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そんなわけで気絶したイセカイジンをそのままに、やってきましたマグマの側!
あ、イセカイジンの介抱はイツキがやってくれるそうです。マグマの側には寄れないし、一応元保護者だからだって。現保護者の赤龍様はほっといていいと言っているが結構放任主義なのかな?
『緑龍と違って私は好きで契約したのではないわ』
「ほぇ?」
『黒竜は異世界人を監視しているみたいなのよね。で、一応死なないように対処しているみたいであの子も死にそうだったところを私の領域に送りつけてきたのよ。まあ存在許可のない異世界人が死のうが本来どうでもいいのだけど彼らの魂は許可がないからこそこの世界に穴を開けかねない。今の世界にそれは致命的でしょう?』
「父様が塞いだような穴がいっぱい開くってことですか?」
『あの規模の穴は稀だから安心なさい。でも世界樹の成長を誘導できるあなた達がいないからね、本来世界樹の成長で塞げるはずの穴もそのままだし。数が増えたら効果は同じでしょう?』
「つまり、死ななきゃそれでいいから契約して縛ったと?」
『そう捉えてくれていいわよ。私は緑龍と違ってに異物に対する慈愛の精神なんてないもの』
ちなみにこの会話、マグマの側でしています。あっついです。
ていうか本当に火山地帯に送りつけたんだね。黒龍様ったらうっかり屋さん。
『前回は自分に対して気温の調節が出来る程度までの火属性魔法を扱えるようになったんだったわね』
「はい、まだ属性としては会得していませんが感じることは出来ますし小さい火くらいは扱えます」
『なるほど、器がいっぱいで会得できなかったクチね。あなたは水と相性が良いから火は会得できても一番最後だと思っていたけど』
「緑龍様が言うには温度操作と相性が良いせいじゃないかって」
『温度?』
「水と風で氷になったりします」
『ああ、なるほど。あなたはマイナスの火属性と相性が良いのね。なら火属性を会得したら絶対零度の領域を操れるかもしれないわよ?』
「絶対零度?」
『みていなさい』
そう言って赤龍様が息を吸い、マグマに向かって真っ白なブレスを吐いた。
ピキッ、ピキッと音を立ててマグマが一瞬で凍りつき始める。待て待て、マグマってマグマだよ!?
『これが絶対零度よ。まあここまで効果が出せるのは私だからだけど』
ちょんっと赤龍様がマグマだった氷を触るとパリィィンときれいな音を立てて氷が砕け散り、やがてしたかわ再びマグマが溢れだしてきた。お、恐ろしい。
『今回の課題はこれが出来るようになってね?』
「はぃ?」
『マグマを凍らせろとは言わないわ、でもそうね……そこの岩、あれを凍らせて砕きなさい』
「いやいやいや」
『確認は簡単、水や風の氷じゃ砕けないけど絶対零度、つまり火属性で凍らせたら砕けるわ』
待って、お願いだから待って!
『待・た・な・い』
にっこり笑ってバッサリ切られた。なぜ神竜様は皆スパルタなのか……。
赤龍さまが指定した岩はマグマほどではないが周囲の熱で温められていてとても熱い。生半可な術では効果はないだろう。やるなら一気に全力で……。
周りの火属性の魔力を感じ取り、練り込んだ魔力を渡しつつ目の前の岩が砕け散るイメージを送る。これが水ならちょっとの魔力やイメージで済むんだけどまだ会得していない属性の精霊に頼むのはとても難しい。イメージにブレが生じるし全部の魔力をわたしても足りるかどうか。
全ての魔力をわたしきり、一斉にサラマンダーが動き出すのを感じながら呪文を唱える。
「『砕け』」
結果は惨敗。凍るイメージで唱えたのに現れた現象は岩に渦巻く炎、しかも岩はノーダメージ。僕は魔力切れでダウン。赤龍様にイツキの元へ運ばれました。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないー。あついー、魔力切れで温度調整が出来ないー」
「取りあえず水で濡らしてって湯気立ってるぞ!?」
「ぅぅ、ウンディーネ、シルフ、悪いけど後払いで僕の毛を凍らせてぇぇ」
『この環境で他の精霊が凍らせるのは大変よ?頼むならサラマンダーになさいな』
「属性持ってないんですもんー」
『仕方ないわねぇ』
あ、急に涼しくなった。周りを見るとサラマンダーはいるがなんていうか、今までハッスルしていたのが急に大人しくなった感じ?僕からちょっと離れた奴はハッスルハッスルと動き回っているんだけど、僕のそばに来るとピタッととまってショボーン、どよ~んって感じで膝抱えてる。なんかものすごく罪悪感感じる!
『あなたの周りの温度を私が強制的に下げてるからね、あなた自身の術だとサラマンダーが協力的になるから元気なのだけど』
あ、つまり僕の近くに来るとおとなしくしなさいってお母さんに怒られちゃう感じですか。そりゃ落ち込んだ感じになるわ。
「なんかすげえ親近感湧くな」
「膝抱えてしょんぼりしている精霊とか可愛い」
「君ら見えてるの?」
「「いや、ぜんぜん」」
だよねー。




