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夜の露店

「なんか…ちょっとしたイルミネーションみたいだな」


夜の中央広場は露天商がつけるランプの光と魔導式ランプの緑色の光でイルミネーションのようになっていた。

「あきらかに露天商の人数は少ないよな」

昼の五分の一くらいの露天商の人数で、いつも満席な中央の噴水辺りも空いている。

「…いつもの場所でいいか」

いつもの場所で露店準備を始める。

「とりあえず男の姿になっておこう」

周囲を確認し男性[モミジ]の姿になっておく、夜にカエデの姿では余計なイベントが起きかねない

「今日から朝の露店はカエデ、夜の露店はモミジでいこう」

露店の灯りとして作った魔導式ランプを置き

商品を並べていく、並べるの魔導具を中心にする。

「さて夜の露店の開店だ」

行き交う人はまばらでその人達の目的地の大半は酒場とかだろう。

「きたらラッキーくらいに思った方がいいのかも」

市場で買ったリゴナを食べて待つことにする。

「ん…酸味が強い林檎だな。でも悪くない」

これならきっといい薬水ができそうだ。

リゴナを食べ終えた時だった…

「夜では初めて見る露店だな」

1人の兵士が露店の前に来ていた。

背が高く鎧の上からでもわかる筋肉質で体格が良い、兜から覗く髪は栗毛でナイスガイという感じの顔立ち。

「あー、すまん警戒させたか、警備として初めての露店には立ち寄るようにしていてな」

警備の一環のようだ。

「オレは王国警備隊第4隊長のグレイだ。よろしくな」

気さくな感じの警備隊長さんだな。

「露天商のモミジです。数日前に王都に来たばかりです」

「お〜…そうだったか、王都で商売してくれてありがとよ」

気さくだけどさり気なく俺の様子や姿格好を見ている。

兵士としては真面目なようだ。

「ん、魔導具を売っているのか…コレはなんだ?」

グレイさんが手に取ったのは[懐中魔力灯]改めて[魔導ライト]だった。

[懐中魔力灯]では名前が言いにくいし長すぎるので改名することにした。

「それは[魔導ライト]です。金属の突起に触れると灯りがつきますよ」

「魔導ライト?聞いたことないな、金属の突起はこれか?…うおっ!な、なんだ!?この光は!」

[魔導ライト]から照射された光が俺の背後の壁を照らす。

「グレイさん、よかったら中央広場の噴水に向けてみてください」

「あ、ああ……凄いな!光が噴水を照らしてるぞ!噴水がここからでも見えるようになるとは!」

グレイさん興奮してあちこち照らし始める。

照らされた露天商たちが眩しがっているからやめた方がいいですよ。

「これはいいな、魔導式ランプとは違い遠くまで照らせるとは…魔法の照明でもここまでの範囲はないぞ」

[魔導ライト]を消してまじまじ見ている。

気に入ってくれた様子だ。

ここでもう一押し…

「そちらの動力源は[魔石[極小]となります。連続点灯時間は8時間以上となりまして、魔石の交換も自分で替えられるよう設計しております」

「何っ!魔石[極小]で8時間以上も保つのか!魔導式ランプは魔石[小]で5時間程度だぞ!しかも自分で替えられるとは…」

グレイさんが黙ってしまった…どうした?

「た、高いよな?」

なるほどお値段か

「金貨5枚となります」

「安い!くれ!」

えっ?安い…金貨5枚だぞ日本円で五万円なのに。

グレイさんお買い上げです。

魔石の交換方法も教えておく。

「しかし何故こんなにも安いんだ?魔導式ランプだって金貨10枚はするんだぞ」

市場調査不足だったな…魔導具店に行った時に調べるの忘れてたよ。

「ええっと、それは俺が作っていますし人も雇っていませんから、その分がお安くなっているんです」

ということにしておくか…

「なるほどモミジは魔導具師だったのか、しかしここまでの物を作るとはかなりの腕前なんだな」

魔導具師ではありませんがね。

グレイさんは並べられた商品を見ていく…

「これは金属の筒のようだが…保温ボトルとはなんだ?」

「そのままの意味ですね。温かい飲み物を温かいまま保温してくれるんです。それも動力源は[魔石[極小]を使っていますよ」

再度、魔導具店に買い足しに行った時に買った[火魔石[極小]を使って作った魔導具だ。

「それはいい!ということは妻の作ったスープを温かいまま堪能できるということか!?」

「そうなりますね。金貨4枚になりますがいかがでしょうか?」

グレイさんは妻帯者のようだ。

「買った!」

まいどあり。

ちゃんと使い方も説明する。…あれも売り込んでみるか。

「奥様にこちらの香り石鹸に香り洗髪剤と食器用洗剤などはいかがですか?きっと喜ばれますよ」

「喜ぶ……よし!買うぞ」

またまたまいどありです。

「くっ!他にも気になる物もあるが警備にいかなくては、また来るからなモミジ!」

「お待ちしております」

ご機嫌に警備に向かうグレイさん。

「あ〜…安かったか、どうしようかな?」

このまま[魔導ライト]を安いままにして、コレを目当てにきた客を狙うのも手かな。

「市場調査はちゃんとしないとな〜」

売れたのはよかったけれど少し反省した夜の露店であった。


            ×


「新鮮な食材が欲しいなら朝市にいかないと手に入りませんよ」

宿に帰りベロアさんに市場でのことを話すとそういった答えが返ってきた。

「朝市ですか」

「そうですよ。朝市なら新鮮な食材がたくさんありますからいってみたらどうですか?」

なるほど…そうだよな。日本と比べて保存技術が格段に低いんだもんな。

新鮮な食材が欲しいときは朝市と学んで、今日の1日を終えた。






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― 新着の感想 ―
ううむ、市場調査大事。 そしてやはり保存とか基本そのままっぽい世界では新鮮な物は早いうちなんですねえ
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