきなり遠くの方で水柱が上がった。

「何だ?少し見に行ってみるか」

「クルル」

水柱が上がった方に進んで行くとその原因が分かった。

「水柱を上げたのはあの蛙かな?」

大型トラックサイズのヒキガエルが沼の岸に居座っている。

「え?何だあれ?」

「クル?」

その巨大ヒキガエルには1つ気になる点があった。

それは………


口の先から人の下半身が出ていた。











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