帰り道の遭遇
「ただいまっと走竜」
「クルル!」
ロープを登り無事に遺跡を脱出。
走竜がよってきて頭を擦り付けてくる。
ここまで懐かれると名前を付けたくなるが、この子は借りているので我慢している。
「とりあえず街に戻りながら適当な所で休憩をとろうか」
「クルッ!」
ゆっくりと街に戻りながら色々な素材を採取していこう
林の中を軽快に走竜が走る。
その走竜の上で新たに見つけた素材を確認していく
[ジバの実]火をつけると大量の煙を発生させる。
[ナナヒの樹皮]火をつけると強烈な臭いを発生させる。
「この2つはもう合わせろといっているようなものだな」
スキルを使い調合する。
最近スキルを自然に使えるようになってきた
なんだか身体に馴染んできたような気がする。
「出来た[臭煙筒]だ」
先端に火を付けると臭いと煙を発生させる筒。
「目眩ましや逃げる際には役立ちそうだ」
「クルル」
走竜がすごいと言っている気がするな
かわいいヤツだよ。
次の採取物は…
[ガシンの蔓]強度の高い蔓植物。
[グインの蔓]柔軟性が高い蔓植物。
「コレを合わせれば…」
2つを合わせ[冒険縄]の出来上がり
ネーミングは微妙…おそらく冒険者が主に使うからそうなったのだろう
強度と柔軟性を兼ね備えるロープ。
「これも売れそうだな」
「ク〜ルル」
走竜も賛同してくれたので売れるであろう。
川辺で休憩中、走竜は川に入り魚を追っている。
その姿はなかなかに愛らしいな。
「走竜に何か装備は作れないかな?」
帰り道こそ用心しないと
万が一何かあったとしたら、たぶん俺は大丈夫だろうけど、走竜はそうはいかない
スキルに検索をかけてみると……
「あ…これなんていいかも」
面甲と脛当てを作ることにした
材料をアイテムボックスから取り出し調合開始
「そうだ、さっき採取した[プルダケ]も使ってみよう
[プルダケ]はぷるぷるした青色茸で、その身のほとんどが衝撃を吸収する液体成分なのだそうだ。
その成分をとりだし圧縮して固形化すれば…
ぷるぷるな衝撃吸収材となった。
まずは面甲を作る
面甲は馬とかが頭につける防具、走竜を見ながら形を作っていく……スキルのお陰でどう作ればいいのかわかるので楽々だ。
面甲の鼻先の部分に頑丈な金属で作った立派な角を付ける。
そして、面甲の裏に衝撃吸収材を付けて完成。
「なかなかにかっこいいな…次は脛当てだ」
こちらは衝撃吸収を重視にしようかな。
衝撃吸収材を厚めにして、装甲には小さな棘を多く取り付けて完成。
「 走竜〜ちょっと来てくれないか」
「クルッ」
呼べはちゃんと来てくれる…なんて賢いのだろう。
「これアナタの防具なんだけど付けてみていいかな?」
「クルル!」
どうやら付けてもいいらしいな。
面甲と脛当てを取り付ける
「よしよし、サイズぴったりだ。かっこいいな」
面甲と脛当てを付けただけで、どこかの騎士団の騎獣に見えてしまう
「クル…クル」
騎獣は頭を軽く振ったり、足をたしたしと動かし防具の具合を確かめたのかと思ったら…
いきなり走り出し木に頭突きした。
メキメキという音を立て木が縦に割れる。
更に走竜は走って違う木を脛あたりで蹴飛ばす
蹴飛ばされた木は中程から折れて上の部分が飛んでいった。
「クルル!クル〜!」
走竜が喜びの舞を踊っている。
どうやら気に入ってくれたようだ。
「よし!それじゃ、行こうか。今日は林を抜けたらそこで野宿だ」
上機嫌な走竜に乗り走りだす。
「出発!」
「クルル〜〜〜!」
×
林を抜け平原地帯まで出た。
っというか防具を装備した走竜は速かった。
細い木とか茂みにも怯まず防具を上手く使いズンズン突き進んで行くのだ。
お陰で予定より早く野宿地点に到着した。
「嬉しい誤算だ。ありがとう走竜」
「クルル〜」
わしわしと首を撫でると喜んでくれる。
「日が沈まないうちにテントをたて………ん?」
なんだ?南の方から人の気配が数人…それに…
「大量の魔物の気配!?」
10や20ではない、それ以上の魔物が人を追っている感じだ。
あまり関わりたくはないけれど知ってしまったのなら仕方なしか…
「予定変更!進路を南へ!数人の人が魔物の大群に追われてる!」
「クルッ!」
全速力で走り出す走竜、どんどんと南へと走る。
遠くの方に四人の人影が見えてくる。
あの人影見覚えが……!
「[赤い猪]の少年少女か!」




