閑話 王国警備隊第4隊長
オレはグレイ。
農家の1人息子として生まれた。
幼い頃に王国を守る兵士に憧れ、厳しい鍛錬の末に王国警備隊第4隊長になった。
「おう、お前ら何も問題はないな?」
オレ達、第4警備隊は西の城門城壁警備が仕事だ。
「何も問題ありません!」
「あれ?何か隊長機嫌よくないですか?」
真面目なリクとお調子者のヘクトに声を掛ける。
「おっ、わかるか?実はいい買い……」
と言いかけた時…
「グレイ隊長!マイヤー商店に[夜鼠]がでました!」
「! わかった、リクはこのまま城門警備だ。ヘクトとユウは来い」
ヘクトと報告にきたユウと共に走り出す。
[夜鼠]というのは最近出没している盗賊だ。
やっかいな隠密系のスキルを持っており警備隊も手を焼いている。
「ひょっとしたら早速コイツが役立つかもな」
オレは[魔導ライト]を握りしめ現場に向かう。
「ここらで気配を感じなくなったか」
「はい、私のスキル[探知]で捉えていた気配がこの辺りで全くしなくなりました」
スキル[探知]を持つトールが夜鼠の気配を追ってきたのは路地の多い商業区の南。
「本当にやっかいスね…スキル[夜潜み]って」
夜鼠の使うスキル[夜潜み]は夜にしか使うことのできないスキル。
しかし、発動すると夜に溶け込み気配を消すやっかいなスキルだ。
盗賊にはもっとも適したスキルとも言える。
「少し試してみたい事がある」
オレは[魔導ライト]を起動させた。
緑の光が闇夜を照らす。
「うおっ!なんスかそれ!?」
「す、凄い!ま、魔導具ですか!?」
前方を明るく照らす光に部下達が驚く。
「ああ、[魔導ライト]っていう魔導具だ」
「ま、魔導ライト?…聞いたことありません」
オレは魔導ライトを商業区の路地に照らしていく。
そして二本目の路地を照らした時だった…
「ぐっ!眩しっ!な、何だ!?[夜潜み]が解ける!夜に潜れねぇ!」
強烈な緑の光に照らされ全身黒ずくめの[夜鼠]が姿を現す。
「ヘクト!ユウ!捕らえろ!」
オレの合図と共に2人が確保に向かう。
「らぁ!」
ヘクトが夜鼠に体当たりをして倒し、ユウが両手を押さえつける。
「くそっ!離せ!何でスキルが発動しねぇ!」
「観念しな。触られた状態じゃ[夜潜み]は発動できねえだろ」
夜鼠をロープできつく巻き連行する。
「すごいっスね。その魔導ライトってヤツ」
ヘクトが今でも夜鼠を照らす魔導ライトを興味深げに見ている。
「ああ、想像以上だ。これさえあれば警備の負担を減らせるな」
「夜の警備にすごく役に立たっスね」
これはいい買い物をしたな、モミジには感謝しないとな。
「どこで買ったんスか?俺も欲しいっス」
「後で教えてやるよ、今は夜鼠の連行に集中しろ」
集中しろとはいいながら考えてしまう…
「早くリーシャにプレゼントを渡したいな」
露店でかったプレゼントを貰って喜ぶ妻の顔が浮かぶ。
「今日は早めに帰るか…」




