第二十話 (侯爵家当主視点)
申し訳ありません!
前話と同じ話を投稿しており、すぐに修正しました!
私の言葉を聞いて、走っていく。
使用人。
その背中を見ながら、私は小さく呟いた。
「陛下は何を考えている?」
簒奪王シウーダは、間違いなくサーシリアを気にかけている。
その姿を見ながら、いや見たからこそ私の頭の中にはよみがえる光景が有る。
……それは血だらけになりながら、魔獣を引きつけるサーシリアの姿だった。
援軍にきた当初、サーシリアはまだ暁のサリサに選ばれて時間も経っていなかった。
そんなサーシリアが一人で魔獣達を引きつけられた理由は一つ。
すなわち、暁のサリサの能力が敵の生命力を吸うという生存に特化した能力だからだ。
……ただ、影の森の魔獣はその異能があってもなお、荷が重い敵だった。
何せ、数百を越える魔獣相手にサーシリアは一人で時間を稼いでいたのだから。
その時のサーシリアはまだ騎士になって一切時間が経っていない時だったのにだ。
……それでも、サーシリアは時間を稼ぎきった。
見るに堪えないような姿で、それでも必死にあがいて。
魔剣の力で、もうサーシリアの身体には一切傷は残っていない。
けれど、あの姿を思い出す度に私は思う。
……簒奪王はどういう人間なのかと。
──婚約破棄に協力はいりません。代わりに、新しい陛下に忠誠を。
一途に慕うサーシリアを残虐に地獄に落とす人間なのか。
──陛下は優しい方です。
……それとも、サーシリアが言うような人間なのか。
私には簒奪王という人間は理解できない。
ただ、私には一つ決めていることがあった。
確かに、簒奪王には侯爵領を助けてもらった恩がある。
その恩は返そう。
けれど、侯爵家において真の恩人は自分の命を削りながら、魔獣を引きつけておいてくれたサーシリアなのだ。
「……もし、サーシリアを切り捨てるようなことをすれば」
その先を私は口にしない。
しかし、十分だった。
あと二話で完結になります!
明日二話投稿予定です!




