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『東方仙影譚』第十二話

どうも作者の炙りサーモンです。この作品は東方projectの二次創作です。パロディやメタ発言、作者の勝手な解釈などが含まれます。それでも大丈夫という方は次に進んでください。

 結局、あの後ゲームはあっさりと幕を閉じた。

 3人まで絞られた次の夜、人狼が確実に誰かを殺して勝つという、冷徹な詰みの状況が発生してゲーム終了となったのだ。

「あはは、私の勝ちだね〜」なんてニヤニヤ笑うてゐを横目に、俺はどっと押し寄せた疲労感に肩を落とす。

すっかり夜も更けてしまったため、永琳さんの勧めもあり、俺は今夜、永遠亭に一晩お世話になることになった。

――けれど。

「……ダメだ、目が冴えて眠れねぇ」

割り当てられた客室の布団の中でしばらくゴロゴロしていたが、ゲームの緊張が残っているせいか、一向に眠気が来ない。

仕方なく、俺はちょっと涼むために夜の散歩に出かけることにした。

「ルクス、ちょっと付き合え」

影から呼び出した相棒を左肩の定位置に乗せ、俺は静まり返った永遠亭の縁側から、夜の迷いの竹林へと足を踏み入れる。

月明かりに照らされた竹林は、昼間とは違ってどこか幻想的で、ひんやりとした風が心地よかった。肩の上のルクスも『きゅ〜……』と小さく喉を鳴らして、静かな夜の空気を楽しんでいるようだ。

――そんな穏やかな時間が、一瞬で地獄へと変わるなんて、この時の俺は思いもしなかった。

急に、あたりに不自然なほど濃い霧が立ち込め始めた。

視界が急速に奪われていく。嫌な予感がして足を止めた、その瞬間――。

――ドガァァァァンッ!!!

「うおわっ!?」

すぐ真横の地面に、上空から巨大な紅白の陰陽玉が容赦なく降り注ぎ、凄まじい爆音と共に消し飛んだ。

白煙と砂埃が舞い上がる中、俺は激しく咳き込みながら上空を見上げる。

一体何事かと思っていると、夜の闇を裂くようにして、赤と白色の巫女服を着た一人の少女がひらりと空から降りてきた。

少女はお祓い棒を俺に向け、キッと鋭い視線で睨みつけてくる。

「あなたが今回の異変の黒幕ね! 見かけない人間だし、肩に変なの乗っけてるし、そうに違いないわ!」

いや、違うんだが?

濡れ衣もいいところだ。つーか、空から降ってきたかと思えば、いきなり爆発を起こして犯人扱いしてくるこの不届き者は誰なんだよ。

俺は警戒しながら、眉をひそめて聞いた。

「……誰?」

少女はフンスと傲慢に胸を張り、事も無げに答える。

博麗霊夢(はくれいれいむ)。博麗神社の巫女よ」

霊夢。それがこの紅白の巫女の名前らしい。

こっちの世界の巫女というのは、異変とやらの黒幕を見つけて倒すという役目でもあるのだろうか。だとしたら、あまりにも人選と調査の仕方が大雑把すぎる。

「おい博麗霊夢。悪いけど俺はただの散歩中の人間だ。黒幕でも何でもねぇよ」

俺はできる限り冷静に、この話の通じなさそうな巫女に向けて、誤解を解くための反論を試みようとした。

すると霊夢は、俺の言葉を聞き入れる耳など持たないとばかりに、冷酷に言い放った。

「問答無用! 霊符『夢想封印!』」

叫びと共に、彼女は手元のお札をこちらへ向けて構えた。

夢想封印ってなんやねん。

と、俺が心の中でツッコミを入れたのも束の間。

夜の竹林に、すべてを吹き飛ばすような物凄い音と爆風が鳴り響いた――。

読んでいただきありがとうございました!次回はなるべく早く出しますので、お待ちください

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