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『東方仙影譚』第八話

どうも作者の炙りサーモンです。この作品は東方projectの二次創作です。作者の勝手な解釈などもあります。それでも大丈夫という方は次に進んでください。

――ガラリ。

ルクスを左肩の特等席に乗せて満足していると、三度(みたび)、部屋の障子が開いた。

びくっと身を構えたが、入ってきたのはさっき「ここじゃない」と言って去っていった輝夜さんだった。今度は迷子ではないらしく、まっすぐに俺の方へ歩いてくる。

その手には、なぜか外の世界で見覚えのある四角い箱――ボードゲームが握られていた。

「さっきはデコピンをして悪かったわね。これ、お近づきの印よ」

輝夜さんは上品に微笑みながら、俺の目の前にその箱を置いた。

「え、これって外の世界の……」

「ええ、永琳がどこからか手に入れてきたの。ねえ、私とこれで勝負しないかしら?」

ニヤリと不敵に笑うお姫様。

気がつけば、俺は脱出することなんて完全に忘れ、輝夜さんと畳の上でサイコロを振って大はしゃぎしていた。肩の上のルクスも、俺が勝つたびに『きゅ〜っ!』と翼をパタパタさせて喜んでいる。

「あはは! 私の勝ちよ!」

「ああもうクソ、お姫様容赦ねぇな!?」

サイコロを振るゲームにもちょっと飽きてきた頃、俺はふと思いついた別のゲームを提案してみることにした。外の世界で、かなり前クラスの奴らとよく遊んでいたあの心理戦ゲームだ。

「なぁ輝夜さん、せっかくだし『人狼ゲーム』しません?」

「人狼ゲーム!?」

輝夜さんは意外にも、身を乗り出すようにして食いついてきた。

「するするする!!! そういえばこの前、永琳が外の世界からカードを手に入れて持ってきたのよねー!」

おお、まさかの現物が永遠亭にあるらしい。

もしルールを知らなくても俺が説明すればいいか。……まぁ、俺の説明は壊滅的に下手くそなんだけど。

輝夜さんは興奮した様子で立ち上がると、目をキラキラ輝かせた。

「待ってて、今すぐ永琳たちを呼んでくるわ!」

嵐のような勢いで、輝夜さんは部屋を飛び出していってしまった。

――数分後。

「みんな連れてきたわよー!」

宣言通り、輝夜さんがぞろぞろと永遠亭の面々を従えて戻ってきた。

白衣を翻した永琳さんに、まださっきの心労が残っていそうな優曇華さん。そして、なぜかニヤニヤと不敵な笑みを浮かべている、因幡てゐ(いなばてい)。

――って、ん?

「よお、仙。私も混ぜてもらうぜ」

永琳さんたちの後ろから、しれっとした顔で妹紅まで部屋に入ってきた。

いや、お前さっき優曇華さんにズルズル引きずられてお説教部屋に連行されてなかったっけ!? 弁償の話はどうしたんだよ!

「人数は多い方が楽しいものね。さあ、カードを配りましょう!」

輝夜さんが嬉しそうに、外の世界の人狼カードを取り出して並べ始める。

月の頭脳と呼ばれる、超天才の永琳さん。

相手の精神を揺さぶる波長を操る、優曇華さん。

普段から嘘とハッタリだけで生きているような、詐欺師兎のてゐ。

正直、この3人を騙し通せる自信は微塵もない。

だが、俺は隣にドカッと座った白髪の少女をチラリと盗み見た。

――妹紅、お前は絶対に一番騙しやすそうだな。

直感的にそう確信した俺は、ちょっとだけ勝機を見出しつつ、配られたカードへと手を伸ばすのだった。

読んでいただきありがとうございました!次回はなるべく早く出しますので、お待ちください

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