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出発準備 その1

「遺跡に行くなら準備しないとな」


翌朝。

遺跡に行く為の準備をする事にした。

まずは宿の店主ベロアさんに明々後日から一週間ほど遠出することを伝えておく。

「そうですか、気おつけてくださいね。部屋ならいつでも空けておきますから」

追加の料金を払い部屋は確保しておいた。

「お姉ちゃん!帰ってくるよね!?」

足に縋りついて泣きそうなベルちゃんを撫でてあやす。

朝食を食べて次に向かうのは孤児院にいるテトくんとミハちゃんに会いに行く。

2人には王都内の素材採取をしてもらっているので、遺跡に行っている間の採取の方針を伝えるためだ。

「ここが孤児院か…」

お世辞でも立派とはいえない古びた二階建ての中世教会風な建物。

「あっ!姉ちゃん!」

「お姉ちゃん!」

孤児院から子供達が出てくる。その中にテトくんとミハちゃんがいた。

2人は俺に気がつき近づいてくる。

「おはようございます、テトくんとミハちゃん。少しお知らせしたいことがあるのですが」

テトくんとミハちゃんに遠出することの説明をする。

「姉ちゃんどこかにいっちゃうの!」

「もう会えないの!?」

2人も足に縋りつき今にも泣き出しそうな顔してこちらを見上げてくる。

テトくんとミハちゃんの頭を撫でて落ち着かせながら話しかける。

「帰ってきますよ…2人にはそれまでに乾燥させて欲しい草があるんですよ」

乾燥させると効能が変わる草がある。

[薬術]でも乾燥はできるのだが、天日干しの方が少し効能が上がるらしいのだ。

「こちらを天日干ししてもらえませんか?」

テトくんはある程度文字は読めるのでメモした紙を渡すし、草を入れる麻袋も渡しておく。

天日干しは手間がかかるのでその分お金を上乗せするつもりだ。

「うん、ミハハ草とクロネ草は覚えてるよ。任せて!」

「わたしもしってる〜」

2人は物覚えがほんとにいいし、しっかりしているよな、俺の小さい頃とは大違いだ。

「数は指定しませんから無理はしないでくださいね」

「うん!」

「まかせて〜!」

次はダグさんのいる中央広場に行く、今日もいつもの場所で露店をしているようだ。

「おやっ、カエデさん。今日は少し遅いのう、何かあったかの?」

「ええ、実は…」

遺跡の部分は避けて遠出をする事をダグさんに伝えた。

「おお、そうかい…気おつけて行くのだぞ。危険なのは魔物だけではないからの」

確かに賊とかにも注意しないとな。

「では準備がありますのでこれで…」

「またのう」

足を確保いないとな。

奇岩地帯は馬車では行けない、徒歩か騎獣で行くしかないらしい。

たぶんこの身体なら走ってでもいけるとは思うけど、用心として用意しておくことにした。

「俺、乗馬経験ないんだけど…」

だけどなんとかなりそうな気はするんだよな…

次に向かうのは騎獣屋だ。


西門近くの騎獣屋に来た。

広い範囲を柵で囲われ、その中に馬や走竜、走鳥などの騎獣が飼われている。

「熊…騎獣って熊もいるのか」

熊もいた。かなりの大きさだが平気なのか?

「いらっしゃいませ。どんな騎獣をお探しですか?」

ちょび髭が似合う痩せ気味の店主が話しかけてきた。

「明後日に荒れ地の方に向かいたいのですが、どの騎獣にしたらいいでしょうか?」

「荒れ地にですか。でしたら馬ではなく走竜か走鳥ですね。こちらです」

ちょび髭店主に案内された柵の中には走竜が元気よく走っていたり、のんびり昼寝していたりと様々な様子である。

走竜は一言で言うなら恐竜のラプトルだ。鱗の色が赤や黄色や緑がいてとてもカラフル。

走竜の隣りの柵には走鳥がいる。

走鳥はダチョウを二回りくらい大きくしたような鳥だな。

「荒れ地の安定性なら走竜、安定性は落ちますが速度なら走鳥になりますね。どちらも貸賃金貨3枚になります」

安定性の走竜か速度の走鳥か…悩むな。

両方の柵の境い目で見渡しながら悩んでいると

近くにいた走竜と走鳥が俺の方に歩いてくる。

「な、なんだ?」

走竜と走鳥が俺の匂いを嗅ぐような仕草をして…

一斉に顔を擦り付けてきた。

走竜はすべすべした生暖かい石のような感触。

走鳥は柔らかいたわしだ。

「これは珍しい!初めてでこの子達がここまでなつくなんて!」

なるほど懐いているのか……何故?

懐いてくる中でも特に黒い鱗の走竜がしつこい、ぐりぐりと顔を押しつけてくる。

「その走竜が懐くとはとても珍しいですね。その子は闇竜の血を引く走竜でして走力も持久力もトップクラスなのですが、人を選ぶ気難しい性格でしてね」

走竜の中でも闇竜系の走竜はとても優秀らしいな。

ここまで懐かれているならこの走竜をレンタルしようか。

「この走竜を明後日の朝から借りたいのですが」

「明後日ですね、わかりました。では金貨3枚頂戴いたします」

金貨を払う。

代わりに木札を受取った。

「もし走竜を見失ってもご安心ください。この子達には帰巣本能がありますのでここに戻って来ますから」

帰巣本能って…鳩みたいだな。

「では明後日にお願いします」

「はい、準備しておきますよ」

騎獣屋を後にする。


その後は西門に魔導ライトを届けたり、雑貨屋で遠出に必要な物などを購入したりし、その日を終えた。







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遠出の下準備で心配されると人とのつながりを感じられますね
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