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ヘルル廃坑

早朝に宿を出て西城門から伸びる道を進む。

しばらく歩くと西門からの道は北と南に分かれていくが、まっすぐ進む未舗装の道もある。

未舗装の道を進むと、辛うじて馬車の轍跡のある道になり、周りの景色は岩場へと変わっていく。

「あそこがヘルル廃坑か…」

まるで中世風オープンワールドゲームでよく見る廃坑そのままだった。

放置され古びた樽に木箱、錆びついたつるはしにシャベル、その奥に木材で補強された坑道の入口が存在している。

「リアルで見ると感動するな」

少し風流というか情緒を感じてしまう…

「おっ、さっそく屑鉄鉱石の山を発見」

古びた樽や木箱の後ろの方に瓦礫が山のように積まれている場所がある。

コレが屑鉄鉱石のようだ。

「俺には宝の山だな」

とりあえず山の三分の一ほどをアイテムボックスの中に入れておく。

「どれくらいの鉄の量になるかな?」

他にも古びたつるはしやシャベルも回収。これもリサイクルできる。

「む…坑道に入りたいけど嫌な感じがびしびしくる。これ魔物の気配だよな」

いくらこの体の身体能力が高くても自分から進んで接近戦闘する気はまったくない、ただの商社マンだった俺にはそんな度胸はないのだ。

「なら、とる手は一つだな…」

なんとなく魔物のいる場所はわかるので、そこに魔法を放つだけ

「ポイズンミスト」

[ポイズンミスト]は毒の霧を出す魔法。

毒の霧を気配のする場所まで送り込み、待つことにする。

数分後……

「…うん、気配がしなくなったな」

嫌な感じがなくなったので魔導ライトを手にして坑道に入ることにする。

「ジメジメする」

水滴が滴り落ちる坑道内の湿度は高めで、高さは身重ぎりぎりで頭が天井に当たりそうだ。

「ん、あの茸…」

少し先に魔導ライトの光に照らされた茸のようなものが見える。

「これがイリスさんがいっていた。ミルクダケか」

見た目は白い椎茸、匂いはなく手触りつるつる。

生でも食べられるようなので持ってきた水で洗い、少し食べてみると…

「……砂糖を入れたすこし甘い牛乳のような味だな。悪くない」

なんとも不思議な茸だ。

これは見つけ次第に採取していこう。

坑道を進む、まだ鉱石らしき物はない。もっと奥に進まないと駄目なようだ。

「あ…」

魔物の死骸がある。魔法で倒したヤツだろう、小型犬サイズの蜘蛛型の魔物のようだ。

「これも回収っと…あれ?壁が少し光ってる?」

坑道の壁が少し青く淡い光を放っている。

「ユラ石…ダグさんが言っていた石だな」

ユラ石は少しの光でも蓄光して淡く発光する性質を持つ石らしい。

アイテムボックスから昨日買っておいたつるはしを取り出す。

「よっ!」

カァン!カァン!とつるはしを叩き込む。

身体能力のおかげかまるで重さを感じない。

「…某狩りゲーをプレイしていた時を思いだすな。狩猟そっちのけでピッケルばかり振るってたっけ」

しかし、石ころばかりが出る

「これがリアルか…」

少しばかりのユラ石を採掘、形の良い石ころも回収しておこう。

「奥までいってみるか」

この際なので奥まで行ってみることにした。

その途中で鉄鉱石の採掘とミルクダケを採取する。

毒にやられた魔物も数匹回収。

歩くことしばし…

「ここが奥かな」

奥の突き当たりは歪な円形のように広がり、使い古されたつるはしやロープ、木組みの土台に丸太なども置かれていた。

「少しは鉄鉱石があるな…ユラ石は無しか」

鉄鉱石は採掘する。

鉄鉱石、石ころ、石ころ、石ころ、鉄鉱石、石ころ、石ころ…

「これじゃあ採算合わないよな……んっ?」

また嫌な感じがする…しかも壁の向こうから感じる。

「この奥に魔物がいるのか?ということはこの向こうに空間があるという事か」

魔物はこちらに気づいていない、気づかれたら遅い…

ならば先手必勝である。

貫通力のある魔法。

「ポイズンブラスター」

魔物に向けた手のひらから超高水圧の毒を放射する。

放射された毒は壁を貫通し魔物に直撃したようだ。

「…よし、嫌な感じは消えたな」

空いた穴に魔導ライトの光を差し込んでみる。

「あるな空間が…壁の厚さは30cmくらいか」

魔法を使うと崩落しかねないので掘ることにする。


掘ること10分…


つるはしは駄目になってしまったが、人一人通れる穴を開通成功。

「予備のつるはしを買っといてよかった」

つるはし2号を取り出して、空いた穴にはいる。

「おお〜、これは!」

広い空間内に一本太い紫色の水晶柱が突き立ち、魔導ライトの光を浴び光輝いている。

その水晶柱の前に一体の大きな芋虫が横たわっていた。

「芋虫…というかゲームでいうワー厶とかいうやつか?」

目はなく大口で鋭い歯がびっしり生えている。

見たくないのでとにかく回収。

「紫色の水晶柱…[魔晶]の水晶柱か魔石の代わりになる材料の一つがこんなところにあるなんてな」

スキル[魔導学[極]を検索して[魔晶]と判明。

これ一つでは意味はないけどあと2つ材料が揃えば魔石の代わりになる物が作れる。

[魔晶]の水晶柱ごと全部アイテムボックスに入れた。

「廃坑まで来たかいがあったな」

他にも何かないかと周囲を見回すが、特に何も見当たらないので廃坑を出ることにする。


「帰りながらミルクダケ味の薬水を作るか…」


こうして初の廃坑の素材採取を終えた。









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― 新着の感想 ―
鉱山ならではのお宝水晶の大物、やったぜ。
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