↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約者の幼馴染に冤罪をかけられました  作者: 影茸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/21

第七話

「……な!」


 想像もしていないことだったのか、さすがのリディアが声を上げる。

 しかし、もう遅かった。


 どんどんと衛兵達が部屋の中に集まってくる。


「待ってください、マイク様! さすがにこれは……」


「うるさい! 黙っておれ!」


 しかし、血走った目のマイクが止まることはなかった。

 集まってきた衛兵達へと叫ぶ。


「どうなってもかまわん! この女を捕らえろ!」


 瞬間、衛兵達の間にどよめきが走る。


「へ! やったぜ!」


「好きにしていいのか!」


 ……相変わらずのその態度に、私は思わずため息をつきたくなる。


 衛兵とはとても言いたくない態度の人間達だが、それも仕方ないだろう。

 何せ、ここに雇われているのは、ほぼチンピラ同然の素人達なのだから。

 何千回、何万回と衛兵を変えろと言い続けてきたのだが、最後の最後までマイクは私の忠告を聞くことはなかったらしい。


 唯一、まともなのは青白い顔で私の前に立つ衛兵長くらいか。

 ……彼だけが、先代からの人間だったか。


「そもそも、何が衛兵なのか。ただの私兵だろうに」


 そういいながら、私はどうするべきか悩む。

 目の前にいる衛兵達は精々二十もいかないくらい。

 簡単に制圧できる。

 何度、この衛兵達に報いを味わわせてやりたいと思ったか、数え切れない。


 ただ、今は早く自分の主のもとに帰りたかった。


 故に、私は一番簡単かつすぐに終わる方法を採ることにした。


「来い。サリサ」


 近衛騎士、暁のサリサ。

 それは近衛騎士に個別につけられる名前ではない。

 代々、受け継がれていく名前になる。


 ただ、実のところ受け継がれているのは名前ではなく。


 ──暁のサリサという名の魔剣だった。


「……え?」


 私の手元に突然現れた剣に対し、唖然とした人間の声が聞こえる。

 それもそうだろう。

 この魔剣は古代に失われた魔術によって鍛えられた武装。


 この王国の辺境に面する影の森の魔獣さえ切り裂く、まさしく魔法の剣だ。

 この場にいる人間のほとんどが、目にするのも初めてだろう。


 ……魔剣の存在を知るよしもない人間達は今、鞘に入った状態の暁のサリサに目を奪われていた。


 その剣の柄を、私は軽く握る。

 そして私はその剣を。


 ──契約者が気に入らなければ殺す、魔性の剣を鞘から引き抜いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。