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影と夜猫

「少し…見させてもらう」


露店にきた人は何と言うか…気配が薄い感じの人だった。

俺と同じように黒いフード付きマントを目深に被り

服も上下とも黒い革製。

すべてが黒い人。

……たぶんだけど、裏の社会で働く人なのだろうな。

足音あまりしなかったし

普通の人なら聞こえていないと思うくらいの足音だった。

そんな黒フードの人は商品を見ながら何か考えているようだ。

「聞きたいのだが…明るくせずに暗闇を見やすくする魔導具はないか?」

やっぱり裏社会の人だよ……

でも何だろう?裏社会の人でも、この人は悪い人には思えないな……俺の種族的感がそう言ってる気がする。

とりあえず魔導具を見せてみるか

「こちらの[夜猫の瞳]はいかがでしょうか?」

懐から出すフリをしてアイテムボックスから取り出す。

[夜猫の瞳]という名前は俺がつけた。

以前倒して解体してもらったシャドータイガーの瞳から作った魔導具だ。

ネックレスの形をした魔導具で、加工したシャドータイガーの瞳をしなやかで丈夫な合金製の細いチェーンに取り付けている。

ピンポン玉サイズの加工されたシャドータイガーの瞳は宝石のタイガーアイに似て綺麗である。

「こちらはシャドータイガーの瞳から作り出した魔導具となります。こちらを使えば夜行性であるシャドータイガーと同じ視覚を得る事ができるのです」

俺も試してみたけど驚いた。

例えるならハッキリと見える暗視ゴーグルのようになる。

しかも光を見ても眩しくないのだ。

「し、シャドータイガーの視覚…?本当か?」

それは怪しむよね…ならば

「お試しになりますか?」

万が一の為に魔導具に丈夫なワイヤーを結んであるから盗まれないしね。

「…わかった。試させてもらう」

黒フードさんは[夜猫の瞳]を首にかけて魔力を通す……

「!? な、何だこれは…まるで緑に染まる昼間のようだ。これがシャドータイガーの夜の視覚なのか?しかも魔導具に使う魔力がこれ程少ないなんて……」

黒フードさんはあちこち見て驚いている。

驚くよねそれ…俺もあちこち見たしね。

「コレはいくらだ?」

「金貨30枚となります」

あまり買われたくはない魔導具なので、ふっかけるつもりで高めのお値段にした。

「買わせてもらおう」

黒フードさんは即決即金だった。

えっ!?安かったのかな?

「ありがとうございます。こちらはサービスの薬水の詰め合わせとなっております、昼間に妹が売っておりますので気に入ったらよろしくお願いいたします。」

昼間の露店の宣伝もかねての薬水詰め合わせも渡しておく。

「ありがとう…ではな」

「ありがとうございました」

黒フードさんは静かな足音で去っていった。

たぶん平気だとは思うけど…


悪い事には使われません様に……




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