表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

モシダくん

悲しそうな顔をする彼女を見た吉田は

続けて答えた。


「あ、いや。僕、吉田じゃないので。」


彼女の思考は一瞬止まり、すぐに安堵した。

ただの人違いであった。


よかった。忘れられてたんじゃないんだ。


安堵も束の間、

冷静になって状況を整理する。


え、でもちょっと待てよ。


なんだなんだ。てことは

夜通し飲んだくれた女が、知らない人にウザ絡みしただけじゃないの。


猛烈に恥ずかしくり、顔がイチゴのように真っ赤になった。


「あ、ごご、ごめ、失礼しましたー!」


そそくさと駆け出した瞬間、

目の前にあった電柱に気づかず、ダッシュの勢いのまま頭をぶつけた。


ごちん!


鈍く大きな音が頭に響く。

くらりとよろめきながら、おでこをさする。


「あいたたたー。」


「大丈夫ですか?!」


心配して顔を覗き込んでくる吉田くん、惚れるからやめてくれ。

いや吉田くんではないのか。・・モシダくん。


うん、モシダくんにしよう。


もう一人の吉田くん、「モシダくん」と心の中で勝手に命名した。


モシダくんは私に大きな怪我がないと分かると

ぷっと吹き出して笑い始めた。


「ははは!すごい勢いで電柱にぶつかりましたよ!まるで闘牛みたいでした!」


と、と、闘牛?!!!


モシダくんってストレートに言うのね。と少し刺さりながらも

私も思い出して一緒に笑ってしまった。


「だって、この距離に電柱があったんだよ!誰も避けられないって!」


しばらくすると笑いが落ちつき、モシダくんが呼吸を整えて口を開いた。


「もしよければ、近くまで送らせてください。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ