兆候とクロロ
日が出るのとともに行動を開始。
俺は走竜、[赤い猪]の少年少女は徒歩で移動
走竜も疲れは無いようで快調なようだ。
日が昇りきる前に王都の西門の前まで到着していた。
「ありがとうございました、カエデさん。私達は冒険者ギルドに報告してきます」
「このお礼は必ず!」
バタバタと少年少女が西門を抜け走っていく
「おう、カエデ。無事帰ってきたか」
王国警備隊第4隊長のグレイさんが声をかけてきた。
「冒険者達が慌てて走って行ったが何かあったのか?」
[赤い猪]の少年少女が気になったのかグレイさんが聞いてきた。
ここは話しておいた方がいいよな…
「えっと…実はですね…」
昨日の事を話していく
話を聞くにつれてグレイさんは真剣に、側に立っていた兵士の人達は焦ったような表情になる。
「グル廃坑がダンジョン化している可能性とはな…よし!まずは騎士団長に報告!偵察兵も出せ!」
周りの兵士達が動き始める。
「すでに魔物の群れが外に出ているというのは嫌な兆候だ!冒険者ギルドとも情報共有する」
テキパキ動く兵士達とそれに指示を出すグレイさん
警備隊第4隊長の名は伊達ではないようだ。
「カエデも情報に感謝する。後は俺達に任せときな!」
「はい、よろしくお願いします」
ここはプロに任せておこう
俺は借りていた走竜を返すために騎獣屋に向かわないと…正直、名残惜しいけれど仕方ない。
騎獣屋に着く
「走竜を返しにきました」
「ご利用ありがとうございました。では走竜をこちらに……おや?」
店主が引き取ろうと手綱を引くが走竜は動こうとしない
「こら、こちらに来なさい」
「クルッ!」
店主の呼びかけに走竜はそっぽを向く
「これは…困りました。完全にお客様に懐いてしまわれたみたいですね」
「え?どういう事ですか?」
「走竜というのはですね。運命の主人に出会うとその主人以外の命令は聞かなくなってしまうのですよ」
つまりこの走竜は俺を運命の主人だと思ってくれているということか…
「 そうなの?」
「クルッ!」
力強い返事が返ってきた…コレは…仕方ないかな。
「分かりました。買い取りたいのですが、おいくらくらいになりますか?」
「! お買取りしてくださるのですか!ありがとうございます!私としましても走竜が運命の主人と出会えた事はとても喜ばしい事なのです。少しお安くしまして金貨30枚ほどでいかがでしょうか?」
き、金貨30枚か…
今の手持ちなら可能、それにこれから宝石とか金塊もお金に変えるしいいのか
何よりこのまま走竜と別れるのも悲しいしな。
「では金貨30枚です」
「ありがとうございます」
店主に金貨30枚を渡す……大金だよ。
走竜を飼う際の注意点を聞き
俺が飼い主だと証明する金属板を貰う
これで俺は正式に走竜の主人となった。
「これからよろしくな走竜……いや、[クロロ]よろしく!」
「クルル〜!」
走竜を[クロロ]と名付けた。
クロロは嬉しそうに喜びの舞を踊りだす
これから長い付き合いになりそうだ。




